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2023.01.19

世界最高齢の犬の年齢を、人間に換算してみたら...。【ちょこっとポチ】

世界最高齢の犬の年齢を、人間に換算してみたら...。【ちょこっとポチ】

犬には少しでも長生きしてほしい…それはすべての飼い主に共通する願いではないでしょうか。
1年、1か月、1日、1時間でも長く元気でいてほしいという思いで、健康を意識したり、ドッグフード選びに頭を悩ませたり…。
そんな日々には思いがけない発見があったりします。

さて、世界に目を向けてみると驚くほどご長寿の犬たちもいます。
本日はそんな犬たちの年齢と、健康に関する短いトピックをお届けします。

世界最高齢の犬、何歳だったかご存知ですか?

こちらはブルーイと同じ犬種のオーストラリアン・キャトルドッグ。

こちらはブルーイと同じ犬種のオーストラリアン・キャトルドッグ。

2022年の時点で、史上最も長生きした犬は、いくつで天寿を全うしたか、皆さまご存知でしょうか?
正解は……29歳5か月。とっても長生きですね!

この記録を樹立したのは、オーストラリアで暮らしていたブルーイという名前の犬。犬種としては、牧羊犬として現地で非常に人気が高いオーストラリアン・キャトルドッグだったそうです。

世界最高齢の犬は世界最高齢の牧羊犬だった


ブルーイの驚くべきポイントはそのご長寿ぶりだけではなく、牧羊犬としての現役生活の長さ。なんと約20年はバリバリ現役の牧羊犬として活躍したというのです。
最近では50歳を過ぎても現役を継続するプロ野球選手やサッカー選手も出ていますが、それと比較しても突出した現役生活の長さです。

世界最高齢の犬は、牧羊犬として活躍した期間も世界最長なのではないでしょうか。

世界最高齢の犬の年齢を人間年齢に換算してみました。

では、ブルーイの年齢を人間の年齢に換算してみるといくつになるのでしょうか?
ここ数年で犬のDNAに関しての研究が進み、最新研究に基づいた犬と人間の年齢換算の計算式が登場しています。
今回は最新の計算法で、ブルーイの年齢を人間に換算してみましょう。


その結果は……85.1歳!

あれ?思っていたよりも若い(?)数字が出ました。
実はこれ、最近注目されている犬の年齢の計算方法の出し方に理由があります。

犬の加齢は、一定のペースで進むわけではない。

2020年2月にアメリカ・カリフォルニア大学の研究チームは、老化に伴い変化するDNAの反応に注目し、犬と人間でDNAの老化に伴う反応がだいたい何歳くらいに対応しているかを調査しました。
ヒトも犬も同じように加齢に伴いDNA一部が変化するため、犬のDNAを分析することで"人間の年齢で言うとだいたい〇歳と同じくらいDNAが老化している"、という推定ができるのです。

その論文によると、犬は生まれてから数ヶ月で人間でいうところの成人になり、生後1年経過した時には人間の約30歳に相当するほどDNAが成長していたことが分かったのです。
また、成長のスピードは若いほど速く、4歳を経過した頃には人間の中年に相当し、以降はなだらかに老化が進行していくことも判明しました。

犬の加齢のペースは一定ではなく、最初の数年で一気に人間でいうところの「おとな」になり、その後ゆっくりと歳をとっていく…。人間の加齢とは違うペースで犬たちは年を重ねているようです。

犬にずっと元気でいてもらうために

今回ご紹介した計算式によると、1歳の犬は人間の年齢に換算するとだいたい31歳、5歳の犬は56.7歳となります。
かなり早い段階で、中年世代に入ってしまうことが分かると思います。でもこれは、DNA単位での話。犬と一緒に暮らしていると、性格や情緒でまだまだ子供だと感じる部分も大いにあるもの。
それに、犬たちが持っている、いつまでも子犬のような「ポジティブな気持ち」は健康維持のためにも非常に重要だといわれています。実際、世界で最も長生きをしたブルーイも、高齢になってからも若々しく意欲的な性格をしていたようです。

ブルーイの元気のヒミツは、長い現役生活

"仕事"といっても難しいものである必要はありません。飼い主を喜ばせるならどんなことだって、犬にとっては大切な"仕事"です。

ブルーイは牧羊犬として非常に長いキャリアを持っていました。もしかすると、そのことがブルーイの健康維持にも良い影響があったのかもしれません。
先ほどの計算式を使って、ブルーイが牧羊犬として活躍していた年齢を人間に換算してみると……78.9歳となります。

牧羊犬の仕事は、広い牧場を走り回るだけではなく、自分で考え、判断して進めていく必要がある非常に高度な仕事です。
こういった刺激や運動が、ブルーイの肉体や脳にとって良い影響を与えていた可能性は高いと思います。


それから、犬は家族から与えられた「仕事」を達成したり、誰かを喜ばせることをこの上ない喜びとします。
ブルーイは、牧羊犬として活躍し続けることが、家族や仲間たちを喜ばせることだときっとわかっていたのでしょう。このことも、犬のイキイキとした活力や元気の源になるといわれています。

ブルーイの長生きのヒミツは、前向きに「仕事」に取り組む気持ちの中にあった…そう考える研究者たちも多くいます。

おわりに

犬に少しでも元気で長生きしてほしい、というのはすべての飼い主に共通した願いです。それも、できることなら少しでも犬らしい幸せを感じながら長生きしてほしい、というのが本音ですよね。
でも、実際に犬が高齢になると体調を心配してついつい過保護になってしまう…という方も多いのではないでしょうか。私自身も、犬の様子が心配でついつい先回りしてしまうことが多くあります。
だからこそ、高齢になっても自分の仕事を通して、家族に貢献してきたブルーイのハッピーなシニアライフには考えさせられるものがあります。犬の「高齢になっても家族みんなを笑顔にしたい」、という気持ちを叶え続けること…そんなエイジングへのアプローチがあってもいいのかもしれません。実際に長生きにつながるかは分からないけれど、家族が笑顔なら犬は幸せに思ってくれるんじゃないかな、と思ったりします。
皆さまの考える、幸せなシニア犬の暮らしってどんなものでしょうか?

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