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2021.03.11
ドッグフードの原材料、チキンミールなどの〇〇ミールとは?
犬の毎日の食事であるドッグフード。
いつまでも元気で若々しく過ごせるように、主食であるドッグフード選びにこだわりを持つ飼い主も多くなっています。犬にとって体に良くないものは食べさせたくない、と考えて調べたりしている内に、色々なことが気になるようになったという方も多いのではないでしょうか。
ドッグフードの原材料に関しては、「あれは危険だ」とか「食べさせてはいけない」といった強い言葉で書かれているものも多く、不安に感じる人も多いようです。今回はそんなドライフードの原材料の中から「チキンミール」に代表されるような〇〇ミールについてご紹介します。
チキンミールなどの〇〇ミールとは?
チキンミールに代表される〇〇ミールとは、家畜を食肉に加工する際に出る、主に可食部の肉を取り除いた残りを集め、さらに脂肪分を取り除いてから乾燥させたものになります。チキンミール以外にも乾燥チキンやディハイドレートチキンという名前で表示されることもあります。
具体的には、肉の端や脂身、皮、筋、軟骨などから脂肪分を除いて乾燥させたものです。よく勘違いされることなのですが、チキンの場合内臓や頭、脚などが含まれたものはチキンバイプロダクツミールであり、チキンミールとは表記できません。
生肉などと比較するととても安価で入手できる原材料です。
ドッグフードにミールを使用する理由とは?
「副産物だから」「安いから」と品質が悪いものだ、と断定的な紹介をしている情報も多いのですが、ミールには価格以外のメリットがあります。
それはドッグフードの品質を安定させられることです。
ミールは脂質や水分が取り除かれているので、ミールに加工されたあとは傷みが進みにくく、重量も軽くなり、その分輸送コストを抑えることができます。
またミールに加工することで脂質と水分がなくなるので、フードのレシピが作りやすく、全重量に対してタンパク質含有率を高めることもできたり、栄養成分値にもばらつきが出にくくなります。
逆に、生肉を多く使ったフードほど水分や脂質などのバランスや粒を固めることが難しく、成分値や粒形状にもばらつきが出やすくなってしまうことがあります。
こういった問題を解決するひとつの方法として、肉と合わせてミールを使用してタンパク質量を増やしたり、品質を安定させているドッグフードもあるのです。
■ミールを使用するデメリット
ミールを使用することで、犬の体の栄養源となる「タンパク質」の確保・調整はできても、肉の美味しさという点ではやっぱり疑問が残ります。フレッシュミートを使用したドッグフードでは、やはり食いつきが違うと実感された方も多いのではないでしょうか。犬だって美味しいものの方が好きなはず。
また、もともとミール自体は、動物性脂肪の抽出を目的に工程が進むため、生肉に比べタンパク質変性が進んでいる可能性があります。
■ 安全なチキンミールは存在するの?
ミールにはメリットがあるので「安全で質の良いミールはできないの?」と考えた方もいるのではないでしょうか。
たしかに、質の良いミールであれば、脂肪を抑えながらしっかりとタンパクだけを上げる優れた原材料となります。実際オーガニックフードメーカーの中には自社でオーガニックチキンミールに加工して使用しているメーカーも存在します。
しかし、一般的なフードメーカーはミールをレンダリング企業から仕入れることになるため、消費者はどのような原材料を使い、どのような工程で作られているミールなのかをパッケージ情報から認識することはできません。
こういった背景から、ドッグフードに使用されているミールが不安や問題のタネとなっているというのが現状です。
おわりに
チキンミールに代表される〇〇ミールは、悪い面ばかりが紹介されがちですが、栄養バランスや安定した製造を目指すなどの目的があって使用されているというケースもあります。
なるべくミールを使用しないで品質を安定させたり、栄養バランスを整えることが出来るようにフードの作り手はさまざまな工夫を行っています。ドッグフードに使用される原材料の中には、ミールのように悪者にされてしまうものもあるのですが、よくよく調べてみるとちゃんと理由や目的があって使っているというケースもあります。インターネット上にあふれている強い意見についつい流されてしまいそうになりますが、それぞれの原材料の特長や役割を少しでも知ってからドッグフードを選ぶことが大切です。フードのレシピからも作り手の意思を読み取ることが出来れば、より深く犬の食事についても知ることが出来そうです