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2022.11.21
犬が反応する音とは?犬の聴覚から興味を惹く音を考えてみました。
周囲の情報を集めるために動く犬の耳。色々な音を聞き分けて、様々な反応を見せてくれます。
明らかに犬が音で興奮したり、特定の音が聞こえるとそちらを向いて動かなくなるなど、生活の中で音に強く反応する場面を見たことはないでしょうか。
犬が反応してしまう「音」とはどんなものなのでしょうか?
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POCHIのペット栄養管理士 岡安
ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。
犬が本能で反応してしまう音がある!
■獲物となる小型げっ歯類の立てる音や、それに近い音
犬が本能的に反応することが多いといわれているのは、小型げっ歯類の立てる音や、それに近い周波数の音です。
これまでの研究によると、犬は8,000Hz付近の周波数音を特に敏感に感じ取ると考えられており、獲物である小型げっ歯類の音がまさにその周波数にあたります。
テリア系やそれに近い犬種では、とくに小型のげっ歯類に強く反応することがあるかもしれません。
テリア以外にも狩猟意欲が強いタイプの犬種では、鳥の声などにも反応を示しやすい傾向がみられることもあります。
本能的に覚醒し、音源の方位を定めようとしたり、音を詳しく聞こうと首を傾げたりするしぐさが起こります。
■遠吠えの声、サイレンなどの音
少し前はご近所の犬同士が夕方になるとよくかわしていた遠吠え。この遠吠えも、犬のコミュニケーションに用いる音の一種なのだとか。
通常の吠え声と比較して遠くまで聞こえる特徴があり、より遠くの仲間とコミュニケーションをとるのに適した方法です。
この遠吠えと同じように遠くまで聞こえるように作られているのが、時報だったり緊急車両のサイレンの音です。実はこれらのサイレンの音と犬の遠吠えの周波数が非常に近いので、犬は仲間が遠吠えしていると思って本能的に吠えてしまうことが多いようです。こういった、理性とは関係なく仲間と強調しようとする反応を「社会的促進」と呼びます。
犬にとって「経験」とセットになっている音に反応する
本能的に反応してしまう以外にも、犬が反応する音があります。それは犬が経験的に良いこと/悪いこと と結びつけて覚えている音です。
■飼い主が帰ってくる足音
家に帰ると、犬が玄関近くで待っていて、出迎えてくれたという経験は、犬と暮らす醍醐味でもありますよね。
犬の聴覚は人間よりも優れていて、聞き取ることができる音の範囲は65ヘルツ~50,000ヘルツと高い音域まで聞き取ることができるといわれています。(人間の聞き取ることができる音域は20,000ヘルツ程度まで)
また、犬の聴力では約1kmほど離れた距離から発せられた足音でも、聞き取ることができるという説もあります。(周囲の環境にもよると思いますが…)
私たちに聞こえている音以外の音で犬は飼い主の足音とそうではない音を聞き分けて、大好きな人が帰ってきたという良い経験と結びつき、飼い主が帰ってくるのが分かるのだとされています。
■チャイムの音
もう一つ、多くの犬が反応してしまう音としてチャイムの音もあります。
これは飼い主の足音とは逆で、「知らない人が家にやって来る」という刷り込みがされてしまい、過剰に反応してしまう例です。
家や家族を守ろう、という責任感の強い性格の犬や、知らない人を苦手とする人見知りタイプの犬、また最初の経験で来客を教えたら飼い主が喜んだと思い込んでいる犬では過剰に反応してしまい、問題行動となってしまうことも。
これもやっぱり犬にとって「侵入者」という経験とチャイムが結びついてしまっているために見られる行動です。
犬は賢い生き物ですから、時々チャイムを鳴らしてから帰るようにしたり、チャイムを鳴らした人が犬に優しく接したりすることで、徐々に「この音は怖い意味ではない」と理解させるトレーニングがあります。
音を利用したトレーニング
犬にとって音は色々な情報と結びつくことで反応が変わるものでもあります。犬に様々なことを教えるトレーニングの中には、クリッカートレーニングと呼ばれる「音」を利用して意識を向けさせる方法を取り入れたものもあります。
■クリッカートレーニングとは
クリッカートレーニングとは、特定の音(クリッカーの音)を合図として犬に指示を出すトレーニングのこと。
犬が正しい行動・望ましい行動をとった時にクリッカーをカチッと慣らし、その行動が良いことだと教え、徐々に犬の意識を変えていくというトレーニングです。
犬が良いことをするごとにクリッカーを鳴らしながらご褒美となるオヤツを与え、それを繰り返すことによって、正しい行動を強化していく、いわゆる「正の強化」によって学習していくことになります。
この正の強化のためには、合図となる音と「良いこと」「報酬」が犬の中でしっかりと結びついている必要があります。
そのためによく使われるのが、小さな一口サイズのオヤツです。
嗜好性が高く、一口サイズのトレーニングトリーツ
POCHI ナチュラルチーズボール トレーニングビッツ
●原材料
ナチュラルチーズ 植物油 豚骨カルシウム 乳タンパク質 卵黄 デキストリン ミルクオリゴ糖 βカロテン
●保証分析値
タンパク質 18%以上 脂質 17.0%以上 粗繊維 1.0%以下 灰分 7%以下 水分 35.0%以下
○代謝カロリー 285kcal/100g
●サイズ:約4-5.5mm
POCHIのナチュラルチーズボール トレーニングビッツは、1粒が4~5mmととっても小さなオヤツ。こんなに小さいのに、嗜好性はばつぐん!だから、大型犬から超小型犬までご褒美オヤツとして使えます。
クリッカートレーニングでは、繰り返しこのクリッカーの音が「良いもの」「美味しいもの」と結びついていることを犬に覚えてもらう必要があるため、何度も繰り返しおやつを与える必要があります。
ですから、犬のお腹がいっぱいになって集中力が切れたりしないように、小さいこと、そしてとっても良い香りがすることが大切なのです。
その点、このオヤツは小さいのに美味しい、香りもばっちりでまさにトレーニングにピッタリ。
正しいクリッカートレーニングを広めている国際的なネットワーク、D.I.N.G.O.日本所属トレーナーに推奨(D.I.N.G.O. Recommend)されたクリッカートレーニング用トリーツでもあります。
クリッカートレーニングのように、犬のご褒美と音を結びつけることができれば、「良いことをした時」「飼い主を喜ばせた時」に音を鳴らして、犬の良い行動を強化し、社会的なマナーなどを教えるのにも役立つというわけです。
おわりに
今回は、犬と「音」について調べた記事をご紹介いたしました。犬の音に対する反応は、本能で反応を示す先天的な反応と学習による後天的な反応の2種類に分けられます。
また、後天的な反応を活用して犬の行動をより望ましいものに変えていく音を使った「クリッカートレーニング」と呼ばれるトレーニングもあります。犬が飼い主にとって嬉しい行動を取った時に合図となる音を鳴らし、ご褒美を与えることで「良いこと」を犬により分かりやすく伝えることになります。こういったトレーニングの方法を正の強化と呼びますが、これは犬に後天的に音とご褒美を結び付けることで可能になります。
犬の感覚器でもっとも発達しているのは嗅覚ですが、音などからも色々な情報を得て、判断に役立てているのです。