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2022.09.29

3Dプリンターで作るドッグフードが登場する?ドッグフードの最新トピック

3Dプリンターで作るドッグフードが登場する?ドッグフードの最新トピック

ドッグフードや犬のオヤツなどに関する世界の最新トピックの中から、「今注目されているポイント」や「なんか新しいかも!」と思えるトピックをまとめてご紹介いたします。

最新情報から、今後のドッグフードのトレンドなどを一緒に予想して、ドッグフードへの理解を深めてみませんか?

ドッグフードやオヤツも3Dプリンターで作る時代がやってくる?

デジタル化された設計図をもとに、立体的なコピーを作ることができる3Dプリンター。最近では様々なものを作っている様子が登場しますが、ドッグフードや犬のオヤツを今後3Dプリンターで作れるように研究が進められているのだそうです。

でも、3Dプリンターで作るとなると材料はどうなるのでしょうか?パウダー化されたものをセットするのでしょうか?まだまだ不明点も多いですね。

3Dプリンターで作られるようになることで、これまでドッグフードや犬のオヤツの材料としてあまり注目されてこなかった原材料が評価されるようになり、これまでにないフードやオヤツが登場することになる可能性があるといわれています。

また、これまでは量産が難しかった複雑な形のデンタルガムや、うちの子だけのオーダーメイドのフード・オヤツがより簡単に、安価に作ることができるようになるかもしれません。

例えば、うちの子の誕生日にはオリジナルの形の犬用ガムをプレゼントする…なんてことが現実になったら楽しそうですよね。

現状ではまだ使用できる原材料などに制約が多くあるのも事実ですが、将来的に3Dプリンターでドッグフードを製造することが一般的になったら、使用されている食材や栄養バランスはうちの子にマッチしているのに、粒のサイズや形が合わない…ということがなくなるかもしれません。そもそもドッグフードのオーダーメイドが当たり前になっていくのかもしれませんね。

今後注目の原材料、エルク・バイソン。その理由は?

さて、次のトピックです。ドッグフードの原材料として、今後人気が高まっていきそうな食材として「エルク(ヘラジカ)」と「バイソン」が話題になっています。

その背景にはやはり、自然保護や持続可能な形の製造の実現という観点が影響しているようです。
まず、「エルク(ヘラジカ)」と「バイソン」それぞれの原材料がどんなものなのかをご紹介いたします。

 

■エルク(アメリカアカシカ)の原材料としての特長

エルクはアメリカ大陸の中でも、特に北部のカナダなどのエリアに生存している大型の鹿で、世界最大の鹿と呼ばれています。大きな雄では約800キロを超えるものもあり、古くから原住民にとっては重要な狩猟対象だったといわれています。非常に大きな角を持っていて、角だけで2mを超えるものもいます。

肉質としては鹿に非常によく似ていて、赤身肉で脂肪が少ないだけではなく、野生動物の肉特有のニオイがあまり強くなく、非常に食べやすいのだそうです。そのため、カナダでは一部でハンバーガーに使用されるほど。

最近、価格が高くなっている鹿肉の代用として人気が高まりつつあります。また、食物アレルギー対策の新規タンパク源としても注目されています。

 

■バイソンの原材料としての特長

バイソンは現在、アメリカ、カナダ、メキシコと一部のヨーロッパで生息している大きな牛の仲間で、頭と背中が大きく盛り上がった姿が特長です。頭から肩にかけて長い被毛を持っています。

アメリカ、カナダなどの地域では、食用に飼育する農場もあります。バイソンの肉は、牛肉と比較して脂肪、コレステロールが低いことが特長で、しっかりとした食べ応えと筋肉質な肉質で人気の食材なのだそうです。

ドッグフードにおいては、脂質を抑えながらタンパク質を摂取でき、なおかつ希少タンパク源ということで、チキンなどにアレルギーがある犬のためのフードとして活用されています。

エルクもバイソンも、一時は乱獲や生息地の環境破壊によって大きく数を減らしたのですが、その後の保護政策や生息地の環境改善、そして天敵でもあったオオカミの数の減少など、複合的な要因によって数を大きく増やしています。

時には、数が増えすぎてしまったこれらの動物によって農業に影響が出たり、食物連鎖のバランスが崩れてしまい、環境に悪影響が出ていることなどが指摘されるようになりました。

大豆、トウモロコシ、ピーナッツが再評価?

3つめのトピックです。最近では肉類の代わりに植物性のタンパク質を使用して作るドッグフードがトレンドになりつつあります。ベジタリアンフードとも呼ばれるこれらのドッグフードは、ヨーロッパやアメリカなどでは多くの人々から支持を集めていますが、その原材料として再評価されるのではないかと注目されているのが、大豆、トウモロコシ、ピーナッツです。

これらの原材料にあまり良い印象がない、という飼い主さんも多くいると思います。たしかに、少し前までこれらの原材料は、何かと悪者のイメージがあった原材料だからです。
以前は大豆油をしぼる際の副産物である脱脂大豆、トウモロコシは飼料用であるコーンフィード(穂軸ごと)といった原材料がドッグフードに使用されることが多くありました。また、ピーナッツは殻ごと使用するケースも多く、消化に良くないものが多く出回りました。

しかし、2022年に入り改めて研究者たちが再検証を行ったところ、これらの食材も適切な方法で調理し、バランスよく摂取することができれば、優れた栄養源となることが証明されています。

ドッグフードの主原料となる肉や魚を生産することに限界が出てきている昨今ですが、不足する分をこれらの植物性の食材を余すことなく、きちんとした工程で加工し補えれば、より使いやすく栄養バランスも整ったドッグフードとして再評価されることになるのかもしれません。

おわりに

本日は2022年に話題になっているドッグフードに関連する世界のトピックスをまとめてご紹介いたしました。

いずれもキーワードになっているのが、世界的な食糧不足や環境保護、持続可能な形でのドッグフードの生産といったものです。ドッグフードも生活消耗品のひとつとして、少しでも自然への影響が少なく、それでいて犬の健康を維持することができる質の良いものを求める流れがあります。

今後はさらにドッグフードと環境問題の距離は近くなり、これまでにない形のフードが登場していくことになりそうです。

DOG's TALK

POCHIのペット栄養管理士 岡安

ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。