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2021.04.15

犬の幸せって何だろう?アイメイト(盲導犬)と一緒に歩いて分かったこと<アイメイト協会を訪問して>

犬の幸せって何だろう?アイメイト(盲導犬)と一緒に歩いて分かったこと<アイメイト協会を訪問して>

私たち人間の暮らしは長い歴史の中でも、たくさんの犬に助けられてきました。犬と一緒に過ごしていると、飼い主や家族を喜ばせようと犬が日々頑張っている姿をみたことがある方も多いのではないでしょうか。

人は犬に助けられ、犬は人の役に立つことに喜びを感じる…そんな姿がある種の犬と人の関係性の理想ともいわれます。でも、現代の私たちにとって働く犬はあまり身近に感じられないという方もいるでしょう。本当に人間のために働くことは犬にとって幸せなのでしょうか?

今回は働く犬の代表のひとつ、盲導犬(アイメイト)を育成している団体、公益財団法人アイメイト協会を訪問させていただきました。

■ 公益財団法人アイメイト協会とは

1957年、国産盲導犬第1号チャンピイの育成を行った塩屋賢一氏が設立した「盲導犬研究会」を前身とする、アイメイト(盲導犬)の育成事業を行う公益財団法人です。2021年2月までに1,401組のアイメイトと使用者を送り出しています。
アイメイトは「盲導犬」に代わる、人間と対等なパートナー(犬)を表す呼称です。

視覚に不自由がある方の福祉を重視し、「障害者と一体となって自立のお手伝いをする」というポリシーを貫いています。使用者の自立という高い目標を掲げている同協会を卒業した卒業生たちは、日本の複雑な街の中を歩くだけにとどまらず、海外への留学や旅行など、その活躍のフィールドは世界中に広がっています。

犬と使用者が一体となり、より広い世界へと歩き出すためのサポートのため挑戦を続ける協会に、今回特別にアイメイト育成の現場を見せていただきました。

初めてのアイメイト(盲導犬)との歩行体験。

私の歩行体験に付き合ってくれることになったアイメイト(盲導犬)候補生は、友人宅に居たラブラドールレトリバーよりも少し小柄で、引き締まった体形だったことが印象的でした。

人を導くための歩き方を教えている歩行指導員さんの方をしっかりと見つめてお仕事を待っている時のアイメイト(盲導犬)の姿は、全身からやる気と意気込みが伝わるようでした。

街ではたびたび見かけることがあった盲導犬。でも、実際にハーネスを持って歩くことは初めてのことです。
歩行指導員さんに基本的な歩き方のレクチャーを受けてから、アイマスクをして視界を塞ぎます。

実際に歩き始める前に歩行指導員さんに促されて、一緒に歩くアイメイトに挨拶をすることになったのですが、普段からやっている犬への挨拶も、視界が塞がれるだけで何とも言えない不安に包まれました。目を触ってしまわないだろうか、嫌がることをしてしまわないだろうかとちょっと躊躇してしまったのです。
今まで当たり前にしてきたことなのに、少し戸惑ってしまう感覚はこれまでに感じたことがなかったものでした。
指導員さんのアシストもあり無事に頭を撫でることが出来た時には、手のひらから伝わる犬の頭の形や毛の感触にちょっと冷静さを取り戻し、いよいよ実際に歩き始めることになりました。
 

■歩くことに集中したことなんて、今までありませんでした。


「それじゃ、始めますね。まっすぐ歩きます。ゴー」
歩行指導員さんの合図が出ると、半呼吸ほど置いてから左手に握ったハーネスから犬が歩き出す感覚と、ぐっと前に進む強い力が感じられました。
私は大型犬が好きで、パワフルな犬たちとの散歩を楽しんでいた方なのですが、視界が塞がれている中で犬に引かれるとより一層、力の強さが際立ち、引っ張られているような状態になってしまいました。
丁寧に教えていただいた歩行の姿勢も崩れてしまい、犬との距離が開いてしまいます。

「もっと脇をしめて(ハーネスを)持ってください。犬に近付いて大丈夫ですよ」という声をかけられ、指導された歩行姿勢を必死で思い出します。


背筋を伸ばして、ハーネスをしっかりと握り込み、脇はしめて体に沿わせる。自由な右手は振って歩くと歩きやすい…。

そういえば、私は普段から猫背気味。背筋を伸ばして前を向いて歩くことって、最近はめっきり減っていたような気がします。思い切って胸を張って背筋を伸ばして歩いてみると、「いい姿勢です!」と褒められました。
この姿勢で歩いていると、自然と犬の体は自分の左脚に犬の体が触れるくらいの距離になります。この距離感では、不思議と引かれるような感覚も不安感もなくなり、スムーズに歩けるようになっていきました。

でも、この時も頭の中は歩行姿勢と犬の脚を踏んだり蹴ってしまわないかという不安でいっぱい。歩くことに意識を集中させることなんて、今までなかった私にはとても貴重な体験でした。

■犬の姿からもらえる、自信。

真っすぐ歩くことが出来るようになった私とアイメイト候補生は、歩行指導員さんに導かれて道を進み曲がり角へ向かいました。

道を進んでいった先では、車が私たちの正面からやってきました。歩くことにやっぱり夢中の私はそれに気づかず、歩き続けようとしたのですが、犬は静かに立ち止まりました。「あれ?」と思わず声が出てしまった私に歩行指導員さんが「車が通るので立ち止まったんですよ」と教えてくれました。

夢中になっていた私とは打って変わって犬はとっても冷静に周囲を見て、今は止まった方がいいと判断をしていたのです。
一歩判断を誤れば大きな事故になってしまう車とのすれ違いですが、犬たちはきちんと危険かどうかの判断をして「立ち止まった方がいいよ」「もう安全だよ」と教えてくれているのです。
 

車とのすれ違いをした少し先で、交差点にたどり着きました。
この時初めて、アイマスクを外してみると、歩き始めた公園はかなり離れた距離に。思っていたよりも遠くまで歩いてきたことを知りました。

「途中、障害物があったんですけど気が付きましたか?」
そういえば、私の左側を歩いていた犬がスッと右側へと寄ってきたことがありました。
犬に導かれるまま私は少し右側へと進路を取り、障害物を避けて再び左側の歩道へと戻っていたそうです。
私自身は自分が歩くことに意識が向いていましたし、犬があまりに自然に避けていったものですから、私は障害物を避けたということすら気が付かなかったのです。
「き、気が付かなかった…」と呆然としている私の横で次の指示を待っている犬は、涼しい顔をしていましたが、小さく尻尾が揺れていました。
不思議なもので、犬のそんな自信にあふれた様子を感じ取ると最初に感じていた不安や心配が少しずつ氷のように溶けていきました。
「この子に任せれば大丈夫。」という気持ちが芽生えると、犬との距離も保ったまま堂々と歩くことが出来たようです。
犬が自信満々に歩いてく力に私もつられて自信を分けてもらっていた、そんな気がします。

 

■名前を知らない「君」にゆだねるということ。

往路の歩行体験を終えた私たちは協会の建物に戻ってきたのですが、自信たっぷりのアイメイト候補生の姿に自信を分けてもらったおかげか、復路はスムーズに戻ることが出来ました。

一緒に歩いてくれた犬に感謝を伝えたくて、協会の方に犬の名前を尋ねたのですが「名前を教えることはできないんです」といわれました。

アイメイト協会では、アイメイト候補生の名前を外部に伝えることはできない規則になっているそうです。


犬にとって名前は特別なものです。家族から呼ばれる名前は犬にとって喜びでもあり、安心を与えてくれるものでもあります。

歩行指導員さん以外で犬の名前を呼んでくれる人に褒められるということが、犬にとってどれほど特別なことなのかを考えると当然なのかもしれません。

私と一緒に歩いてくれた候補生の犬は、きっと使用者からの信頼を受けてより一層自信をつけて、たくさん褒められることになるだろうと思います。

■ 盲導犬のハーネスについて

アイメイト(盲導犬)として活躍する犬たちが付けているハーネスは、アイメイト協会では一頭一頭の体格や大きさに合わせたオーダーメイドなのだそうです。

犬のちょっとした動作も人への伝達に繋がりますから、犬の体にフィットするように丁寧に特注・調整されているそうです。

ハーネスを実際に手に持たせてもらいましたが、1kg弱ほどの重さでした。使用者が手に持つ部分は金属製の芯を革で覆ってでできていて、想像よりも軽い印象を受けました。犬にとっても、使用者にとっても負担にならないようにハーネスにも工夫がされているんですね。

アイメイトが使用者と歩けるようになるまでの歩み

私たち人間の目となり、複雑な道を歩き、安全な場所を選んで進んでいくアイメイトたちはなんだかちょっと「うちの子とは違う、特別な子」というイメージを持ってしまいがちです。でも、そんなアイメイトたちにだって私たちと一緒に暮らす家庭犬と同じ一面だって持ち合わせていますし、そういった個性がとても大切なのだそうです。

アイメイトたちはそれぞれの段階で「うちの子」という側面を持っています。その成長段階ごとの「うちの子」な一面と、デビューまでの道のりをご紹介します。

■どの子犬たちも人間が大好き。愛情をたっぷり受けて育つ「飼育奉仕家庭」時代

アイメイトとして活躍する犬たちは、主にアイメイトの訓練を受けた犬たちの中から選ばれた、素質に富んだ繁殖犬の間から生まれます。(この両親犬はアイメイトとして実際に仕事をすることはありません)

この母犬や父犬たち、そして生まれてくる子犬たちの世話を行う人々はボランティア(繁殖奉仕家庭)でそれらを行っているそうです。

優しい母犬とボランティアさんにたっぷり愛情を注がれた子犬たちは、生後2か月を過ぎた頃から飼育奉仕家庭と呼ばれるボランティアさんのもとで1頭ずつ愛情をたっぷりかけられて成長していきます。この時、一般の家庭犬と同じように家族と一緒に過ごす幸せや楽しさをたくさん経験します。散歩やお出かけ、旅行に行く飼育奉仕家庭もあるそうですよ。

この時期はまさに、ゴールデンタイム。でも、将来はアイメイトとして活躍が期待される犬たちを育てる時には注意が必要なポイントもあります。

まずは、犬にオヤツを与えることはできません。基本の食事以外のご褒美を与えることもできません。将来、アイメイトとして活躍する時にオヤツのことを思い出してしまって集中力を切らしてしまったり、「オヤツのために」という動機で動くようになってしまうと、オヤツをくれる人の指示に従ってしまうなど、事故の原因になる可能性があるからだそうです。

それから、ボール遊びも禁止。これもアイメイトとして活躍する時にボールなどに気がとられてしまうのを防ぐため。最近ではする人が少なくなったといわれていますが、自転車引き運動も禁止です。

そして何よりも大切なのが、これは犬が人間を心から信用するために、犬を裏切るようなことはしないということだそうです。犬をからかったり、だますような振る舞い(意図的ではなくても)はしてはいけない、という明確なルールがあります。
ちょっとした冗談や遊びのつもりでも、犬が人間に対して不信感を持ってしまうことがないように誠意をもって犬に接すること…これが後のアイメイトたちの行動にも大きく影響してくるのだそうです。犬が自信を持って仕事に励むため、そしてそんな自分に誇りを持つためにも、家庭犬と同じように愛情をたくさんかけられるこの成犬になるまでの約1年間は、とても大切な時期なのです。

 

 

■4か月あまりで基礎を学ぶ。候補生時代。

約1年をかけてたくさんの思い出を作った子犬たちは、成犬になり、アイメイト協会の指導員さんと行う訓練を経て、初めてアイメイト(盲導犬)となる資格を得ます。犬にとってアイメイト協会は学びの場。たくさんのことを約4か月間の訓練で吸収していきます。

アイメイトとして必要な歩き方を学ぶ前に、犬は指示に従うことと学習する姿勢を学ぶ「基礎訓練」からスタートします。歩行指導員さんと信頼関係を作りながら、人の指示に従い褒められる喜びと、どのようにすれば人が喜んでくれるのかを知っていきます。

その後、視覚障害者と歩く際に道の分岐や段差で止まって使用者さんに知らせたり、障害物を回避したりできるようにするための誘導訓練や、実際に目隠しをした指導員さんと一緒に歩くテストなどを繰り返しながら、徐々に犬たちは人と一緒に歩くこと、そしてそのために必要な技術を学んでいくことになります。

アイメイト協会の代表理事 塩屋隆男さんは「全ての犬は豊かな才能があって、可能性の塊です。どんな子でもきっと分かってくれます」と話してくれました。犬たちにはさまざまな個性があり、その子に合っている教え方や伝え方もさまざまです。「ひとつめの方法がダメだったからといって、その子がダメな訳ではない。ほかにも伝わる可能性があるのであれば、試してみるべきです」とも言っていました。

実際に歩行指導員や協会のスタッフの方々は、犬たちの個性や特長を共同生活をする中で注意深く観察し、教え方や犬への接し方を変えるなどの試行錯誤を繰り返しながらさまざまなことを教えています。

その中には、犬が人間社会で生きていくために必要な「マナー」も含まれています。私たちが暮らす日本では、まだまだ犬が社会の中で十分に受け入れられているとは言えない現実があります。
だからこそ、公共の場所で周りの人も安心していられるよう、例えば静かに待つことなど、人の社会で受け入れられるために大切なことも練習していく必要があるのです。

使用者さんとアイメイトは一心同体、歩くときには一体となります。
使用者さんがもっと広い世界を歩いていけるように、たくさんの人に受け入れられるように、そんな明るい未来を目指してアイメイト候補性と歩行指導員は日々歩いているのです。

濃密な訓練は4か月で終わり、いよいよパートナーとなる使用者さんと出会い、アイメイトとしての生活が始まっていきます。
この時の犬たちは、関わった多くの人々からの愛情を受け、たくさん褒められて自信を身に付けています。

 

■いよいよ使用者さんとの出会い、アイメイトとしてのスタート地点へ。

訓練を終えたアイメイトたちは、それぞれの個性や性格などを踏まえて使用者さんとマッチングをされます。
そして出会った使用者さんとパートナーとなっていくための訓練が始まるのですが、この時は使用者さんも協会に住み込みで歩行指導が行われます。このトレーニングは約1か月間続き、その間はずっと使用者さんと犬の二人三脚。
私は体験するまでは犬が人を導く、というイメージだったのですが、実際には使用者さんも犬と一緒に歩くためにさまざまなトレーニングを必要とします。たとえば、歩く時の姿勢や犬への指示の出し方、視覚に障害がある中でも必要な犬との暮らしを行うための練習などを学んでいくのです。最初は上手くできなくても、犬との関係性をしっかり作っていく中で徐々に互いの癖や考えが分かるようになっていくのだそうです。

この時に使用者さんは犬の世話を行うための基本的なことも指導されます。その中には犬の食事のこと、犬との接し方や犬のブラッシング、トイレやシャンプーの仕方から爪切りまであります。アイメイトは使用者さんの体の一部です。ですから、使用者さんが健康管理を行うのも当然とのこと。
私たち、飼い主と同じ目線で同じようにケアを行い、犬たちのためにできることを尽くすのも当然と考えて、実践できるかどうかも、使用者としての大切な心がけです。この考え方も協会設立当初から変わらないのだそうです。

 

■アイメイトが自分の役割とやりがいを感じるまで。

1か月間、協会で使用者さんと一緒に住み込みで訓練を経て、ようやく正式なアイメイト(盲導犬)となる犬たちですが、この後もアイメイト(盲導犬)と使用者さんは努力を重ねて関係性を深めていきます。歩行のための技術、犬の健康管理の仕方、使用者としてのマナーなど必要最低限のことを学ぶ、歩行指導が終了しているとはいえ、そこはまだスタートライン。ここからがいよいよ、犬と使用者さんにとっての一番大切な時間です。

もちろん、卒業後であってもアイメイト協会は使用者と犬が問題に直面したときには全力でサポートする体制を整えています。何か困ったことがあれば、使用者はアイメイト協会に連絡をとり、いつでも相談できるようになっています。
これまでには、留学中だった使用者と犬のもとに、アメリカまで協会のスタッフが赴いたこともあったそうです。

アイメイト(盲導犬)にとって唯一の家族となる使用者。その人それぞれの生活スタイルや家での過ごし方はまちまちですから、一つとして同じ環境はなく、それぞれの犬にとって新しい環境での生活が始まります。

基本的なことは訓練で習得しているとはいえ、やはり実際の体験が一番の教材となります。最初の頃は使用者さんが犬と歩いてみても、心や意図がすぐには伝わらず「なかなか上手く行かない…」と感じるケースも多いそうです。でも、共同生活をして何度も繰り返しながら徐々に互いのことを理解していき、スムーズに歩けるようになっていくそうです。

日本で活躍するアイメイト(盲導犬)たちは、日本特有の複雑に入り組んだ道を歩いたり、踏切を進んだり、駅の中を歩く必要もあり、世界の中でも最も難しい道を人と一緒に歩いていくことになります。それらは毎日、使用者と犬にとってはチャレンジとしてふりかかってきます。「今日はここまで歩けた」「今日は改札を通れた」というように小さなミッションをクリアするような感覚で、どんどんと二人の世界は広がっていきます。

だからこそアイメイト(盲導犬)たちと使用者さんの関係性は特別で、一緒に日常の中の課題を乗り越えていく「戦友」のような関係になっていくそうです。

私たちにとっては何気ない日常の中の一コマですが、アイメイトと使用者さんにとってはかけがえのない戦友との絆を深める時間でもあります。

一緒に歩くパートナーとの出会いが、犬にとっては大きな転換点となります。一緒に過ごす時間が長くなり、さまざまな経験をしていく中でアイメイト(盲導犬)は「大好きなこの人のために自分が出来ることは何だろう」と考えるようになり、よりその仕事ぶりが上がっていくそうです。すると当然褒められることも増えて、犬自身も自信とやりがいを見出していくようになります。そこまでいけば、アイメイト(盲導犬)と使用者は一心同体と呼べるのかもしれません。

おわりに


私たち、飼い主にとっては難しい仕事をしているように見えるアイメイト(盲導犬)たち。でも、犬にしてみれば「パートナーを喜ばせたい」という思いからしている行動なのです。


犬の行動に、パートナーである使用者が「よくやった!ありがとう、うれしいよ」と心から嬉しい気持ちを込めてほめることを繰り返して犬と人の絆は深まり、ますますよいチームになっていきます。
アイメイト(盲導犬)の場合は、よい仕事をすれば使用者さんが喜び、褒めてくれる。
私たちと一緒に暮らす犬たちの場合は、イイコでお留守番ができたり、ボールを拾って持ってくると、「えらいね!」「すごいね!ありがとう」と飼い主が嬉しそうな声で褒めてくれる。
犬との絆の育み方は、アイメイト(盲導犬)であっても、家庭で暮らす犬であっても同じといえるのかもしれません。

そして、アイメイトや盲導犬を育成する団体は、犬が人の社会の中で生きる喜びや幸せを見出すことができるように、サポートをしているという印象を受けました。

アイメイトたちのチャレンジと喜びは、使用者のできること、そして可能性を広げることなのだそうです。パートナーが新しいところへ出かけることが出来たり、それまでできなかったことができるようになり、それが「きみのおかげだよ」と感謝され、褒められるだけで大きな喜びを感じているのだと、実際に私もアイメイトと歩いてみて体感することができました。

「本当にそんなことで?」と疑いたくなってしまいますが、体験中、指導員の方がそばで回してくれていたカメラに残った写真を今見返しても、アイメイトが大きく尻尾を振って歩いている様子が分かるので、きっとそうなのだと思うのです。

ご協力いただいた団体様

*1  公益財団法人アイメイト協会 ホームページ