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2024.11.28
犬のための「茶碗蒸し」は、介護食としてオススメ~獣医師さんの推薦コメント付き~
温かくて滑らかな茶碗蒸しは、高齢犬たちの食事介助にも役立つ便利なレシピ。
今回は秋らしい味わいを取り入れた「茶碗蒸し」のご紹介です。
味付けはかぼちゃとだし汁のみで自然な甘みを感じる一品に仕上げました。
シニア期の犬たちの介護食としてもオススメのポイントを、獣医師さんの視点からもご紹介します。
かぼちゃは栄養価の高い野菜で、βカロテンやビタミンが豊富に含まれており、皮膚や粘膜の健康維持や視力維持のサポート、細胞の酸化を抑制したりと健康促進効果が期待できます。
また食物繊維も含まれており、腸内環境を整える役割も持っています。甘みの強い野菜なので、食いつきも◎
蒸し料理は調理が難しいイメージがありますが、今回は電子レンジで手軽にできるレシピです。茶碗蒸し作り初心者にもおすすめ。
噛む力や飲み込む力が衰えるシニア犬にとって、つるっと食べられるごはんは気に入ってくれるはず。おいしく食べて健康に過ごしていきましょう。
材料のご紹介(材料:2頭分/1頭あたり155g)
・かぼちゃ:100g
・卵:1個
・かつおのだし汁:80g
・豆乳:80g
・黒ごま(トッピング用):適量
<作り方のご紹介>
1.かぼちゃは2cm角くらいのさいころ状にカットし、耐熱ボウルにいれラップをして500wで約3分加熱する。冷めるまで放置する
(余熱でさらに柔らかく仕上がります)
2.ボウルに卵を溶きほぐしたら豆乳、かつおのだし汁を入れ混ぜ、茶こしなどを使ってこす。
<飼い主さんにおすすめの食べ方>
飼い主さん用に作る場合は、卵液に白だしをいれ塩味を調整してください。
3.耐熱用の器に2を流しいれ、ラップをせずに500wで3分加熱する(固まりにくく、ゆるい場合は10秒ずつ加熱する)
4.3に1と黒ごまをトッピングして完成。
本日のメニュー『犬用茶碗蒸し』の栄養計算をしてみよう
調理時間約20分
AAFCO栄養推奨係数で計算した代謝エネルギー:84kcal/1頭分(155g)
《三大栄養素》出来上がり1頭分
たんぱく質:5.6g
脂質 :3.6g
炭水化物 :11.3g
食物繊維 :2.1g
カルシウム:30mg
リン :95mg
鉄 :1.1mg
■ ペット栄養管理士のアドバイス
栄養たっぷりのカボチャですが、もっとも栄養が豊富に詰まっている部分は、実は捨てられることが多いカボチャのワタ。
カボチャに含まれている代表的な栄養素というと、カロテノイドの一種であるβカロテンのことを思い浮かべるのではないでしょうか。βカロテンはビタミンAに代謝される物質で、抗酸化作用を持っています。
ストレスや紫外線の影響を受け体内で余分に増えてしまった活性酸素により、細胞は傷付けられ老化していきます。βカロテンは活性酸素の発生を抑える働きがあるといわれていて、細胞の健康維持に役立つ栄養素として有名です。
中身の部分と比較すると約2倍近くのβカロテンがワタの部分に含まれていると言われています。
それから、カボチャのワタには腸内細菌のエサとなる水溶性食物繊維、そしてウンチをしっかり固めて健康的なウンチを作るのに必要な不溶性食物繊維の両方が豊富に含まれているため、お腹の弱い犬にもオススメです。
獣医師コメント
シニア期になると噛む力や舌の力が弱くなり、食事を食べにくそうにする犬も少なくありません。
柔らかい茶碗蒸しはそういった力が弱くなった犬たちにも試しやすいレシピです。
また、犬の味覚は甘味に対して感度が高く、好んで食べる味と言われています。
旬の食材であるカボチャの甘味は、犬の食欲を刺激するのに適しているのではないでしょうか。
加えて、茶碗蒸しを人肌程度の暖かさで与えれば、香りが強くたつので味覚・嗅覚の両方から楽しめるレシピだと思います。
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獣医師 菱沼 篤子
犬の栄養指導や犬の健康に関する専門知識を持つコンサル担当スタッフとして、さまざまな飼い主のお悩みを聞いている。