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2022.01.11
ドイツの街角から ~ドイツの冬のあたたかな過ごし方~
*1 この記事を書いた人:pochinski スペインのマジョルカ島で保護され、家族になった犬と現在ドイツで暮らす旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。
冬のドイツは日が短く、しかも曇りがち。1年で最も日が短い冬至の前後1カ月間ほどは、ポチンスキーとの朝と夕方の散歩でも陽の光をほとんど浴びない日が続きます。
また、気温も低いため、冷たい風や雨にさらされながら歩くことも珍しくありません。
そんな屋外とは対照的に、ドイツの家々はとても心地よく暖められいます。戸建て、アパートに関わらず、広く利用されている暖房方式はセントラルヒーティングです。セントラルヒーティングとは1つのボイラーで温めた温水を各部屋、各世帯のラジエーターに巡らせる方式で、ラジエーターに付いているダイヤルで温度調整をします。
世間ではラジエーターのダイヤルを最大にして部屋を暖め、Tシャツのような軽装で過ごす人も少なくないようですが、わが家ではセーターやブランケットなど冬ならではのウール製品を組み合わせ、ほどよい程度の暖かさに保っています。
ところで、セントラルヒーティングの場合、アパートなど1つ屋根の下で暮らす人々は“運命共同体”の関係にあります。というのも、ボイラーが故障すると、建物全体の暖房が使えなくなるからです。
実際、私たちのアパートでもボイラーの調子が悪くなり、みんなで一緒に寒い思いをした経験が何度かあります。わが家にはセントラルヒーティング以外の暖房器具がないため、ボイラーが故障するとセーターやマフラーなどを着込んで寒さをしのがなくてはなりません。セントラルヒーティングにはそんなデメリットもありますが、修理費用などが全世帯で割り勘になる点は運命共同体のメリットともいえるでしょう。
暖房以外にもう1つ、冬の室内(外)を心地よくするものがあります。照明です。ドイツでは間接照明やキャンドルが好まれていることもあり、人々は明るすぎず、暗すぎず、照明を巧みに使って室内に暖かい雰囲気をかもし出しています。
また、夜が長い冬になると、室外の照明に凝る家も目立ちます。窓辺に星型のランプを飾ったり、ベランダや庭の木々にイルミネーションライトをきらめかせたり、といった感じです。街灯が少ない暗い夜道では、ほのかに光を放つイルミネーションライトがとてもきれいで、ポチンスキーとの散歩途中でもついつい立ち止まって眺めてしまいます。
寒く暗い日々はまだ続きますが、ブランケットやキャンドルなどを使いこなし、冬ならではの過ごし方を楽しむつもりです。