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2024.06.26

800頭以上の犬が大はしゃぎ!NZのプーチ・プールパーティをリポート~南半球のDog's letter~

800頭以上の犬が大はしゃぎ!NZのプーチ・プールパーティをリポート~南半球のDog's letter~

世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?共通してる?目新しいドッグライフ情報を、自然豊かな南半球に位置するニュージーランドからお届けします。

日本と季節が逆になる南半球では、夏が終わり、秋を経て冬に入るこの時期。
ニュージーランドにあるとある自治体では、公共施設を犬たちに開放することで、地域を盛り上げる取り組みを行っているそうです。
犬たちもなんだかとっても楽しそう!たくさんの犬たちが集まったイベント、"プーチ・プールパーティ"の模様をレポートします!

DOG's TALK

この記事を書いた人:グルービー美子

この記事を書いた人:グルービー美子

ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。

夏の終わりのプールイベント

クライストチャーチはイギリス風の街並みが残る都市です。

クライストチャーチはイギリス風の街並みが残る都市です。

水泳は犬にとっても夏の暑さ対策や運動不足解消にぴったり。
ニュージーランドでは夏だけでなく、1年中海や湖で泳ぐ犬の姿が見られますが、犬用のプール施設はさほど多くありません。

そんなニュージーランドで人気を集めているのが、南島クライストチャーチで夏の終わりに開催されるプーチ(Pooch=犬)・プールパーティです。
今年で5回目を迎えた犬のためのプールイベントをご紹介します。

クライストチャーチ郊外サムナービーチで遊ぶ犬たち

クライストチャーチ郊外サムナービーチで遊ぶ犬たち

公営の屋外プールを犬に開放

プールでいっしょに遊べばすぐに友達!犬と飼い主の交流の場にもなっています

プールでいっしょに遊べばすぐに友達!犬と飼い主の交流の場にもなっています

プーチ・プールパーティの会場は、クライストチャーチの公営プールであるウォルサムプールとテンプルトンプールの2カ所。
どちらも夏季(11月下旬~3月下旬)のみオープンする屋外プールです。
夏の営業期間が終了し、冬季休業に入る前に行われるのが、プーチ・プールパーティ。
この日だけは人間のための屋外プールが犬たちに開放されるのです。

「プーチ・プールパーティのアイディアは市役所の職員と犬を飼っている住民が雑談しているときに生まれました。これは良いコミュニティイベントになるのではと企画が進められました」
そう話すのはクライストチャーチ市のレクリエーション、スポーツ、イベント担当者であるナイジェル・コックスさん。

 

2021年に初めて行われたプーチ・プールパーティには400頭を超える犬が集まり、その後も毎年参加頭数が増え、年々規模が拡大しているそうです。

2022年の調査によると、人口約40万人のクライストチャーチには4万2000頭以上の犬が暮らしています。
そのため、しつけ教室やマイクロチップ装着を無料で提供するなど犬に対するサービスが充実。
プーチ・プールパーティは犬が主役のイベントですが、犬を含めた家族みんなで参加する人も多く、住民同士の交流を深める機会にもなっています。

無料の歯科検診サービスも

レトリバーやボーダーコリーなど、アクティブな犬種も大満足なのでした

レトリバーやボーダーコリーなど、アクティブな犬種も大満足なのでした


2024年のプーチ・プールパーティは4月6日にウォルサムプール、翌7日にテンプルトンプールで開催されました。
それぞれ小型犬・中型犬・大型犬・オープン(全サイズ)と、サイズ別に4回の90分入れ替え制セッションが行われ、どの回も大盛況。
訪れた犬の数は、ウォルサムプール707頭、テンプルトンプール186頭の、合計893頭に上ったそうです。

犬の参加条件は「ワクチン接種を済ませていること」「ほかの犬と仲良くできること」の2つ。
セッションがスタートすると子ども用の浅いプールではしゃぎまわる犬もいれば、大人向けのラッププールで本格的に泳ぐレトリバーたちもおり、おのおのが好きなように満喫している様子でした。

また、ウォルサムプール会場では獣医師による無料の歯科検診サービスや犬用アイスリームの屋台が登場するなど、至れり尽くせり。
訪れた飼い主さんからは「最高のイベントです!犬が喜んでいるのを見るのが嬉しくてずっと笑っていたら顔が筋肉痛になりました(笑)」「犬にも飼い主にも楽しいイベント。うちの子は遊び疲れてすでに爆睡しています」など喜びの声が多数寄せられ、「同様のイベントを今後増やしてほしい」との要望もあがりました。

参加費用は1頭につきウォルサムプールが3ドル50セント(約315円)、テンプルトンプールは寄付制(目安は1~2ドル=約90~180円)。
集まった参加料はすべて動物保護団体に寄付されるとのこと。
南半球の夏の終わりはどこか寂しく感じがちですが、新しい犬友達もでき、幸せ溢れるイベントに温かい気持ちになりました。