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2022.06.15
【#大きな犬と】デイリーマッサージ&ツボ圧しを獣医師が伝授 ~健康生活のススメ~
同じ犬でも小型犬と大型犬では、育て方や食事など気をつけたいポイントがちょっと違います。でも世の中にある知りたい情報は小型犬向けが多いのが少々残念…。そんな飼い主さんのために、大きな犬にフォーカスした、健康や食事や遊びといった暮らしの情報を集めて紹介します。(POCHI編集チーム・大きい犬班)
今回のお役立ち情報デイリースマッサージとツボ圧しとストレッチ
東京都八王子市の「アキホリスティック動物病院」院長で、人間の鍼灸師の資格も持つ菅野晶子獣医師に、大きな犬のマッサージやストレッチ、ツボ圧しの方法を教えていただきました。
散歩前に身体をほぐしてから出かけたり、悪天候の日にスキンシップの一環としてゆっくり行ったり……。日々の健康生活の維持にぜひお役立ててください!
散歩前に首と肩をほぐそう!
身体をほぐしてから散歩に出かければ、関節がスムーズに動き、ケガの予防にもなります。私たちがスポーツ前にストレッチなどをするのと同様です。
◆まずは身体のチェック
大きな犬を触る時は、楽しい雰囲気づくりが大切! 「身体のチェックしようね~」とやさしく呼びかけて。
リードやハーネスと接触する首周りや肩の筋肉を触って、犬が痛がるところがないかを、マッサージを兼ねて念入りにチェックしましょう。
首と肩のマッサージは、飼い主さんは大きな犬の皮膚を少し触っていると感じるくらいの力で行うのがポイント。母犬が子犬を舐めるくらいの力加減をイメージしてください。やさしく撫でる程度でも効果はあります。
四肢のマッサージとストレッチ
散歩の出発前に四肢のマッサージやストレッチをすれば、可動域を広げ、スムーズに歩くのに役立ちます。
◆前肢と後肢をほぐしてストレッチ
まず、わきの下をほぐします。飼い主さんの手の側面でゴシゴシとこするようなイメージでマッサージしてあげましょう。
前肢が凝り固まっていると感じたら、飼い主さんが大きな犬の前肢をつかんでストレッチをするイメージで前方に引っ張ってみてください。大きな犬が気持ちよさそうにしているか、確認しながら行うのが重要です。前肢を触られるのを嫌がる犬には、行わないように。
鼠径部もほぐしましょう。飼い主さんの指の腹で揉みほぐせば、リンパの流れが良くなります。
ふだんの生活で飼い主さんに触られる機会のない鼠径部やわきの下は、あえてマッサージをしてあげたい部位です。
首と肩、そして四肢がほぐれたら、いざ散歩へ!
なお、散歩で身体にもっともやさしいのは、ハーネスです。とくにチョークチェーンは、大きな犬が急に力を入れて前方に引っ張った際やダッシュ時などに気管が圧迫され、首の筋肉や頸椎を傷める危険性が高いので常用しないほうが良いでしょう。
散歩後はツボ圧しと足裏ほぐし
散歩から帰ってきて大きな犬の足裏をキレイにするついでに、ツボ押しとマッサージをしてあげるのがおすすめです。
◆“湧泉(ゆうせん)”のツボ圧しで疲労回復
後肢の足裏にある“湧泉”(赤いシールが貼ってある部分)というツボは、疲労回復などに効果があります。足裏のくぼみを飼い主さんの親指で圧しながら刺激してください。
◆足裏マッサージで血行促進
散歩後は、ぜひ足裏の状態のチェックを習慣に。指の股を広げて、おできができていないか、冷えていないかなどを確認してください。老犬になると、とくに冷えがちなので、念入りにチェックを。
指を広げることで、末端の血流の循環を良好にできるメリットがあります。大きな犬が気持ち良さそうにしているのを確認しつつ、四肢の足裏をやさしくマッサージしてあげましょう。
毎日刺激したいツボ2選
散歩に行かない日でも、健康促進のために毎日刺激してあげたいツボを2つ紹介します。
◆“委中(いちゅう)”を刺激して腰を快調に
膝の真裏にある“委中”のツボは、腰痛を解消し、身体の代謝を良好にします。
飼い主さんの指で、大きな犬の膝裏のくぼんだ部分をぎゅっとプッシュするイメージで刺激をしてください。刺激していると、大きな犬の腰がだんだんと高くなるのも確認できるでしょう。
◆“腰百会(こしひゃくえ)”を圧して気を流す
(1)椎と仙骨の間にあるツボ。飼い主さんが背骨から腰にかけて触っていると、ストンと指が落ちるくぼみに“腰百会”があります。
(2)このツボを指先で圧すと、後肢の気の流れを良好にします。腰痛をやわらげる効果もあります。グルグルと2~3本指でまわすのもOK。大きな犬の様子を見ながら、圧す強さは加減してください。
日課にしたいマッサージ3選
大きな犬とのスキンシップを兼ねて、健康維持に役立つマッサージを日課にしてあげましょう。
◆しっぽのマッサージで身体バランスを整える
(1)犬にとってしっぽは、とても大切なパーツ。
しっぽをスムーズに振って動かせるようになると、首(頸椎)が上がります。また、後肢もしっかり力が入るようになって腰の位置が高くなります。
(2)両手で、しっぽの先から根元に向かってマッサージ。右手の人差し指と親指を使ってしっぽの「南北」を1秒、左手の人差し指と親指の腹で「東西」を1秒というように、「1,2,1,2」とリズミカルに圧していきます。
しっぽを触られるのが苦手な犬には無理して行わず、少しずつ慣らしていきましょう。
◆ツボが集中する背中のマッサージで全身健康に
背中にはツボが集中しているので、背中をほぐすと全身の状態が良好になります。首後ろから尻尾の根元まで、背骨の上の皮を引っ張るようにしてマッサージを行います。
背中の皮がマッサージ前より柔らかくなって伸びるのは、身体が柔らかくなった証拠。全身の血行や気の流れも促進されています。
◆顔まわりのマッサージでリフレッシュ
(1)頭のてっぺんや頬の皮を引っ張ると、血行が促進され、頭もスッキリします。大きな犬が気持ち良さそうにしているかを確認しつつ、皮を引っ張りながらマッサージしてあげましょう。
(2)耳にもツボがたくさん集まっています。耳の付け根をもみほぐすようにしたり、耳をそっと撫でるようにしてマッサージをするのもおすすめです。
今回ご紹介したマッサージやストレッチ、ツボ圧し法を日々の生活で取り入れて、大きな犬の身体を健やかに保ってあげましょう。
毎日すべてのメニューをこなそうと、飼い主さんは張り切りすぎなくても大丈夫です。忙しい日や飼い主さんの体調がすぐれない日など、たまにはサボっても問題ありません。
大きな犬のために「今日はこれならできる!」と思うものを、“健康貯金”をコツコツ積み重ねるイメージで、飼い主さんができる範囲で楽しみながら継続していってくださいね。
ライター:臼井 京音
取材協力:
*1 アキ ホリスティック動物病院 https://www.akiholisticvet.com/
■ 菅野晶子 先生
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