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2025.03.10
ドイツの街角から~春の訪れを感じる花々~

*1 pochinski: スペインで保護された犬と暮らす、ドイツ在住の旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。
もうすぐ春がやってくる、と感じる機会が近ごろ増え、ウキウキしています。
例えば鳥たち。キツツキが「コンコンコンコンッ」と、ものすごいスピードで木の幹をつついていたり、パートナーを獲得するために水鳥たちが激しく争っていたり。
飼い犬のタビィとの散歩中にも、春を迎える準備をしているさまざまな鳥たちに出会います。キツツキは空高くそびえる木々のどこかにいるはずで、その姿を見つけ出すことはとても難しいのですが。
私たちが暮らすケルンの上空は渡り鳥の通り道になっているらしく、南方から北方へと向かい逆V字に列をなして飛んでいく鳥たちも時々見ます。空を見上げていなくても、鳴き声、それとも羽音でしょうか、が聞こえてくるので、渡り鳥たちが近づいてくるとすぐに気づきます。どこを目指しているのかを本能で理解しているのでしょうが、春には南方から北方へ、秋には北方から南方へと飛び続ける数十、数百の渡り鳥を見るたびに感嘆してしまいます。

公園に群生しているスノードロップ。
鳥に加え、自然界の植物たちも春の訪れが近いことを知らせてくれます。公園や水辺の散歩道などで見かけるスノードロップやクロッカス、ムスカリといった球根植物です。土の中で冬を越した球根から葉が地上へと伸び、花も咲き始めています。どれもこれも小さくかわいらしい花々ばかりで、風景に彩りを添えています。

マルクトの花売り場。
市場のマルクトにも春らしい鉢植えや切り花が並び始めました。
冬の花としてドイツで人気が高いのは「ヒース」、または「エリカ」と呼ばれる寒さに強い植物です。冬のマルクトで購入できる鉢植えはヒースや葉物の植物が中心で、種類が少ないのです。
そこへ、ヒヤシンスやチューリップ、スイセンなどカラフルな花々がようやく加わり、売り場がぱっと華やかになった気がします。

冬の間、わが家でもヒースの花をバルコニーに飾っていました。
ちなみに、ドイツ語でスイセンは「Osterglocken(オースターグロッケン)」と言います。
直訳すると「イースターの鐘」です。イースターの季節に咲く花、ということから命名されたのでしょう。ただし、今年のイースターは4月後半です。2月末の公園ではスイセンがすでに芽吹いていましたから、イースターが来る前には花の盛りは過ぎているかもしれません。

街中のショーウインドーではイースターのディスプレイもすでに始まっています。
まあ、盛りがいつになろうと、いろいろな花々を観賞しながら犬の散歩をできるのは今ならではのこと。
毎日楽しんで歩いています。