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2020.11.11

銀杏(ぎんなん)を食べると犬も中毒になるの?量の目安と注意点について

銀杏(ぎんなん)を食べると犬も中毒になるの?量の目安と注意点について

食欲の秋には、さまざまな美味しいものが食卓に並ぶようになりますが、ちょっとしたおつまみとして人気の食材に銀杏があります。

散歩道や街路樹などの下でも見かける銀杏ですが、散歩中に道に落ちている銀杏の実を犬が誤って食べても中毒の可能性はないのでしょうか?簡単にですがまとめてみました。

犬は銀杏を食べることができるの?

私たちには黄色い見事な紅葉を見せてくれるイチョウの木の実である銀杏。イチョウの実の中にある種の柔らかい胚珠と呼ばれる部分を主に食べています。

銀杏を大量に食べると中毒が起きる可能性があることは人の食で知られていますが、犬の場合は、結論からいうと、銀杏を食べることはできます。ただ、人間同様食べる量には注意が必要です。

銀杏の中毒は、銀杏に含まれるビタミンB6を阻害する成分によって引き起こされます。ビタミンB6は神経伝達物質を合成するのに関係している補酵素なので、これによりさまざまな症状が引き起こされます。

人間では1歳の子供(10kg弱)で40粒ほどの銀杏を食べて中毒が起きたことが報告されています。これを体重あたりで割ると、3~4粒/1kgとなります。
犬が特別銀杏の中毒に弱い、という報告は今のところありませんが、犬の体質によっては目安よりも少ない量で影響がでる可能性もあるので、積極的に食べさせる必要はないと思います。

犬が銀杏を食べてしまった!どうするべき?

犬が思わぬ形で銀杏を食べてしまった、というケースは起こり得ます。目を離した隙に、調理済みのものを食べてしまったという場合や、床に落ちた食べこぼしを食べてしまうといったことが多いようです。
また、散歩中に道に落ちている銀杏の実を犬が食べてしまうということもあります。これらの場合、飼い主が出来ることはどれくらいの量を食べてしまったのかを把握することです。かじった程度であれば落ち着いて犬に水を飲ませて様子を見ましょう。

それからレアケースかと思いますが、1歳の子供のケースから犬の体重あたりをあてはめた量以上(体重1kgあたり3~4粒以上)に食べてしまっているようであれば、速やかに動物病院を受診して適切な処置を受けることをおすすめします。銀杏の中毒は食べてから数時間で起こることが多いようです。

■ ちなみに:人間以外の動物も銀杏を食べるの?

中毒が起きることが知られている銀杏ですが、野生動物は食べることがあるのでしょうか?日本では、野生のリスが銀杏を食べていることが知られています。私たちよりもずっと体が小さなリスですが、銀杏を食べても中毒にならないというのは不思議ですよね。リスだけが持っている酵素などがあるのかもしれません。

ちなみに、犬の場合は銀杏の実が放つ独特のニオイに興味をひかれやすい可能性があります。銀杏の実のニオイは「酪酸」と「エナント酸」からできています。酪酸は犬も好きなトライプや動物の内臓などにも含まれる成分で、エナント酸は腐敗した脂質などのニオイ成分に近いといわれています。犬が野生時代に食べ物としてきたものに近いニオイをしているので、興味を持ってしまうことが多いのかもしれません。
散歩道で犬が銀杏に興味を持った様子を見かけたら、注意してくださいね。

おわりに

今回は秋の味覚のひとつである銀杏についてご紹介しました。
銀杏の実のニオイは犬の興味を引く成分が含まれていて、この時期、犬が食べてしまったという話も多く聞きます。犬が大喜びするというトライプのニオイ成分に近いのですから、やっぱりかとうなずける行動です。
それに、道端に落ちている銀杏は、可食部を覆う固い殻を持っています。犬たちは殻ごと丸飲みしてしまい、喉や消化器系に詰まらせてしまう可能性もあります。


犬が道端に落ちてる銀杏に興味を示したり、口に入れようとしている様子を見ると「中毒になるかも」とつい焦ってしまいますが、落ち着いて犬に指示が出せるように心がけたいですね。