- コラム
- スタッフコラム
2021.05.12
シニア犬の体重管理に。ドッグフードに含まれるL-カルニチンとは?
皆さんはドッグフードを選ぶとき、どんなことを基準にフード選びをしていますか?
犬が好きな原材料を使用しているか、栄養バランスが整っているか、粒のサイズや製造国など…いろいろなポイントがあると思いますが、ドッグフード選びをするうえで「この成分が入っているなら、こっちの方にしようかな」と機能性成分を基準にしている人もいるかもしれません。
そこで、ドッグフードの個性のひとつとなる機能性成分の中から、今回は犬の体重管理に役立つといわれている成分・L-カルニチンについてご紹介します。
L-カルニチンってどんな栄養素?
L-カルニチンは、必須アミノ酸であるリジンとメチオニンから犬の体内で再合成される成分で、エネルギーを作るために重要な働きをしていて、そのため体を動かす筋肉や心臓を動かす筋肉に多く存在しています。
L-カルニチンの主な働きは、脂質をエネルギーに変換する際のサポートです。
脂質は消化の過程で脂肪酸に分解されますが、脂肪酸をエネルギーに変換する作業は細胞の中のミトコンドリアという部分で行われます。
しかし、脂肪酸だけでは細胞膜を通ることが出来ず、ミトコンドリアでエネルギーを作ることができません。
ところがL-カルニチンと脂肪酸が結びつくと、脂肪酸は細胞膜を通り抜けてミトコンドリアでエネルギーを作ることが出来るようになります。
L-カルニチンは、脂質と脂肪酸をエネルギー源として使用することができるように、脂肪酸をミトコンドリアに運ぶ重要な運搬係となる成分なのです。
■ ちなみに:エネルギー源としての脂肪酸
脂肪酸は持続的なエネルギー産生を担うことで、筋肉や心臓を効率よく動かす際に役立てられています。糖質はエネルギー代謝にあまり時間が必要ではなく、瞬間的に大きなエネルギーを作ることが出来ますが、体の機能や体温を維持するためにはじっくりとエネルギーを作ることが出来る脂肪酸を使うほうが効率的といえます。
シニア犬のダイエットだけじゃもったいない。将来のために始める、エイジングケアにも。
POCHI ザ・ドッグフード エイジングケア ラム
※ラム肉にはL-カルニチンが豊富に含まれているといわれています。
●保証分析値
タンパク質 30.5%以上、脂質 10.5%以上、粗繊維 10%以下、灰分 7.5%以下、水分 10%以下、カルシウム 1.10%、リン 0.70%、タウリン 0.9g/kg、EPA 1.0g/kg、DHA 2.5g/kg
○代謝カロリー 306kcal/100g
L-カルニチンを補う必要はあるの?
犬の体内で使用されるL-カルニチンはリジンとメチオニンというアミノ酸で作られています。リジンもメチオニンも犬の必須アミノ酸であり、これらは大部分が食事から補給されていて、健康的な犬は肝臓でL-カルニチンを合成しています。
しかしこのL-カルニチンを作る機能は加齢に伴い低下していくといわれていて、高齢になった犬では脂質をエネルギーとして代謝することが難しくなっていき、高齢の犬が肥満になることの一因になっています。
高齢になり、体重増加が気になるようになった犬は、体内で作られなくなったL-カルニチンを補う目的でL-カルニチンをより多く含むドッグフードを選ぶことにメリットがあります。
L-カルニチンを含むドッグフードをより効果的にするためのポイント
体重管理のためにL-カルニチンを含むドッグフードを与える際は、一定の運動をすることが大切になります。
L-カルニチンは筋肉に多く含まれる物質ですので、その筋肉がエネルギーを消費しなくては脂質のエネルギー代謝に繋がりませんし、筋肉量が多いほどより多くの脂質を代謝することが出来るようになります。
高齢の犬では筋肉量を維持することが関節などの健康維持にもつながりますので、体重維持や関節の健康のためにも無理のない範囲で散歩や遊びを通して運動量を維持することも意識してみてください。
おわりに
今回はドッグフードに機能性成分として使用されることがあるL-カルニチンについてご紹介しました。L-カルニチンは犬の脂質の代謝において重要な役割を持っている栄養です。
高齢になった犬ではL-カルニチンを体内で作る能力が低下しやすいので、体内で減少したL-カルニチンを補うために取り入れるのがオススメです。
高齢の犬の体重管理にL-カルニチンは役立ちますが、効果的にするためには運動量を意識して筋肉を維持することも忘れてはいけません。
L-カルニチンを含むドッグフードに変えたからといって、それだけで体重管理を上手く行えるわけではありませんが、食事管理を応援してくれる機能性成分として活用してみてはいかがでしょうか。
ちょっとブレイク ポチっとクイズ
-
問題:犬の体重管理に役立つ成分、L-カルニチン。「脂質」or「炭水化物」どっちの代謝に関係する?
-
正解:L-カルニチンは「脂質」のエネルギー代謝に深く関係しています。ただ、L-カルニチンを与えればどんどん痩せていく…というわけではありません。適度な運動をして、筋肉を維持することが必要です。