• コラム

2026.05.28

【#シニアのケアシリーズ】シニア犬パーティーに潜入!飼い主も老犬も安心して楽しく分かち合う時間

【#シニアのケアシリーズ】シニア犬パーティーに潜入!飼い主も老犬も安心して楽しく分かち合う時間

文・写真=臼井京音

シニアになってきたうちの子の健康に気を遣っているけれど、さまざまな情報が飛び交う昨今、なにを信じていいかと混乱していませんか?古かったり、信ぴょう性に欠けたりする情報が見られいるのも事実。そんなお悩みを抱える方に、シニアに関する有益な情報を集めたい飼い主さんのアンテナにビビッと来そうなトピックを集めてみました。(POCHI編集チーム)



今回のお役立ち情報シニア犬パーティー

飼い主さんもシニアドッグたちも安心安全な場所で、楽しいひとときを分かち合える場として注目を集めているシニア犬パーティーに、潜入取材! 犬同士や飼い主さんとのふれあいによって老犬の脳トレや運動になるなど、そのメリットを紹介します。

シニア犬パーティーとは?

シニアやハイシニア犬だけが集まる“シニア犬パーティー”が近ごろ少しずつ増えていると知り、サニーサイドドッグス(東京都八王子市)で開催されているシニア犬パーティーに潜入取材をしました。

サニーサイドドッグスのシニア犬パーティーは、代表の伊藤哲朗トレーナーのもとにドッグトレーニングレッスンに訪れていた、あるラブラドール・レトリーバーの飼い主さんのひと言がきっかけになったといいます。
「老犬になると犬同士でドッグスタジオに集まる機会がなくなるから、そういう機会を作ってもらえたらうれしいな」と。
外出が減りがちなシニア犬が楽しく過ごせる場所と時間を作りたいと、月替わりのお役立ちプチ講座も盛り込み、現在もサニーサイドドッグスでは毎月シニア犬パーティーが開かれています。

シニア犬パーティー担当の鈴木トレーナー。5歳のゴールデンレトリーバーとイングリッシュ・コッカー・スパニエルのミックス犬と暮らしています

シニア犬パーティー担当の鈴木トレーナー。5歳のゴールデンレトリーバーとイングリッシュ・コッカー・スパニエルのミックス犬と暮らしています

まずは近況報告と情報交換から

2026年3月に開かれたシニア犬パーティーに参加したのは、4頭。
13時に集まった犬たちに、鈴木圭絵トレーナーは「わぁ! 今日もいい表情してるね~」と、笑顔で声をかけます。

着席したら、まずはお互いの近況報告から。
「トイ・プードルのプティ雄です。もうすぐ16歳なんですよ」と話す飼い主さんの足元のマットで、プティ雄くんはのんびりくつろいでいます。
「最近のブームはなんですか?」という鈴木トレーナーからの問いかけには、
「ごはんを食べないことかな(笑)。乾燥したごはんを好まなくなってきたんです。一時それで、3.5kgから一気に3.1kgまで体重が減りましたが、しっとりしたごはんのブームが来てから4日ほどで3.3kgまで戻りました。そして、元気も戻りました」とのこと。

14歳の頃から20回以上参加しているプティ雄くん

14歳の頃から20回以上参加しているプティ雄くん

お次は、12歳間近のチワワのメルクリウスくん。
「僧帽弁閉鎖不全症のメルくんは、いつ肺水腫になってもおかしくないと言われていましたが、心臓専門の獣医師に診てもらったら、めったに起こらないことなのに1年前より状態が良くなっていると! 先生も検査の数値を疑うほど、驚いていました。
若くて活発な下の子を迎えて、メルくんの心臓に負担にならないか心配でしたが、大丈夫そうで安心しています。
なぜ数値が良くなったかを考えると、メルくんが1日3回の投薬をちゃんと受け入れてくれたからだと思っています。メルくん、ありがとう」

飼い主さんの膝の上でうっとりくつろぐメルクリウスくん

飼い主さんの膝の上でうっとりくつろぐメルクリウスくん

最後は、常連というウェルシュ・コーギーのフランちゃん。
「脚の震えは相変わらずありますが、今日も元気な14歳です。」
フランちゃんの横には、ポメラニアンのスモアくんの姿もあります。
「2歳のスモアも、フランの同居犬ということでシニア犬パーティーに特別参加させてもらうようになってから、まわりに影響されて少し落ち着きが出てきた気がします」とのこと。
鈴木トレーナーは、「シニア犬にとっても、若い犬が入ると活気をもらえたりしていい効果があるんですよ」とコメントしていました。

フランちゃんとスモアくんもシニア犬パーティーが大好き

フランちゃんとスモアくんもシニア犬パーティーが大好き

情報交換や相談をしあう貴重なひととき

近況報告に続いて、飼い主さんと鈴木トレーナーを交えて、老犬ならではのお悩み相談や、シニアライフに役立つ情報の交換タイム。

この日の主な話題は、心臓病の犬のために酸素室はどのようなタイミングで、どのようなものを用意するか。
「うちの先住犬の場合、抵抗感があったようでいざというときに入ってくれなかったから、そろそろ用意して今から練習しておいたほうがいいかも」といった経験に基づくアドバイスに、飼い主さんたちも「なるほど」とうなずいていました。

鈴木トレーナーからも、体験談が紹介されました。
「うちの子も、病気で痛いときや苦しいときにクレートに長時間入れていたら、クレートが嫌いになってしまったことがあります。安静にしてもらうために入れたんですが、もう一度クレートに良い印象をつけるために、一からクレートトレーニングをやり直しました。どこかに入ってもらうことは、気をつけながら行うほうがいいですね」

同じような悩みを持つ飼い主同士が気持ちもわかちあえるひととき

同じような悩みを持つ飼い主同士が気持ちもわかちあえるひととき

和気あいあい、笑顔あふれるおやつタイム

13時30分ごろからは、シニア犬たちもお待ちかねの“うまうまタイム”。
いろんな飼い主さんから犬たちがおやつをもらい、食べ合う時間です。

「わぁ、プティ雄くん軽い足取りでスピーディに歩いてる! 今日も張りきっていて食欲旺盛だね」と、参加者から歓声が上がります。
「年齢のわりに足腰がしっかりしているのは、小さいころから高低差のある場所をたくさん散歩しているからかもしれません」と、プティ雄くんママ。

「あ、メルくん来たね。は~い、どうぞ~」など、ずっと明るい声が会場に響いていました。

いいにおいに、シニア犬たちの目もキラキラ輝いています

いいにおいに、シニア犬たちの目もキラキラ輝いています

ためになる“プチ講座”

13時50分からは、月替わりで特別講師を招いての“プチ講座”。
今回は、ペットケアマネージャーの平端弘美さんによる“腸活”がテーマの講義です。

「腸は“第2の脳”とも呼ばれるほど大切な器官で、自律神経、免疫、ホルモン、神経伝達に関わりがあるんですよ。
腸内環境が老化スピードに影響するとも言われているので、気をつけたいですね。
アレルギーや皮膚トラブルが気になるワンちゃんや飼い主さんも、腸内環境を整えるのがおすすめです」と、平端さん。

“腸活”に役立つ運動と食べ物の紹介とともに、犬の腸は人と比較するとずっと短いので、消化吸収されやすいように食材は細かくしたり煮込んだりしてあげる重要性も説かれていました。

「腸内環境が整うとメンタルも安定します」と、平端さん

「腸内環境が整うとメンタルも安定します」と、平端さん

今回のミニ講座では、平端さんから、犬のお腹のマッサージ方法のレクチャーもありました。

「おへその両脇にある“中脘”のツボをやさしく圧してあげましょう。指を添えながら500円玉くらいの範囲でグルグルとまわすようにやさしく刺激すると、嘔吐の症状をしずめてくれます」



参加者全員のもとを平端さんがまわってマッサージ法を伝授。
「おへその下あたりに刺激を与えると、腸内の巡りを良くして血行促進に効果があります」



「腸活に役立つそけい部のマッサージは、こんな風にやさしい力でしてあげてくださいね」



平端さんの講座で最後に語られた言葉には、参加者全員がうんうんと深くうなずいていました。
「老犬や高齢犬が元気に過ごせるコツは、なんといっても飼い主さんがたくさん話かけてあげることです。飼い主さんとのコミュニケーションが多い犬のほうが寿命が長いという調査結果もあるんですよ」

安心しながら楽しく過ごせるパーティー

シニア犬パーティーは、昔からの仲間と再会して楽しめる場でもあるようです。
「メルくんは、12年ほど前にこちらの伊藤トレーナーのパピークラスに通ったおかげで、ワンちゃん好きなツンデレのパリピになれました(笑)。
当時の“犬友”と散歩中に会うと『シニア犬パーティーでも、そのうち会えるね』と言い合っています。パーティーで再び交流できるのがうれしいです」(メルクリウスくんママ)

眼の保護のために屋外ではサングラス着用も愛用。おしゃれなメルクリウスくん

眼の保護のために屋外ではサングラス着用も愛用。おしゃれなメルクリウスくん

一方のプティ雄くんは、シニアになってからのパーティーデビューでした。
「パピーのころは、ほかの犬とうまくコミュニケーションが取れませんでした。でも、シニア犬パーティーに毎月参加していたら、適度にほかの犬と距離を保つことを覚えてきて。最初はリードをずっと握っていたのに、1年後には安心してリードを離せるようになったんですよ」(プティ雄くんママ)

鈴木トレーナーは次のように語ります。
「シニア犬パーティーの時間は、おだやかな空気が流れています。そして、犬たちの動きが良くなって、みんなイキイキしています。その姿を見られることが、私の喜びでもあります。
シニアで迎えた我が家の先代の保護犬は参加するチャンスがなくて、老犬介護に悩んで泣きながら過ごしたりしていました。こうやって情報交換や気持ちを分かち合える場が当時あれば、心強かったのにと心から思います」

プティ雄くんのように、シニアドッグになってからも新しいことを学べます

プティ雄くんのように、シニアドッグになってからも新しいことを学べます

犬たちが楽しめるのはもちろんのこと、飼い主さんもリフレッシュと安心できて、シニア犬との生活が充実する、シニア犬パーティー。みなさんもお近くで開催されているシニア犬パーティーを探して、うちの子と参加してみてはいかがでしょうか。

取材協力:

*1 サニーサイドドッグス https://sunny-side-dogs.net

■ 文・写真:臼井京音

profile_202506.jpgドッグライター・ジャーナリストとして、20年以上にわたり世界の犬事情を取材。現在は犬専門誌『Wan』をはじめ週刊誌、Web媒体、会報誌等で情報発信を行う。以前は『愛犬の友』誌、毎日新聞の連載コラム(2009年終了)などでも執筆。著書に『うみいぬ』『室内犬の気持ちがわかる本-上手な育て方としつけ方をアドバイス!』がある。
現在は元野犬の中型犬と暮らす。歴代愛犬のノーリッチ・テリア2頭と同様にボールを追いかけることが喜びで、趣味はテニスとバレーボールと写真撮影。パリやNYで撮影し自宅暗室で焼いたモノクロ写真は、ドッグリゾートWoof、ペットショップP2などのインテリアにも使用されている。