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2021.07.15
犬のサプリメントと薬の違いとは?~ペット栄養管理士のアドバイス #35
犬たちの毎日の暮らしを少しベターにするTipsを、POCHIのコンサル担当のスタッフたちがお届けします。
*1 ご相談内容は一例であり、犬たちの生活習慣や体格、体質などによって差があります。
~サプリメントと薬にはどんな違いがあるの?~
<とあるご相談内容>
ストルバイト結晶や膀胱炎になりやすい体質のようなので、日ごろの健康維持のためにサプリメントを使おうと思っているのですが、そもそもサプリメントは、薬とはどのような違いあがるのでしょうか?
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コンサル担当 U
コンサルティング担当スタッフのリーダー的存在。自身の経験をもとにしたサプリメントやフード選びに関する知識が豊富。
犬のためのサプリメントの使い方について悩む方は多いようです。
まず、基本としてサプリメントと薬は別物です。まずは簡単にではありますが、その違いについてまずはご紹介しますね。
■薬とサプリメントの違い
薬:病気、怪我の治療のために使用されるもの。成分が症状や病気の原因に直接働きかける
サプリメント:健康的な状態で、健康維持のために使用する食品や成分を含むもの。病気や怪我の治療の目的では使用しない。
薬とサプリメントでは、使用を想定されている対象が異なっていることが分かりますね。サプリメントはあくまでも、「健康維持」を目的に使用されることを想定しているので、病気の治療中ということであれば使用する際には、必ず動物病院で相談をした上で判断をしましょう。
ですから、現在膀胱炎やストルバイト結晶などの治療中なのであれば、動物病院で処方されている薬が優先です。
■サプリメントの使い方
さて、今回のご相談では、犬のストルバイト結晶や膀胱炎にお悩みとのことでしたのでそちらを例にサプリメントの使い方をご紹介します。
犬の膀胱炎とストルバイト結晶は、おしっこのpHがアルカリ性に傾いている時間が長くなることで起こりやすくなります。
とくに膀胱炎やストルバイト結晶になりやすい犬の場合は、体質的におしっこがアルカリ性の状態になりやすいのかもしれません。症状が落ち着いていて、動物病院で療法食ではなく一般食を与えても良いと伝えられているようであれば、これからの健康維持のためにサプリメントを使用することも選択肢の一つになります。
あくまで、膀胱炎の症状を改善したり、結晶や結石を溶かす目的ではなく、再発しないよう、家庭でのケアとして健康的な状態を維持するためにサプリメントを使います。
これらのおしっこトラブルを意識したサプリメントに使用される成分には、いくつか種類があります。その働きを知っておくことがポイントです。代表的な栄養には以下のものがあります。
■ おしっこトラブルの犬に配慮した栄養
■クランベリー(キナ酸)
クランベリーには、キナ酸と呼ばれる成分が含まれています。キナ酸は、体内で馬尿酸と呼ばれる成分に代謝されます。この馬尿酸はおしっこから排出されますが、おしっこに馬尿酸が含まれていると膀胱の粘膜に雑菌が付着しにくい状態を維持するといわれています。
膀胱炎は膀胱の中で雑菌が繁殖することで起こりやすくなるので、クランベリーを継続的に摂取することで膀胱内に雑菌が繁殖するのを抑える働きが期待できるといわれています。
■メチオニン
メチオニンは、構造の中に硫黄を含む、含硫アミノ酸と呼ばれるアミノ酸です。肉や魚、卵などの動物性タンパク質に多く含まれています。
メチオニンに含まれている硫黄は、体内で代謝されて酸性の硫黄に分解され、尿から排出されます。そのため、メチオニンを含むサプリメントを与えることで尿を酸性に傾けさせる働きがあるといわれています。
メチオニンは尿がアルカリ性に傾きやすく、ストルバイト結晶を繰り返してしまう犬にはオススメですが、尿pHが酸性に傾かせる力が強いため、尿pHをこまめにチェックしながら使用する必要があります。
尿pHが酸性に傾いた時間が長くなると、シュウ酸カルシウム結晶という結晶ができてしまう可能性があります。
おわりに
本日は薬とサプリメントの違いと使用方法についてご紹介しました。ポチで販売しているのは、薬ではなくサプリメントです。サプリメントは、家庭でのケアとして健康維持のために使用することを前提としています。
動物病院で処方された薬などを使用している場合は、必ず獣医さんと相談の上サプリメントを使うようにしてください。
また、健康維持に役立つ成分には働きが異なるものがありますので、働きを踏まえてサプリメントを選ぶことが大切です。