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2022.02.28
ドッグフードのローテーションの疑問。いつから?方法は?選び方などご紹介
複数のフードを一定期間おいて交換しながら与えていくドッグフードのローテーション。ドッグフードのローテーションを行うことで、飼い主にも犬にもさまざまなメリットがありますが、このローテーションを行う際に注意したいポイントがあります。
今回は、ドッグフードのローテーションにチャレンジするときのFAQをペット栄養管理士のアドバイスとともにまとめてご紹介します。
これからフードローテーションを行おうと思っている方、フードローテーションを行っているけれど疑問があるという方の参考になれば幸いです。
ドッグフードのローテーションのメリットとは?
フードローテーションとは、犬が気に入っている、体質に合っているドッグフードを複数用意して、定期的に主食となるフードをくるくると替えて食べさせる方法のことです。
3種類以上のドッグフードをローテーション候補として用意しておく方が多いようです。
大切なのは、犬がちゃんと食べてくれるということと、犬の体質にあっているドッグフードを選ぶということ。
そして、犬の好みだけではなく体質的な特長を把握しておき、「これなら安定して食べてくれる」「ウンチの状態もばっちり」というドッグフードを2、3選びます。注意点は、違う種類のフードを一度に混ぜて与え続けるのではなく、日替わりの感覚で与えるということ。
ドッグフードのローテーションを行う上でのメリットもチェックしていきましょう。
■メリット1:私たちと同じようにさまざまな食材から栄養を取り入れることが可能に。
私たち人間は、毎日同じメニューを食べていませんよね。もちろん、時には毎日食べたい!と思うほど美味しいものや好物と出会うこともあるかもしれませんが、それでも全く同じメニューを続けることはないと思います。
家族である犬たちにはいつまでも健康であってほしいものですし、同時に毎日「今日のごはんおいしい?」と語りかけたい存在です。家族同様、食事には肉、魚、野菜を色々与えたいと思った時、犬の栄養バランスを気にしない方法として、味のバラエティのローテーションという選択なら簡単です。
犬にとってもさまざまな食材を食べることは楽しみであり、刺激になります。
野生のオオカミも季節によってさまざまな種類のものを食べていることが研究によって明らかになっています。秋~冬は川を泳ぐ脂肪分が豊富なサーモンなどの魚を食べたり、春先には山菜やハーブ、ベリー類を食べるほか、虫や植物の根など多様性に富んだ食物を取り入れています。
■メリット2:いつものドッグフードが入手できなくなるリスクに備える
現在、ポチでお取り扱いしているドッグフードの中には、アメリカ大陸で作られているもの、ヨーロッパで作られているもの、オセアニアなどの南半球で作られているものなどがあります。
さらにアメリカ大陸なら、アメリカ、カナダ、ヨーロッパでもドイツ、フランス、イギリス、スペイン、オランダなど様々な国々があります。
ポチでは、ドッグフードの販売前に安定して供給できるかどうかのチェックを行います。しかし製造工場のトラブルや自然災害による原材料の調達問題、工場までの輸送のトラブルなどによって製造が難しくなってしまうケースも存在します。また、ブランド合併など会社都合での製造中止や国の規制による輸入停止が起きることもあります。
これらの問題が起きてしまったとき、1種類のフードしか食べてくれないと、食べられるものがなくなってしまいますよね。
こういったリスクに備える意味で、異なる原材料や異なるメーカー、異なる原産地で複数のフードをストックしておくことは有効な手段のひとつです。
ドッグフードのローテーション、いつから始める?
ドッグフードのローテーションを始めるタイミング、フードの切り替えのタイミングについてですが、これは犬の様子を見ながら行うのがオススメです。
■どのタイミングでフードを変える?
フードの切り替えのタイミングについては、大きく分けて2つのことがきっかけになると思います。
1つめは、「ドライフードを1袋食べ切ったら別のものに切り替える」というもの。
Aというフードを1袋食べ終わったら、Bのフードを与え、さらにBが食べ終わったらCのフードを与えます。Cも1袋食べ終わったら再びAを与える…といったサイクルでフードを切り替えていく方が多いようです。
2つめは「食いつきが悪くなったら変える」という方法。犬の食いつきが悪くなってきた、フードを残してオヤツばかり食べたがるようになったという時、次のドッグフードを与えていきます。ローテーション候補のフードを何種類か用意しておけば、急に食べなくなってしまった、という場合の切り替えもスムーズにいきます。
■子犬もローテーションしても大丈夫?
栄養面では子犬もフードローテーションを取り入れても問題はありませんが、オススメはしていません。子犬の内は消化器系も成長段階なので、フードをこまめに変更することで下痢などが起こりやすくなる可能性はあります。
フードの切り替え自体、徐々に行っていく必要があるのですが、子犬の間はより一層の注意を払う必要があります。
無理にローテーションを行うよりも、成長期が終わってから行うほうが安心です。
ドッグフードのローテーションの心得
ドッグフードのローテーションを行う時、フードの切り替えは少しずつ行うようにしてください。
それまで与えいていたフードに対する比率を少しずつ増やしながら、1~2週間を目安に切り替えを行っていく方が多いです。
フードの切り替えを行う際のポイントとして、大切なのは犬のウンチの状態を必ずチェックするということ。軟便傾向が続く場合は、いったん前のフードに戻して様子を見ることも大切。
ウンチは犬の健康のバロメーター。フードを切り替えていく過程で軟便や下痢になっていないか、便秘になっていないかなどを確認していきましょう。
ローテーション候補のフードの選び方
ローテーション候補となるフードを選ぶ方法には、いくつかの条件を設けるのがオススメです。
■犬の好み、体質で選ぶ
何はともあれ、確実に食べてくれるものを探していきましょう。現在安定して食べてくれているフードがあれば、まずはそれに近いタンパク源や栄養バランスなどを選ぶのもひとつの方法です。
「原材料」「タンパク質の割合(%)」「粒サイズ」などのドッグフードの特長をチェックして、今のお気に入りと共通するものを探してみてください。
犬の好みを把握しておけば、療法食などの制限が必要なフードを選ぶ際にも指標になるはずです。
■製造国で選ぶ
突然の輸入禁止や輸入遅延が起きた場合などに備えて、「国産」「ヨーロッパ産」「アメリカ・カナダ産」「南半球産」など、大まかに異なった地域で製造されているブランドで作られているフードを複数ローテーション候補として把握しておくと安心です。
異なるメーカーであっても、製造が同じ地域の場合は輸入できなくなってしまうケースもあります。
POCHIでは基本的に製造国をご紹介していますので、そちらの項目もぜひチェックしてみてくださいね。
地域によって使用される原材料、栄養バランスなどに特長がみられます。犬の好みとも照らし合わせながらフードの選択肢を検討していければより良いですね。
■アレルギー対策としてタンパク源で選ぶ
食物アレルギーを持っていることが分かっている(疑われる)フード選びでは、アレルゲンとなるタンパク質を避けたフードを選ぶことが原則になります。フードローテーションでも同様に、タンパク源には注意して選ぶ必要があります。
ドッグフードに使用されるタンパク源が主なアレルゲンとなることはありますが、このタンパク源がアミノ酸やペプチドレベルまで分解されると理論上はアレルギーを引き起こさないといわれています。
食物アレルギーとタンパク質についてはもう少し詳しくご紹介している記事もぜひご覧ください。
ポチの生き字引 古参スタッフのメモフードローテーション誕生の背景について
ドッグフードを複数用意しておき、定期的に切り替えるフードローテーションの考え方が広まったのは、野生の犬の仲間の食性が思いのほか多様性に満ちていたことが分かったからです。
野生界で犬の仲間もその時期その時期によって変化する、食べられる様々な種類のものを食べていて、人間でよく言われる「1日で30品目の食材を食べましょう」という目標よりもずっと多種多様のものを食べていたようなのです。
そんなさまざまな食材を食べていた犬たちにとって、フードを固定してしまうことは果たして良いことなのか?フードを固定すると、食べられる原材料に限界があり、犬本来の食事からは大きく離れてしまうのではないか?と考える人が現れるようになりました。
そこから、主原料の違うフードを複数ローテーションする「フードローテーション」の考えがはじまり、自然界の季節のサイクルに合わせ、得られる栄養バランスや要求されるカロリーの変化を持たせるようなローテーションを実践するなど、フードローテーションの取り組みや目的もさまざまになっています。
今では、暑いときはカロリーの低いフード、春先はデトックス効果のあるフードといったように、独自にメーカー横断で組み合わせる凄腕飼い主もいるのだとか。
少々難しい話になってしまいましたが、季節や犬の健康状態、嗜好性などのさまざまな要因に合わせて柔軟にフードを切り替えていく、という考えもフードローテーションの考え方のひとつと言えるかもしれませんね。
おわりに
今回はドッグフードのローテーションを行うときによくある疑問や質問についてのアドバイスをご紹介しました。
ドッグフードのローテーションには犬にとっても、飼い主にとってもメリットがあります。ローテーションを始めるにあたってのポイントや、ローテーション候補のフード探しなどで迷ってしまったり、気になることがある場合はポチのコンサルティングサービスを頼っていただいても良いと思います。(POCHIのコンサルティングサービス)
さまざまなフードを与えていくことで、選ぶ楽しみも増えていきますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
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POCHIのペット栄養管理士 岡安
ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。
ペット栄養管理士について
*1 2002年5月より実施されている、「ペット栄養管理士」の認定試験に合格した、犬や猫の栄養学の専門家です。栄養・健康増進及びペットフードの品質向上等に関する会員相互の知識、技術の向上を目的に1998年6月に設立された一般社団法人日本ペット栄養学会によって認定されている資格です。 日本ペット栄養学会