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2023.07.26
肉球やスキンケアの味方!マオリに伝わるNZのハーブ・カワカワって、なんだ?~南半球のDog's letter~
世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?共通してる?目新しいドッグライフ情報を、自然豊かな南半球に位置するニュージーランドからお届けします。
ニュージーランドには、古くからこの地で暮らしてきた「マオリ」と呼ばれる民族の人々が暮らしています。マオリ族は、後に定住したほかの民族とも上手く協調しながら、今もその伝統を守り続けています。
今回は、そんな「マオリ族」に伝わる知恵をご紹介。ニュージーランドに伝わるハーブのお話をお届けします。
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この記事を書いた人:グルービー美子
ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。
マオリ愛用の身近なハーブ
ニュージーランドの先住民マオリ。
古くから森や海から自然の恵みを得て生活していた彼らの知恵は、今もニュージーランドの暮らしに生かされています。
その一つが万能薬として伝わるハーブ、カワカワ。
ニュージーランドでは森林地帯から住宅の庭先まで、あちこちに自生する一般的な植物ですが、最近はペットのケアにも使われるように。一体どのようなハーブなのかご紹介します。
薬草として現代も活用されるカワカワ
カワカワはニュージーランドのほか、オセアニア~ポリネシア全域に広く分布するコショウ科の植物の一種。
ハートの形をした葉が特徴的な常緑樹です。
南太平洋で儀式の際によく飲まれるドリンク、カヴァ(ハワイ語ではアヴァ)の原料であるカヴァ・プラントとは同じ仲間。
形状もよく似ているため、別名「マオリ・カヴァ」とも呼ばれています。
マオリの人々にとって昔から慣れ親しんでいるハーブですが、その作用が改めて見直され、この数年で一般にも広く浸透。カワカワを使ったさまざまな商品が見られるようになりました。
その代表格といえるのが、カワカワ茶。
マオリにはカワカワを煎じて飲む習慣があり、今ではスーパーマーケットでもカワカワ茶が手に入ります。
葉を煮出せば自分で作ることもでき、消化器官を落ち着かせるのに役立つとか。
そのほか、カワカワを配合したバーム(軟膏)も人気で、乾燥肌や肌荒れ、切り傷、湿疹、アトピーなどに効果があるとされています。
大人から子供まで年齢を問わず全身に使えることも利点。赤ちゃんのおむつかぶれにも重宝するそうです。
犬用バームの使われ方
カワカワには血行をよくして関節の痛みを和らげるともいわれ、最近はペット用の商品も登場しています。
例えば肉球用やスキンケア用のがあり、肉球用は擦り傷・軽いやけどなどに、またスキンケア用にはヘンプシードオイルも配合され、湿疹、虫刺されなどにも活用されているのだとか。
他にも犬用バームにはカワカワのほかに、ニュージーランドらしいマヌカも使われています。
日本でもなじみ深いマヌカハニーは、マヌカの花からとれた蜜をミツバチが集めて作られます。マヌカの花に含まれる成分は抗酸化作用に優れており、炎症を抑えるとか。
口コミでは「犬がかゆがって皮膚を搔いていたが、これを塗ったら治まった」との声が多く、とりわけかゆみによく使われている様子。
シャンプーや虫よけとしても活躍
カワカワを使ったアイテムにはシャンプーもあります。シャンプーバーは突起のついた固形シャンプーで、マッサージしながら体を洗うことができて一石二鳥。
肌に優しく、血行もよくなると謳われています。
犬のほかに馬にも使えるのだとか。
さらに、カワカワは虫よけ対策にも使えるそうで、人間用ですがスプレーも販売されています。
ニュージーランドはもともとオーガニックや天然由来のものが好まれる傾向が強く、大切なペットにもなるべくナチュラルなものを求めるのは当然のこと。
カワカワはこれからも人間にもペットにも大いに活用されそうです。