- コラム
- スタッフコラム
2021.08.19
伝統的なスパイス、クミンで暑い夏の体調管理 [#犬とハーブについて]
私たち人間はこれまでにたくさんの植物の力を借りて暮らしを豊かにしてきました。
人間の暮らしに深くかかわってきた一部の植物はハーブや薬草と呼ばれ、薬として活用できるものや、体調を整えるために役立てられたもの、食事の風味を豊かにしてくれるものなどもあり、今の私たちにとってなくてはならない物になっています。
そんなハーブのひとつにクミンと呼ばれるものがあります。ドッグフードにも使用されていて、夏の体調管理に役立つハーブ、クミンについてご紹介します。
クミンってどんなもの?
クミンと聞くと、カレーを思い浮かべる方は多いと思います。クミンはカレーにも使用されるハーブの1種で、エスニック料理で感じられるような独特の香りを持っています。
植物としてのクミンは、セリの仲間で中東からインドまでを故郷にしています。食べられるのは主にその種子の部分です。
中東からインドの伝統料理に欠かせないものなのですが、現在ではヨーロッパでも広く肉料理に使用されるようになりました。
クミンは、同じ種から育てたクミンでも、育った地域や環境によって香りや味わいに違いがよく出るそうです。
クミンの歴史と活用される理由
クミンの歴史は古く、紀元前16世紀の古代エジプトの書物にも登場するなど、太古の昔から人々に寄り添ってきたハーブのひとつ。
古代エジプトでは亡くなった王族の墓に副葬品としても一緒に埋葬されているほか、古代エジプト人の化粧品としても使用されていました。
また、少し時代が進みイエスキリストが活動していた紀元1世紀頃、中東地域では税金の代わりに納められることもあったほど、貴重で大切なハーブと認識されていたそうです。
最近では、古代から女性の美容に役立てられてきたことを受けて、クミンを絞ったクミンシードオイルが欧米では肌ケア用品として注目を集めているようです。
クミンが細胞のタンパク質の糖化物質「AGE」の増加を抑える働きがある、という研究が進められています。細胞の糖化は体内のタンパク質が糖と結びついてしまうことで、老化と深く関係している現象とされ、この研究は現在進行形なので、より詳しく分かれば犬の健康維持にもっと役立てられるようになるのかもしれません。
犬の健康維持に役立つクミンの働きについて
比較的ヨーロッパ発のブランドのドッグフードに、使用されることもあるクミン。
ドッグフードに使用されるクミンにはどのような働きが期待されているのでしょうか。調べてみました。
■食欲を刺激する香り成分で体力維持に
クミンの特長でもある香りですが、クミンの香りには食欲を刺激する働きがあります。クミンはインドや中東などの暑さが厳しい地域では、昔から食欲の象徴とされていました。
暑い中では食欲が落ち込みやすいので、私たち日本と同じように夏バテのような状態になってしまう人も多かったのだと思います。
食欲がわかない状況が続いてしまうと体力が低下してしまい、健康にも影響が出てしまいます。
食事の中にクミンを少し加えて、食欲を刺激するのは暑い地域で暮らしてきた人々の暮らしの知恵なのかもしれません。
■涼しげに感じる成分(チモール)を含む
クミンにはもう一つ暑さ対策に役立つ働きがあります。それは、清涼感をもたらすチモールという成分です。
チモールは、ハーブのタイムにも含まれている成分で、ミントのような清涼感を持っていて、歯磨き粉や石けん、湿布などにも使用されています。
クミンにも、食後にすっと涼しく感じる清涼感があります。
暑い日の散歩の後など体が暑く感じる時に、クミンを含む食事を与えると少し暑さを和らげてくれそうです。
■インド人の知恵:口臭対策にも使います
ちなみにですが、カレーとスパイスの本場・インド人の方はクミンを口臭対策としても使うそうです。
チモールには殺菌作用もあり、歯磨き粉にも使用されることがありますので、理にかなっているのかもしれません。
ドッグフードにクミンが使用されているのも、口臭対策のひとつとして期待されているということもあると思います。
おわりに
本日は犬の暑さ対策に役立つハーブ、クミンについてご紹介しました。中東やインド、エジプトなどの暑さが厳しい地域で昔から親しまれてきたクミンには、暑い時期の体調管理に役立つ働きがあります。
最近暑さのせいで犬の食欲がないように感じたり、暑さ対策を始めたいと思った時には、クミンが使用されているドッグフードを選んでみるのもいいかもしれませんね。