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2021.01.07
無添加ドッグフードってどんなもの?添加物を正しく知ろう
犬にあったドッグフードを探して情報収集をしていると、「無添加」というキーワードを多く見かけた方もいると思います。でも、無添加といっても「どんなものが添加されていない」ものなのかはあいまいな感じを受けます。無添加ドッグフードと呼ばれるものは、ほかのプレミアムドッグフードやナチュラルドッグフードと呼ばれるものとどのようなところが異なっているのでしょうか?
口コミサイトなども増え、さまざまな情報を手にすることができるようになった今、ドッグフードを選ぶために改めて知りたい基本的な情報を改めてご紹介します。
ドライタイプのドッグフードに添加物は必要なの?
そもそもなのですが、ドライフードに添加物は必要なのでしょうか?
答えを言ってしまうと、犬の食事の品質を守るために必要です。
無添加ドッグフードとは、一般的に「香料や着色料、保存料などの使用を制限し、安心の成分や原材料で製造されたドッグフード」と紹介されているようです。しかし、実際には無添加ドッグフードにも添加物が使用されるのが一般的です。
ドライフードを総合栄養食にするための栄養バランスを整えたり、保存性を高めたりするためにどうしても必要になるものです。これらの添加物がないと、栄養バランスの偏りが見られたり、傷みが進みやすくなったり、かえって犬の健康に影響する結果になることも考えられます。
最近では、犬の健康への意識が高まったため、とくにプレミアムドッグフードに分類されるものでは、人間の食品と同レベルの安全性を意識した添加物が選ばれる傾向にあるようです。
■食品添加物とは
食品添加物は、保存料、甘味料、着色料、香料、食品の製造過程で必要な増粘安定剤や粘結剤など、食品の保存・加工の目的で使用されるものです。
日本では厚生労働省で定められていて、食品添加物の安全性について食品安全委員会による評価を受け、安全性が認められる場合に限って、成分の規格や、使用の基準を定めたうえで、使用を認められています。
使用が認められた食品添加物についても、国民一人当たりの摂取量を調査し、その範囲内の使用に制限するなど、安全の確保に努めています。
プレミアムドッグフードに使用される添加物の種類と目的
プレミアムドッグフードの場合、添加物が使用される時はどんな目的で使用されるのでしょうか?
■ドッグフードの保存性を高めるため(酸化、菌の繁殖の抑制)
まず、ドッグフードに使用される添加物には、ドッグフードの保存性を高めるために添加されるものがあります。
ドッグフードの脂質の酸化を抑えるために使用される酸化防止剤や、菌の繁殖を抑える防腐剤がそれに該当します。
プレミアムドッグフードの場合は、主に自然界に存在している成分などを使って保存性を高めています。(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、アスコルビン酸、クエン酸など)
■栄養バランスを整えるため
ドッグフードには総合栄養食と呼ばれるフードがあります。これは犬が必要とする栄養をすべてバランスよく含んでいるドッグフードです。総合栄養食のドッグフードはAAFCO(アーフコ)やFEDIAF(フェディアフ)などが定めた栄養基準を満たしていることを保証しているというルールが存在しています。
ドッグフードにはさまざまな原材料が使われていますが、この栄養基準を満たすためには材料そのものが持っている栄養成分だけでは不十分なことも多く、ビタミンやミネラルといった成分を添加して栄養バランスを整えています。ヒューマングレードであっても同様で、総合栄養食にするためにはどうしてもビタミンミネラルの添加は必要になります。
また、ドッグフードに機能性をプラスするために使用される抽出成分も添加物のひとつになります。
■ドッグフードの食感を安定させるため
ウェットフードでは、食感を滑らかにして嗜好性を高めたり、使いやすいように安定させるために食品添加物が使用されることもあります。
とろみをつけたり、水分が多い食品を固めるなどの目的で使用される添加物には、カラギーナンやグアーガムといったものがあります。これらは海藻や植物の樹液などに由来するものが多いようです。
日本の伝統的な食品のひとつ、寒天も同じように使われることがあります。
おわりに
犬の食事の品質を守るための添加物があり、ドッグフードにはその添加物はある程度必要です。添加物だからと言って悪いものではありません。むしろ品質を保つために人間や犬の健康に影響がないとわかっている「食品添加物」を使用することがほとんどです。それはヒューマングレードのドッグフードであっても同じなのです。
総合栄養食の基準を満たすためや、保存性を高めるため、食感を維持するためなど用途によって必要な添加物が使用されます。
食材だけを使い、無添加の手作り生食に挑戦しようとしても食材だけでは、栄養基準をクリアすることは至難の業のようです。