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2022.07.21
【#大きな犬と】マイクロチップ装着で安心! 元野犬が散歩中に逸走して...
同じ犬でも小型犬と大型犬では、育て方や食事など気をつけたいポイントがちょっと違います。でも世の中にある知りたい情報は小型犬向けが多いのが少々残念…。そんな飼い主さんのために、大きな犬にフォーカスした、最新情報やお役立ち情報を集めて紹介します。(POCHI編集チーム・大きい犬班)
今回のお役立ち情報マイクロチップ
“ビビり”な元野犬の保護犬が、散歩中に脱走! 焦って警察署に向かった中島家の“大きめなうちの子”の迷子騒動の顛末は!? 飼い主さんの特定につながる犬のマイクロチップのメリットとともにお伝えします。
ビビりな元野犬が散歩中に脱走!
「まさかうちの犬が迷子になるなんて、思ってもいませんでした」と、東京都中央区の動物との共生推進員であり、ドッグトレーナーの中島崇さんは語ります。
中島家に生後10ヵ月で元保護犬としてやってきた元野犬のコラッタちゃんは、2022年現在7歳。5歳の頃、散歩中のアクシデントで公園から逸走してしまいました。
「その日の散歩はボクではなく、父。コラッタは“元野犬あるある”で、人が苦手でビビりな性格です。なので、万が一びっくりして首をすくめた瞬間に首輪が抜けてしまっても逃げ出さないように、ハーネスも装着して“ダブルリード”状態で散歩しています。でも、父が公園で転んでリードそのものを手から離してしまうのは、想定外でしたね」
そう、コラッタちゃんは2本のリードもつけたまま、飼い主さんのもとからあっという間に姿を消してしまったのです。
「日本犬の特性とも言える帰巣本能の高さも手伝ったのか、父が転んだ瞬間にびっくりして、自宅の方向に向かって走って行ったとか。
痛みをこらえながら立ち上がった父が追いかけても、すぐに姿が見えなくなったそうです」
警察署へ出向くと…
コラッタちゃんが独りで自宅へ戻ったかもしれないと、飼い主さんは望みを抱きながら帰宅。けれども、一軒家の玄関先にコラッタちゃんの姿はありませんでした。
「父は迷子犬の届け出をするために、すぐに最寄りの警察署へ向かいました」
警察署で、コラッタちゃんの特徴やマイクロチップが入っていることなどを飼い主さんが伝えていたら……。
「このワンちゃんがウロウロしていたので、連れてきました」と、見知らぬ人にリードをひかれたコラッタちゃんが現れたとか。
「『おおおっ! コラッターーーー! これ、うちの犬です』と、父はもちろん大興奮でコラッタとの再会を果たしたそうです」と、中島さんは笑います。
マイクロチップが入っていた安心感
中島さんは、コラッタちゃんにマイクロチップが入っていたことが、逸走後のひとつの安心材料になったと振り返ります。
「『中央区動物との共生推進員』には、中央区保健所から“失踪犬”“失踪猫”の情報がメールで届きます。そこには、ペットの特徴やマイクロチップ装着の有無などが記載されていて、全国の保健所や一部の警察署にはマイクロチップ番号を読み取る機器があることも知っていました。マイクロチップが入っていたからこそ、飼い主さんをすぐに特定できたケースがあるのも覚えています。
まさかうちの犬に限って逸走するとは思ってもいませんでしたが、コラッタにマイクロチップ装着済みでよかったと、改めて実感しましたね」
マイクロチップ装着のメリットは?
2022年6月から、「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」において、ブリーダーやペットショップ等は、犬や猫を販売する前にマイクロチップを装着・登録することが義務付けられています。
ブリーダーなどから犬や猫を迎えた飼い主は、所有者の変更登録をして、所有者を自分の情報に変更する必要があります。動物愛護団体などから犬や猫を譲り受けた場合にも、マイクロチップの装着・登録を行うことが推奨されています。
マイクロチップの装着は動物病院などで、獣医師または愛玩動物看護師が獣医師の指導のもとで行います。マイクロチップは長さ8mm、直径1.2mm程度の円筒状の電子機器で、専用の注入器を使って装着します。狂犬病や混合ワクチンのように一瞬で終わるため、麻酔をせずに首もとの皮下に装着するのが一般的ですが、去勢・避妊手術の際に麻酔下で装着する犬も少なくありません。
中島さんも語りますが、マイクロチップの最大のメリットは、犬が迷子になった際に飼い主さんへの返還率が高くなること。
「たとえ犬鑑札や迷子札を首輪に付けていても、散歩中に首輪がスポッと抜けたときや首輪を装着していないときに迷子になっては、迷子札などは捜索の役には立ちません」(中島さん)
マイクロチップには世界で唯一の15桁の数字(ISO規格の個体識別番号)が記録されていて、この識別番号をマイクロチップの専用リーダーで読み取ります。
マイクロチップはGPSのように電波を発信しませんが、リーダーの電波に反応して識別番号を送り返すことができるため、電源は不要。一度装着すれば、一生交換する必要もありません。
ドッグトレーナーが提唱する迷子対策
迷子騒動後、コラッタちゃんのダブルリードのうちの1本は、中島さんの腰につけるようにしたそうです。
「力の強い犬に急に引っ張られた場合はもちろん、どんな犬でも飼い主さんがリードから手を離したら逸走の危険性がありますから」
そのほかにも、中島さんはドッグトレーナーや中央区動物との共生推進員として触れ合う飼い主さんに、迷子対策として次のようなことを提案しています。
提案中島さんが提案する迷子対策
1)“待て”をマスター
逃げている犬を追いかけるとますます逃げて行くので逆効果。それよりも、日頃から“待て”のトレーニングをしておき、飼い主さんの合図があれば刺激がある状況でもピタッと静止できるようにする。そして、万が一リードが手から離れたときには“待て”と言って逸走を防止。
2)迷子札の装着
首輪が付いている状態で逃げた際は、迷子札の情報が有効。飼い主さんの名前や電話番号を記した迷子札を、目立つ場所に付けておく。
3)光るグッズを活用
夜間に迷子犬を発見しやすいよう、光を反射する首輪やウェア(夏ならば光る素材の保冷グッズや冷感ウェア)を散歩時に着用する。
4)呼び戻しの強化
ドッグランは脱走予防のために2重ドア扉になっていても、退場するほかの犬にくっつくようにして逃げてしまう可能性も。ほかの犬の入退場時は、飼い主さんが犬を呼び戻して扉から遠ざけるのが安心。
5)滑らない靴で散歩
滑りやすい靴を履いていると、濡れたマンホールやぬかるみなどで飼い主が転倒する危険性がアップ。犬の散歩時は、滑りにくい靴の着用を。
東日本大震災の際にも、飼い主さんへの迷子動物の返還に役立ったことでも知られるマイクロチップ。迷子対策のひとつとして、環境省がデータを管理することになったマイクロチップの装着を、検討してみるのもよいでしょう。
ライター:臼井 京音
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