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2020.12.24

ドイツの街角から ~ドイツのクリスマスのお楽しみ~

ドイツの街角から ~ドイツのクリスマスのお楽しみ~

*1 の記事を書いた人:pochinski スペインのマジョルカ島で保護され、家族になった犬と現在ドイツで暮らす旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。

クリスマスをひかえた12月は、ドイツの人々にとって特別な月です。私が暮らすケルンでも、いくつものクリスマスマーケットが建ち、街中にイルミネーションがきらめき、国内外からの買い物客でにぎわい…、そんな風景が毎年繰り広げられます。ですが、今年は世界情勢を反映するように、クリスマスマーケットの開催は見合され、国外のみならず国内からの観光客の姿もあまり見かけません。

ちなみに、我が家の犬、ポチは混雑するクリスマスマーケットに連れて行かれることが苦手なので、ほっとしていると思います。

 

数年前に撮影したケルン大聖堂の広場のクリスマスマーケット。いつもならば大きなクリスマスツリーを囲むようにたくさんの露天が並び、大勢の人々でにぎわいます。

今年はクリスマスマーケットこそ開催されないものの、ドイツではアドベントの始まりと共に本格的なクリスマスシーズンに突入します。アドベントとは、クリスマスの4週間前の日曜日(今年は11月29日)からクリスマスイブまでの期間のこと。これはキリストの誕生を待つ期間で、日本では「降誕節」とも呼ばれます。

 

今年作ったアドベントクランツ2つ。


アドベントクランツは、アドベントに欠かせないデコレーションです。常緑樹をあしらった輪に4本のキャンドルを立てたクリスマスリースの一種で、食卓やサイドテーブルなどに置いて飾ります。
キャンドルの火は最初から一斉に灯すのではなく、アドベントの日曜日が訪れるごとに、食事の前のお祈りの時などに灯す火の数を増やしていきます。つまり、アドベント最初の日曜日は1本だけに、クリスマス直前の日曜日に初めて4本すべてに火を灯します。

アドベントクランツは市販されてもいますが、私は毎年手作りしています。今年はリビングルーム用と食卓用2つのアドベントクランツを作りました。常緑樹のヤニが手にくっついたり、オーナメントの配置が決まらなかったりと、悪戦苦闘するのはいつものことながら、これもクリスマスにつきものの楽しい準備作業です。

 

余った常緑樹の枝で作ったデコレーション。キッチンの壁に飾っています。


今の時期、アドベントクランツと同じくらい、またはそれ以上に欠かせないものがクリスマス菓子です。ひと口にクリスマス菓子と言っても、日本でもおなじみのシュトレンのような菓子パンからクッキーまで種類は豊富。シナモンやクローブといった香辛料、ドライフルーツ、ナッツなどを用いた多彩なクリスマス菓子がパン屋やカフェ、スーパーの店頭に並び賑やかになります。

 

作ったり、買ったりしたさまざまなクリスマス菓子は、専用のボックスに入れています。この時期にだけ登場するボックスも、クリスマスならではのデコレーション。

その一方で、クリスマス菓子を自宅で作る人は少なくありません。我が家でも1つ、2つと作るものの、10種類以上ものクリスマス菓子を作る夫の両親や祖父母からおすそ分けにあずかることがクリスマスのお楽しみ慣例となっています。クリスマス菓子にもそれぞれの家庭の味があり、私たちも「おばあちゃんの味」「お母さんの味」をありがたく、おいしく頂いています。

どうぞ、みなさまも素敵なクリスマスをお過ごしくださいませ。

DOG's TALK

日本でも、例年とは少し違うクリスマスになりそうですが、ヨーロッパなど海外の冬の過ごし方には家の中で楽しむヒントがあるように思います。アドベントクランツのような、クリスマスへのカウントダウンをするだけでも、家の中が少しずつ華やぐような気がします。日本でも少しずつメジャーになってきたアドベントカレンダーのようなアイテムを活用して、気分を盛り上げるのもいいですね。