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2021.09.08

ドイツの街角から ~季節限定のイタリアの味に寄り道散歩~

*1 この記事を書いた人:pochinski スペインのマジョルカ島で保護され、家族になった犬と現在ドイツで暮らす旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。

8月のケルンは気温が上がらず、曇天や雨の日も多く、あまり夏らしくない一カ月でした。
街ゆく人がコートやダウンジャケットを着ていることさえ珍しくなくなり、日光浴が大好きなポチンスキーにはもの足りなかったかもしれません。ですが、朝夕の散歩はとても快適にでき、老犬にはありがたい夏でもありました。

 

公園にはジェラートの移動販売カーもやってきます。


涼しい夏だっただけに、気温が少しでも上がると、「今がチャンス」とばかりに多くの人々でにぎわう店があります。「Eiscafe(アイスカフェ)」や「Eisladen(アイスラーデン)」などと呼ばれる、イタリア人の方が経営するジェラート店です。
ドイツで暮らす外国人の中でもイタリア人の数はトップ5に入り、60万人以上が暮らしています。こうした背景もあり、イタリア人が経営するレストランやカフェなど、食に関わる店がドイツには豊富。ジェラート店もその1つで、全国に5千店以上あるそうです。

 

イートインするパフェは、盛り付けが豪華でボリュームたっぷり。メニューの種類があまりに多いので、何を食べるか、いつも迷ってしまいます。

ジェラート店では通常、フルーツやチョコレート、ナッツなど何十種類ものジェラートやパフェをイートインしたり、コーンやカップでテイクアウトしたりできます。さらに、エスプレッソやパニーニなどイタリアらしい軽飲食もそろっているため、ジェラートを食べずにカフェ代わりに利用する人もいます。

ジェラートの価格は、1スクープ1.5ユーロ(約194円)前後、パフェは7ユーロ(約907円)くらいから。ドイツで人気が高いものはバニラやチョコレート、ストロベリーなど、日本でもおなじみのフレーバーです。ただし、バニラ1つとっても店によって味や濃厚さが異なり、それぞれの店の味を楽しめます。

 

この夏オープンした近所のドイツ系アイス店で買ってきたサボテンの花のアイスと、コーンフラワーのアイス。ポチンスキーも興味津々です。

また、近ごろはドイツ人によるアイス店も増えています。イタリア人のジェラート店との違いを挙げるとすれば、珍しい素材やオーガニックの素材で作ったアイスや、乳製品を使わないヴィーガン用のアイスをさまざまそろえている点でしょうか。素材にこだわりがあるためか、価格も少し高めです。

ところで、イタリア人が経営する多くのジェラート店は3月~10月頃までの季節限定で、冬の間は休業します。イタリア人の従業員たちは春から秋まで休みもなく働いた後、冬は温かいイタリアで過ごし、春先に再びドイツにやってきます。

飼い主の楽しみとして、時々立ち寄っていたこのジェラートの味を楽しめるのも、今年はあと一カ月ほど。9月は、ジェラートが食べたくなるような陽気が続くことを願うばかりです。

 

テイクアウトしたタルトゥフォ(左)とイチゴパフェ。タルトゥフォは、テニスボールくらいの大きさの丸いアイスをココアパウダーでコーティングしたもの。ボールの中にはキルシュソースが入っています。

テイクアウトしたタルトゥフォ(左)とイチゴパフェ。タルトゥフォは、テニスボールくらいの大きさの丸いアイスをココアパウダーでコーティングしたもの。ボールの中にはキルシュソースが入っています。