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2022.12.12
夏真っ盛りのNZで、犬と楽しむウォータースポーツ「SUP」 ~南半球のDog's letter~
世界の様々な地域に順応して、暮らしている犬たち。ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?共通してる?目新しいドッグライフ情報を、自然豊かな南半球に位置するニュージーランドからお届けします。
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この記事を書いた人:グルービー美子
ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。
飼い主と犬のためのSUP教室を主宰
南半球に位置するニュージーランドは、今が夏真っ盛り。犬を連れて海や湖へ出かけるのに最適なシーズンです。
島国で川や湖も豊かなこの国ではヨット、カヤック、サーフィンといったウォータースポーツが盛ん。
犬と一緒に楽しむ人も多く、特にSUP(サップ)の略称で知られるスタンドアップパドルボードが人気です。
SUPは浮力のある大きなボードの上に立ち、パドルを漕いで水上を進むスポーツ。
のんびりクルージングしたり、スピードを上げたり、波に乗ったりと、自分のペースやスタイルに応じて遊べます。
オークランドでは遠浅で波の穏やかなタカプナ・ビーチやミッション・ベイ、市街地に近いププケ湖などでよく行われているSUP。
今回は主にタカプナ・ビーチで飼い主と犬のためのSUP教室「サップドッグクラブ」を主宰するサラ・ジェーン・キャンスデールさんに、犬とSUPをする魅力について伺いました。
泳げなかった犬も今では水が大好きに
サラ・ジェーンさんの相棒は、マルチーズのジャスパー・ジェイムズ(JJ)です。
生後3カ月だった今年8月から少しずつ陸でのトレーニングを始め、10月に水上デビューしたばかり。
今ではSUPが大好きで、進んでボードに乗り、サラ・ジェーンさんやその友人たちとクルージングを満喫しています。
ボードの上でのバランスのとり方もすっかり板につき、風に吹かれながら景色を眺めたり、サラ・ジェーンさんに満面の笑顔を見せたりと満足そう。
「JJやほかの犬たちが飼い主と一緒にSUPを楽しんでいる様子を見ると、私も嬉しいです。ニュージーランド人はとかくスリリングなアドベンチャーを好みますが、サップドッグクラブでは犬がボードの上で快適に過ごせるかが重要。飼い主と犬の安全を最優先しています」
そう語るサラ・ジェーンさん。サップドッグクラブを立ち上げたのは2018年とのこと。
人間だけのSUPやサーフィンスクールはたくさんありますが、飼い主と犬を対象にしたレッスンはとてもユニークです。
サラ・ジェーンさんはアウトドア会社を営み、もともと女性向けSUP教室でインストラクターも務めていました。
ある日、北島中央部のタウポ湖に出かけた際、湖上で犬とSUPをしていた人がなかなか岸に戻れずに焦っている姿を見て、飼い主と犬に特化したレッスンを思いついたそうです。
「当時、私はまだ犬と暮らしてはいなかったので、友人と暮らすスパニエルのバークレイをパートナーに選びました。最初の生徒はバークレイの親友である黒ラブのリュクスとその飼い主ピーターです。
何度かレッスンを重ねた経験者を対象に、犬と一緒に行くSUPツアーも開催しています」
ラブラドールのリュクスは水好きな犬種ということもあり、SUPに慣れるのが早かったといいます。
一方、バークレイは当初泳ぐこともできなかったものの、SUPを始めてからは水が大好きに。
ビーチに来るとリュクスと並んで大はしゃぎ。喜んで波打ち際へと駆けていきます。
ドッグSUPで犬との絆を深める
サップドッグクラブのレッスンでは、まず陸上レッスンからスタートします。
ボードの上で正しい位置に座る、もしくは伏せをするコマンドを覚えさせるのが目的。
犬が興奮してうろうろするとバランスを崩し、ボードから落ちてしまうからです。
最初の数回はあまり沖に出ず、足が届く浅い場所でリラックスして行うのがコツとサラ・ジェーンさんは話します。
「ドッグSUPは犬との絆が深まるし、アウトドアでリフレッシュできるし、飼い主はよい運動にもなるしと、いいこと尽くめです」
ニュージーランドでは海水浴客が増える夏の日中、ビーチへ犬を連れていくことが制限されています。
しかしそのルールは水上には適用されません。
誰にも邪魔されず、犬とのんびり楽しむ水上散歩。
この夏もそんな飼い主と犬の姿がたくさん見られることでしょう。
*1 レッスンは夏季(12月~3月)の土日の朝および水曜の夕方(6時)に開催 SUPツアー&コーヒー(SUPをした後にカフェでお茶をして交流を深める)も随時開催 SUP DoG CLUB