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2022.12.21
低カロリー!シニア犬にこそ食べてほしい、砂肝の栄養を解説します【ペット栄養管理士】
コリコリとした食感が美味しい砂肝。焼き鳥でも人気の部位ですよね。でも砂肝の魅力は、それだけではありません。
実は犬の食事として考えた時、砂肝は魅力たっぷりの部位なんです。でも、「固いし噛みにくいのでは?」「どうやって与えるのが良いの?」と思われる方へ、今回は犬に与える食材として砂肝を考えた時の魅力やオススメの与え方などをまとめてご紹介いたします。
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POCHIのペット栄養管理士 岡安
ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。
砂肝100gに含まれている栄養素
まずは砂肝100gあたりに含まれている栄養素をチェックしていきましょう。基本となる項目を見ていくと、少し意外なことが分かります。
■低カロリーで高タンパク!
エネルギー:86kcal
タンパク質:18.3g(乾物計算時:87.1%)
脂質:1.8g
炭水化物:0.1g以下
水分:71.3g
灰分:0.9g
まず、注目したいのは砂肝のカロリーが意外にも低いことが挙げられます。
そしてさらに、タンパク質も豊富。乾物計算(水分量を抜いた時のタンパク質量)は、87.1%と非常に高くなっています。この数値は、鶏の胸肉(乾物計算時:77.7%)や鶏のもも肉(乾物計算時:52.6%)と比べて大きく上回っています。それから、脂質も非常に低く抑えられています。(鶏むね肉の約1/3、鶏もも肉の約1/8)
低カロリーなのに高タンパクが砂肝の栄養面の大きな特徴と言えます。
■ミネラル類が豊富でエネルギー代謝に重要なビタミンを含むバランス食
もうひとつ、砂肝の食材としての特長にミネラル類が豊富に含まれていることが挙げられます。
具体的には、亜鉛は鶏のレバーに匹敵するほど豊富です。(2.8g/100g)犬の手作り食などでは、不足することが非常に多い亜鉛ですから、砂肝は重要な供給源となります。それから、鉄分はレバーほどではないものの、鶏の胸肉やもも肉、ささみなどと比較すると豊富に含まれています。(2.5g/100g)
砂肝に豊富に含まれている成分のひとつとして挙げられるのが、ビタミンB群です。
中でも砂肝に豊富に含まれているのがナイアシンと呼ばれるもので、脂質、炭水化物、タンパク質のエネルギー代謝や細胞の再合成など、体の重要な役割を果たしています。
ナイアシンは筋トレを行う人たちでは、意識的に摂取することが推奨されているもののひとつなのだそうです。
また、実はナイアシンはメンタルにも大きな影響を及ぼす栄養素ともいわれています。
神経伝達物質の一つで精神を安定させるといわれているセロトニンは、ナイアシンと同じ必須アミノ酸のトリプトファンから生成されます。
トリプトファンはナイアシンの生成に優先して使われてしまうため、ナイアシンが不足するとセロトニンが生成されなくなってしまいますので、心の健康を保つためにはナイアシンの摂取が大切です。
砂肝は体重管理が必要な犬&シニア犬にオススメ!
砂肝にはさまざまな栄養が含まれていて、犬の健康維持にも大いに役立てられる食材です。
具体的に、どんな犬に砂肝がオススメなのかをペット栄養管理士が改めてまとめてみました。
■低カロリーの食事を与えたい時
■高齢犬など、しっかり筋力を維持したい時
■亜鉛などのミネラル類を補給して被毛を美しく維持したい時
■引っ越しなど、ストレスかかっていそうだなと思った時
砂肝に含まれる栄養素から見ると、こういった時に取り入れてみると体調管理に役立ちそうです。
普段から継続的に取り入れるのはもちろんですが、特定のお悩みがある時のサポート食材としても、オススメです。
それから、ドライフードのトッピングとしても食べ応えがある砂肝は犬にとっても嬉しい食材。食感の違いが食欲を刺激するきっかけになるかもしれません。
犬に砂肝を与える時のポイント
まず、犬に砂肝を与えるなら加熱調理してあることが大前提です。
生肉には、細菌が住んでいます。犬の胃酸は非常に強力で、野生の頃は生肉を食べていたのだから大丈夫、という考えもありますが、体調により下痢を起こすこともあります。また、犬を介して人間に感染することが指摘されています。
ですから、加熱調理をして菌への対策を行っておく方が安心です。
犬に砂肝を与える時、弾力のある食感から「きちんと噛み切れるかしら?」と心配される方もいるかもしれません。
スーパーなどで販売されている砂肝は、銀皮とも呼ばれる固い膜で覆われていることも多いので、高齢になって噛む力が衰えた犬や、歯周病などの持病がある犬、チワワやトイプードルなどの超小型犬では、この皮を取り除く下ごしらえが必要になると思います。
ちなみに、この皮がある/ないは、犬の噛み切りやすさには影響を及ぼしますが、消化のしやすさには影響はなさそうです。
下ごしらえの手間を省くなら、すでに犬が食べやすいように調理済みのレトルトを使うのもオススメです。
砂肝を手軽に楽しむなら。オススメお手頃レトルト385円/85g
犬に家庭で手軽に砂肝を食べさせるなら♪
J&C 国産若鶏 すなぎも角切り 80g
●原材料
鶏砂肝
●保証分析値
タンパク質 18.9%以上 脂質 1.6%以上 粗繊維 0.1%以下 灰分 0.9%以下 水分 79.7%以下
〇代謝カロリー 75.5kcal/100g
●原産国:日本
犬に砂肝を与える時にオススメのちょうどいいレトルトが、J&C 国産若鶏 すなぎも角切りです。
80gとトッピングや手作りアレンジにちょうどいい量なのも嬉しいポイント!使い切りサイズなので無駄になりにくいですよ。
さらに、加熱調理も、ちょっと面倒な下ごしらえも済んでいますのでそのままササっとトッピングとして活用するのもOK。
シニア犬や高齢犬、体重管理が必要な犬の興味をそそる香りや美味しさはそのままに、使いやすさをアップさせたレトルトを試してみるのがオススメです。
おわりに
今回は犬の健康管理に役立つ栄養をたっぷり含む「砂肝」を改めてペット栄養管理士目線でチェックしてみました。
それぞれの食材にどんな栄養がどれくらい含まれているのかを見ていくと、自然と「こんな時に使い勝手がいいな」「こんな子に食べてほしいな」ということが見えてきます。
今回の砂肝であれば、体重管理、シニア犬、ストレスがキーワードになると思います。犬たちの様子をみていてこれらのキーワードが気になったら、砂肝を取り入れてみてはいかがでしょうか。