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2022.06.08
ドイツの街角から ~犬にまつわるドイツの言葉~
*1 この記事を書いた人:pochinski スペインのマジョルカ島で保護され、家族になった犬と現在ドイツで暮らす旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。
今回は犬に関わるドイツ語について少しお話します。
まず、「犬」はドイツ語で「Hund(フント)」です。ドイツ語由来の「フント」が日本名に入っている有名な犬種はダックスフント(ド)でしょうか。ただし、ドイツでは「ダックスフント」よりも「Dackel(ダッケル)」という呼び名で広く親しまれています。
一方、「犬の飼い主」を指す一般的なドイツ語は「Hundbesitzer(フントベジッツアー)」です。
そのほか、「主人」を意味する「Herrchen(ヘルヒェン、男性)」または「Frauchen(フラウヒェン、女性)」と呼んだり、犬を家族の一員とみなして「ママ」や「パパ」と呼んだりする人もいます。
犬の飼い主たちとは散歩中、道端や公園などで言葉を交わす機会もあります。
初対面ならば、犬の年齢や性別、犬種について質問し合うことが典型的。ドイツではブリーダーによる血統種に加え、国内外から保護されてきた雑種を飼っている人が多く、一見ではわからない犬種を尋ねたり、犬の出生地を聞き合ったりします。
スペインのマジョルカ島生まれの雑種犬、わが家のポチンスキーと見た目の似た犬が同じくスペインからの保護犬だったということも少なくありません。
犬への指示「Kommando(コマンド)」はドイツ語にも存在します。「お座り」「伏せ」「待て」などです。例えば、「お座り」は「Sitz(ジッツ)」、「伏せ」は「Platz(プラッツ)」、「待て」は「Bleib(ブライブ)」と、コマンドは基本的にそれぞれの動作を意味する言葉から派生しています。
日本では、「お手」は犬に最初に教えるコマンドの1つかもしれません。ドイツ語では「動物の足」である「Pfote(プフォーテ)」を指し出せ「Gib(ギブ)」と指示する「Gib Pfote」となります。
ですが、ドイツでは「お座り」や「待て」といった実質的なコマンドほどは使われていない印象です。
そして、飼い主のコマンドに犬が従った際に使う言葉は「fein(ファイン)」や「fein gemacht(ファイン ゲマッハト)」。「えらい」や「良くやった」などを意味します。犬との生活には欠かせない言葉で、実際、犬に「ファイン」と声掛けしている飼い主の姿はよく見かけます。他人からすると「それはファインなの?」と思うことはありますが、“ほめて育てる”ポジティブなオーナーが多いのかもしれませんね。