- コラム
- スタッフコラム
2020.11.05
低脂肪フードの脂質ってどれくらい?犬の低脂肪食の選び方
犬たちの毎日の暮らしを少しベターにするTipsを、POCHIのコンサル担当のスタッフたちがお届けします。
*1 ご相談内容は一例であり、犬たちの生活習慣や体格、体質などによって差があります。
~低脂肪フードの脂質ってどれくらい?~
<とあるご相談内容>
動物病院で、低脂肪のフードに切り替えましょうと提案されました。ドッグフードの低脂肪の基準ってどれくらいなんでしょうか?
-
コンサル担当 U
コンサルティング担当スタッフのリーダー的存在。自身の経験をもとにしたサプリメントやフード選びに関する知識が豊富。
最近「脂肪の少ないフードを探している」という相談が多く寄せられます。
減量(ダイエット)が目的だったり、膵臓の数値が良くないからという理由です。
そもそも、脂肪が少ない「低脂肪ドッグフード」と呼ばれるフードは脂肪(脂質)の含有量はどれくらいを目安にして作られているのでしょうか?
■一般的なドッグフードの脂質の量はどれくらい?
犬の健康維持のための栄養基準として、メジャーなものにAAFCOの基準があります。AFFCO総合栄養食の基準では脂肪%は成犬で5%以上、パピーでは8.5%以上と定められています。(乾物量)
ダイエットや体重維持の大敵と考えがちな脂質ですが、実は上限が設けられていません。つまり総合栄養食にどれだけ多くの脂質が配合されていたとしても、基準はクリアしているといえます。
現在、主流となっているドライフードでは、だいたい15%前後のものが多いようです。
皆さまの家にあるドッグフードも、それに近い数字のものだと思います。主流のドライフードの脂質含有量は総合栄養食の最低基準の約3倍となります。最低基準とはいえ結構高脂質に感じますね。
■どれくらいの脂質の量なら、低脂肪フードと言えるの?
POCHIで取り扱っているフードの中で低脂肪と言われているフードの脂質は7.9%、7.5%、6%、などで、一番低いものでは5%でした。
低脂肪フードに明確な基準があるわけではないため、「総合栄養食基準内」で「他のフードに比べると低い(自社製品比)」数値を目安としています。
■こんな時に低脂肪フードを活用してみよう
低脂肪のフードを探されている飼い主さんは、犬のダイエット(減量)目的の方と病気の治療のための方がほとんどです。
脂肪が多くカロリーが高いフードは、肥満に結び付きやすいので犬の体重管理をしたい場合には、脂質の低いフードを意識して選ぶ方がオススメです。もちろん、犬のダイエットに挑戦する場合は、脂質だけではなくほかの栄養素とのバランスやオヤツの量、食べさせるドッグフードの量もチェックしましょう。
また、膵炎に悩む犬の場合も、低脂肪フードを勧められることがあります。
脂質が高い食事が続いたり、脂質とタンパク質などのほかの栄養素のバランスが崩れた食生活が続くと、急性膵炎を起こしやすくなります。消化液を作る膵臓の負担を減らすためには、脂質の制限が効果的だと言われています。
この場合は、動物病院での指導に従うことが基本です。 しかし、どうしても犬が療法食を食べないようであれば低脂肪のフードも選択肢となります。与えてもいいのか迷った時は、獣医師さんに低脂肪のフードの保証分析値などをチェックしてもらうと安心です。
おわりに
脂質は、効率の良いエネルギー源、必須脂肪酸供給源、油溶性ビタミン吸収促進などのための必須栄養素です。また、皮膚被毛の健康に不可欠で、体内で活性物質を合成するなど重要な働きもします。イメージだけで悪者扱いしてしまうと、かえって不健康になってしまうこともあります。
ドッグフードの脂質の量は、原材料によっても変わります。最近では生の肉や魚を原材料に使う、嗜好性の高いフードが人気です。
しかし生肉や生魚にはタンパク質だけではなく、脂質も含まれています。ですから、フレッシュミートを使う量が多ければ、その分脂質も多くなりやすい傾向にあるため注意が必要です。
ダイエットや膵炎の治療などの目的があって低脂肪フードを探す際は、減量目的のフードやシニア用フードの中に、脂質が低いドッグフードが見られます。
低カロリー=低脂肪ではありませんのでそこは注意して、「成分分析値」もしくは「保証分析値」内の「脂肪」、「脂質」、「Fat」 と書かれている分析値を比較するようにしてください。