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2023.03.23

山芋、長芋の犬への与え方とは?役立つ栄養はあるの?注意点などペット栄養管理士がご紹介

山芋、長芋の犬への与え方とは?役立つ栄養はあるの?注意点などペット栄養管理士がご紹介

今回は、長芋や山芋などを犬に与える時のポイントをご紹介します。
切り方や調理法によって全く異なる食感や味を楽しむことができる山芋、長芋。犬に山芋や長芋を与えてもいいのでしょうか?犬の健康維持に役立つ成分は含まれているのでしょうか?
そして、犬に食べさせるならオススメの与え方や調理法は?など、ペット栄養管理士がオススメレシピもご紹介します。

DOG's TALK

POCHIのペット栄養管理士 岡安

POCHIのペット栄養管理士 岡安

ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。

目次

犬は山芋、長芋を食べられるの?

犬に長芋や山芋を食べさせること自体、健康に対して気にするべき点はありません。
しかし、犬の体質や食べる量によっては体調に影響する可能性がありますので注意も必要です。

 
今回は、山芋を犬に与える量の目安を、1日当たりのエネルギー要求量から考えてみました。

■犬に山芋・長芋を与える際の適量の目安の考え方

※1日エネルギー要求量(DER)→妊娠やダイエット、成長、運動など含めた最も実用的な1日のエネルギー要求量

犬の一般的な1日のエネルギー要求量(カッコ内は避妊・去勢済)

小型犬(5kg)約396kcal(約352kcal)
中型犬(15kg)約936kcal(約832kcal)
大型犬(30kg)約1746kcal(約1552kcal)



■1日に与えてもよい間食の目安量

一般に、1日のエネルギーのうち、オヤツはその1割くらい、トッピングは2割くらいまでといわれていますので、様子見のために1割で計算してみました。

小型犬(5kg)約39kcal(約35kcal)
中型犬(15kg)約90kcal(約80kcal)
大型犬(30kg)約170kcal(約150kcal)



■長芋(生)を間食として与える場合の目安量

小型犬(5kg)35~40g
中型犬(15kg)80~90g
大型犬(30kg)150~190g



■ 豆知識:長芋・山芋は別の種類?

山芋は、厳密には「ヤマノイモ科」の芋類の総称です。
長芋や、やまと芋、自然薯などのヤマノイモ科の芋類は、すべて山芋ということになります。

スーパーなどで「山芋」として販売されているものの中には、いちょう芋やつくね芋と呼ばれる種類のものも、「山芋」として販売していることがあります。
食感や味わいに微妙な違いはあるものの、概ね同じ種類と考えて問題ありません。
山芋の仲間は、旬が2回あることが特徴です。11月初めから12月にはみずみずしい「秋掘り」が、3月から4月にはうまみが濃い「春掘り」が収穫されます。

山芋、長芋に含まれる犬に嬉しい栄養について

■山芋、長芋の基本的な栄養

出展:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

出展:日本食品標準成分表2020年版(八訂)


山芋・長芋(生)/100g

エネルギー:108kcal
タンパク質:4.5g(乾物計算時:15.5%)
脂質:0.5g
炭水化物:22.6g以下
水分:71.1g
灰分:1.3g

■デンプンを分解するアミラーゼ

山芋・長芋の仲間は、生で食べることができる非常に珍しい芋の仲間です。
通常、芋類を加熱することで初めてデンプンを分解することができるようになりますが、山芋や長芋には消化を助けるアミラーゼと呼ばれる酵素が含まれています。アミラーゼは、でんぷんを分解することができる酵素の一種です。
このアミラーゼのおかげで、山芋の仲間はデンプン分解することができ、生のままで食べることができるのです。犬の場合も同様で、生のまま食べても問題ありません。

ただし、食べ慣れないものは量に注意してください。多めに与えてしまうと、消化しきれずに下痢や軟便を起こすこともあります。

 

■カリウム

山芋や長芋に含まれるカリウムは、犬にとって重要な栄養素の1つです。カリウムは、神経や筋肉の正常な機能を維持するのに必要なミネラルです。また、心臓の正常な動作にも必要です。カリウムが不足すると、犬は疲れやすくなったり、筋肉の機能が低下したりすることがあります。

 

■ぬめり成分の正体


山芋・長芋の特長のひとつで独特の食感やとろみを作っているねばねば成分は、マンナン(食物繊維の一種)とタンパク質が結合した糖タンパク質と呼ばれる成分です。
タンパク質でありながら、食物繊維としての機能も果たします。お腹の調子を健康的に維持するために活躍してくれます。

山芋・長芋を与える時に注意したいこと

■シュウ酸には注意が必要

山芋・長いもには、シュウ酸カルシウムが含まれています。
シュウ酸カルシウムは尿路結晶や結石と同じ成分。この成分を摂取することが尿路結石などの直接的な原因になるかは、はっきりしない部分もあるようですが、継続的に与えるのは避けた方が良さそうです。
シュウ酸カルシウム結晶ができやすい犬種は、注意して与えるようにしてくださいね。
 

<シュウ酸カルシウム結晶になりやすい犬種>
・ミニチュア・シュナウザー
・ヨークシャー・テリア
・ビション・フリーゼ
・ポメラニアン
・シーズー
・マルチーズ
・トイ・プードル

■犬は山芋のかゆみを感じる?

生の山芋や長芋を触ると手がかゆくなることがありますが、その原因は山芋にシュウ酸カルシウムが含まれているから。シュウ酸カルシウム結晶は先が尖った針のような形をしているため、肌に触れるとかゆみを生じます。
犬も人間と同じように、山芋が肌に触れるとかゆくなると考えられます。
一番の対策は、生ではなく加熱した状態で与えることです。

長芋、山芋を使った犬の手作り食レシピ

■やわらか食感がお腹に優しい。長芋のホクホク煮

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■犬も食べられる「えびしんじょ」里芋でほっこり体を温めよう

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おわりに

今回は、犬に山芋・長芋を与える際に知っておきたいポイントについてまとめてご紹介いたしました。
基本的に、山芋や長芋には犬に有害な成分は含まれないものの、適量を守って与えることが推奨されています。
また、過去にシュウ酸カルシウム結晶ができたことがある犬や、遺伝的になりやすいとされている犬たちに山芋・長芋を食べさせるのであれば、事前に獣医師に相談しておくと安心です。

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