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2023.05.10

【#大きな犬と】アルパカと羊と犬の仲良し生活!? ~ニュージーランドのあるイエローラブの日常とは~

【#大きな犬と】アルパカと羊と犬の仲良し生活!? ~ニュージーランドのあるイエローラブの日常とは~

同じ犬でも小型犬と大型犬では、育て方や食事など気をつけたいポイントがちょっと違います。でも世の中にある知りたい情報は小型犬向けが多いのが少々残念…。そんな飼い主さんのために、大きな犬にフォーカスした、最新情報やお役立ち情報を集めて紹介します。(POCHI編集チーム・大きい犬班)



今回のとっておき情報ニュージーランドの大きな犬とアルパカと羊の暮らし

ニュージーランド南島オタゴ地方には、アルパカと羊と仲良く過ごすラブラドール・レトリーバーがいます。日本では見られないほのぼのした生活を、ご覧ください。

羊の国の大きな犬に会いに

ニュージーランドは、人よりも羊のほうが多い国として知られています。人口は約500万人ですが、羊の数はその約6倍。都市部から少し離れるだけで、牧歌的な風景が広がっています。
筆者が滞在した南島のオタゴ地方でも、車を走らせていると時折羊の鳴き声が聞こえてきました。車で向かった先は、大きな犬と、ペットのアルパカが仲良く暮らしているニッキーさん宅。
丘の上に建つ一軒家に到着すると、さっそくラブラドール・レトリーバーのアスペンくんがしっぽをブンブン振って出迎えてくれました。
「ハロー。あ、ちょっとアスペン、しっぽで飾り棚の置物を飛ばさないでよ! って、私が落ちないところに飾ればいいだけね」と、ニッキーさんの顔からも笑顔がこぼれます。

誰でも大好きで、ゴロンと撫でてアピールをするアスペンくん

誰でも大好きで、ゴロンと撫でてアピールをするアスペンくん

ニュージーランドでは、ボーダー・コリーやニュージーランド・ハンタウェイなどの牧羊犬を飼っている牧畜農家も多いものです。
「動物はなんでも、犬もどの犬種も好きなんだけど、ボーダー・コリーなんかはワーカホリック(仕事中毒)でしょ? それ、私も一緒なのよ(笑)。同じようにいつも忙しそうにしてたら、家族の目がきっと回っちゃう。その点、レトリーバーは、室内ではゆったり寝ていてくれることが多いから、我が家に向いていると思って」と、教師であり民宿(通称エアビー)業もしているニッキーさんは言います。

大きな動物たちと触れ合うニッキーさん

大きな動物たちと触れ合うニッキーさん

丘を駆ける、大きな犬と羊

アスペンくんは、現在5歳。ニッキーさん宅には、ほかに10歳のネコのモリーちゃんと、アルパカ5頭、羊4頭がいます。
「みんな仲が良いのよ。あ、猫はマイペースでほかの動物たちを気にしてないけどね」とのこと。
アルパカも羊も、ペットとして裏庭で飼っているそうです。

裏庭には野ウサギもひょっこり顔を出します

裏庭には野ウサギもひょっこり顔を出します

筆者が案内された“裏庭”は、想像をはるかに超える大きさの“丘”でした。
アスペンくんは、牧羊犬も顔負けの猛スピードで丘を駆け上がっていきます。
「あぁ、アスペンはウサギを追いかけているのね。ウサギは牧草を食べるから害獣なんだけど、私たちはウサギを飼ったこともあるし、仲良く共存してるわ。
柵の向こうのお隣さんは牧場を経営していて、ボーダー・コリーがいるのよ。今日は姿が見えないみたいだけど…」
そう語るニッキーさんのもとに、アスペンとすれ違うかのようにして1頭の羊が駆けつけてきました。
「デイジー! 日本からお客様よ」とニッキーさんが声をかけるそばから、デイジーちゃんは筆者に身体をスリスリと寄せてきます。
「デイジーはお隣さんからもらった子で、7歳。すごく人懐っこいのよね。羊たちは、みんな性格が違うのよ。かわいいわ~、アイラブユー、デイジー」と、ニッキーさんは微笑みます。

みんなにあいさつをしに、丘を上る!

みんなにあいさつをしに、丘を上る!

警戒心が強いアルパカも、犬のおかげで…

アスペンくんが駆け上って行った丘の上からは、5頭のアルパカが首を長く伸ばしてこちらの様子をうかがっていました。アルパカは、羊よりも警戒心が高いそうです。
「この草を手に持って、笑顔でゆっくり近づいて。アルパカは気持ちに余裕がなくなると、臭いツバを吐きかけて威嚇してくるから気を付けてね」と、ニッキーさん。

アスペンくんが「こっちおいで」と誘ってる!?

アスペンくんが「こっちおいで」と誘ってる!?

筆者はカメラを構えるのをやめ、ニッキーさんの少し後ろからアルパカのほうへ。すると、アスペンくんにあいさつするかのように、デイジーちゃん以外の羊たちが近寄ってきました。
その様子を見て、あやしい来訪者ではないと安心したのか、アルパカたちも一歩ずつ筆者のもとに寄ってきてくれたのです。

種類は違うけれど、ニッキーさん宅の動物たちはひとつの群れという意識なのではないでしょうか。アスペンくんが「大丈夫だよ」と、その態度でみんなに伝えてくれたように思えます。

ニッキーさんを中心に、みんな勢ぞろい

ニッキーさんを中心に、みんな勢ぞろい

「大工をしている夫が、以前出会ったアルパカをすごく気に入ってね。我が家でも飼おうということになったの。アルパカはラクダの仲間で、クリクリした目と長いまつ毛がチャームポイントだと感じるわ。最近は毛刈りしてないから、今はモフモフすぎるんだけど(笑)」
原産のアンデス地方では、主に毛を活用する目的で家畜化されていて、アルパカの毛はウールよりも暖かく丈夫だと好まれているとか。
「健康維持のためにも、うちで夫が毛刈りをするわよ。でも、これまた忙しすぎて、アルパカの毛も羊の毛も、裏庭のコンテナ内に入れっぱなしでまだ毛糸にしてないけどね」と、ニッキーさんは舌を出します。

日常の一コマ

日常の一コマ

のびのびと自由を謳歌

アスペンくんとモリーちゃんが好きな時に裏庭に行けるように、日中は裏口を開けているそうです。とはいえ、丘の手前にはフェンスがあり、アスペンくんはアルパカと羊のもとには自由に行けません。だからこそ、ニッキーさんが大きな動物たちの世話のために裏庭に出ると、アスペンは待ってましたとばかりに大喜びするのでしょう。
「別に一緒に遊んだりはしないけど、アルパカも羊もアスペンと鼻を突き合わせてあいさつしたりして、仲間だと感じているようなのよね。みんなそれぞれチャーミングで、動物たちとの暮らしはすばらしいわ」と、ニッキーさんは、遊び疲れてリビングでゆったりくつろぐアスペンくんにやさしい視線を送っていました。

「たくさん遊んでスイッチオフだよ。また来てね」という表情のアスペンくん

「たくさん遊んでスイッチオフだよ。また来てね」という表情のアスペンくん

忙しくするニッキーさんを寝転びながら横目で追ったり、ニッキーさんや家族と一緒に裏庭を走り回ったり、アスペンくんはニュージーランドの広い空のもとで、毎日のびのびと自由を謳歌しているようです。



文・写真:臼井京音





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