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2023.06.30
【#大きな犬と】"読書犬"として大きな犬が子どもたちのために大活躍!
同じ犬でも小型犬と大型犬では、育て方や食事など気をつけたいポイントがちょっと違います。でも世の中にある知りたい情報は小型犬向けが多いのが少々残念…。そんな飼い主さんのために、大きな犬にフォーカスした、健康や食事や遊びといった暮らしの情報を集めて紹介します。(POCHI編集チーム・大きい犬班)
今回のお役立ち情報読書犬(読書サポート犬、どくしょ犬)
三鷹市立三鷹図書館で2023年1月7日に開催された「わん!だふる読書体験」を取材しました。大きな犬が子どもたちのために活躍する姿を、ぜひご覧ください。
読書犬プログラムとは?
「人と動物のふれあい活動(CAPP)」を行っている、日本動物病院協会(JAHA)は、2007年から“犬への読み聞かせプログラム”を小学校や図書館、書店などと一緒に実践しています。
これは、子どもたちが犬に本を読み聞かせるというもの。子どもたちは、決して読むことの上手下手をジャッジすることのない犬に読み聞かせることで、リラックスして楽しみながら、読書力をアップさせることができます。
JAHAによると、アメリカで1999年にIntermountain Therapy Animalsという団体が“R.E.A.D.プログラム”と名付けて始めた活動を参考にしたとのこと。これは、世界的にも広く行われている活動です。
まずはご対面と、犬との触れ合い方を知る
2023年1月7日、東京都三鷹市立三鷹図書館(本館)で行われた「わん!だふる読書体験」に、5頭の“読書サポート犬”(※三鷹図書館での呼び名。一般的には“読書犬”“どくしょ犬”とも呼ばれています)と4名の小学生が集まりました。(※新型コロナウイルス感染予防対策で通常より規模を縮小)
「わぁ、大きいモフモフのワンちゃんも、小さいチワワちゃんもいる~! 楽しみ」と、参加犬として紹介されたJAHAのCAPP活動犬(※広義のセラピードッグ)を見て、さっそく子どもたちは笑顔を見せています。
2階の集会室で30分ほど、犬がそばにいる時に気をつける3つの約束のレクチャーや、犬とのふれあい方の動画を視聴して犬と仲良くなる方法を学んだあと、いよいよ子どもたちは保護者から離れて1階の図書館スペースへ。
読書犬の存在を感じながら読み聞かせ
1階の書架のあいだにある読み聞かせのための2つのスペースに2名ずつ入った子どもたちの手には、事前に子どもたちが自ら選んだ本が携えられています。
手をグーに握ってやさしく読書サポート犬にあいさつをしたら、子どもたちは思い思いの格好で、さっそく読み聞かせを始めました。
グレート・ピレニーズのラテくん、ゴールデン・レトリーバーのサニーちゃんも、マットの上にゆったり寝そべりながら子どもたちの声に耳を傾けています。
「そのとき……」
ある子どもは、犬を題材にした絵本を読んでいました。あとから聞けば、読書サポート犬が絵に興味を示してくれると思ったからだとか。
「バーン、ドンドンドンッ」と、乗り物の本を迫力たっぷりに朗読している男の子もいます。
読書サポート犬たちは、絵本を見たり、子どもの顔を見たり……。穏やかな顔で寄り添い続けていました。
読み聞かせ開始から少し間をおいて子どもと犬の世界ができあがった頃、保護者も読み聞かせスペースに降りてきて、そっと子どもと犬の様子を見学。
読書サポート犬との1対1(ハンドラーが犬の横にいます)の20分間は、子どもたちにはあっという間に感じられたかもしれません。
“ふれあいタイム”にも大満足
読み聞かせが終わり再度2階の集会室に戻ると、子どもたちにはさらなるお楽しみがありました。読書サポート犬の体調など不測の事態に備えて交代できるように準備・待機していた犬も参加しての“ふれあいタイム”です。
ここでも、1階で読み聞かせをした犬とは違う犬に本を読んだり、ただただ犬をなでたり……。
「ママ、私、この子に本を読んであげたんだよ。ずっと聞いててくれたの」と、保護者に報告をする子ども、ダブルリードでの室内お散歩体験をする子どもも。
5頭それぞれのハンドラーさんから、子どもたちは1枚ずつ記念のシールをもらい、約10分間のふれあいタイムは終了しました。
最後のあいさつのあと、読書サポート犬との別れを名残惜しそうに何度も振り返っている男の子の姿を見ると、短時間でもいかに犬の存在が大きかったかを感じずにはいられません。
大きな犬のCAPP活動での存在感
CAPP活動を大きな犬と行う飼い主ハンドラーさんに聞いたところ、グレート・ピレニーズのラテくん、ゴールデン・レトリーバーのサニーちゃんとも、7歳とのこと。
「これまで4頭の先代グレート・ピレニーズと暮らしてきたんですよ。みんなJAHAのCAPP活動をするセラピードッグとして、高齢者施設などをボランティアで訪問しました。ピレニーズのすべてに魅了されています」と語る、ラテくんの飼い主の浅原さん。読書犬としてのラテくんの活動は、2回目だそうです。
超大型犬は動きもゆったりとしていて、存在感もたっぷり。ところが住宅事情などもあり、家族として迎えるには難易度が高く、街で見かける機会も少なめ。そんな超大型犬と触れ合う貴重なチャンスをCAPP現場で得られる参加者の多くは、文字通り超大型の癒しを得られているのではないでしょうか。
サニーちゃんが読書犬として図書館を訪れたのは、6回目だとか。
「この子は、おっとりした性格で読書犬に向いていると思います」と、サニーちゃんの飼い主の清水さんは言います。
レトリーバーならではのやわらかい雰囲気を醸し出すサニーちゃんとの触れ合いでは、CAPP活動参加者はいつも心をぎゅっとつかまれていることでしょう。
犬の大きさにかかわらず、こんなにも子どもたちに自信と力を与え、心も癒す読書犬。その活動は、きっと日本でも広まっていくに違いありません。
文・写真:臼井京音
取材協力:
*1 公益社団法人 日本動物病院協会(JAHA) https://www.jaha.or.jp/hab/
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