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2024.05.08

ドイツの街角から~春の訪れと明るい夜~

ドイツの街角から~春の訪れと明るい夜~

*1 pochinski: スペインで保護された犬と暮らす、ドイツ在住の旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。

ドイツでは3月末にサマータイムに切り替わり、明るい時間帯が日々長くなっています。
サマータイムに加えて、日の入りも日々遅くなっているため、4月末の時点では午後9時ころまで明るくなりました。
わが家の新入り犬、タビィとの夜の散歩も暗い道路を歩かずに済み、気分も明るくなります。

太陽の光がさんさんと降り注ぐスペイン生まれのタビィにとっても、春の訪れは嬉しいのかもしれません。
天気が良く、暖かな日中の散歩は、いつもよりも心なしか尻尾が高く揺れ動いているようです。

 

初めてのドッグラン。この日は犬が少なく、タビィもややリラックスしていました。

初めてのドッグラン。この日は犬が少なく、タビィもややリラックスしていました。

春の陽気に誘われ、タビィを初めてドッグランに連れて行きました。
リードから安心して放せるようにと、ケルンでは数少ない、柵で囲まれたドッグランを選んで。
屋外で自由に走るタビィを見たのは、私たちにとって初めてで「楽しそうだなぁ」と思ったのもつかの間、挨拶をしにやってきたゴールデンレトリバーに恐れをなし、タビィは逃げ回ることになってしまいました。

タビィは、スペインの保護施設では多くの犬と生活していたにも関わらず、ほかの犬への警戒心や恐怖心を持っています。
ドイツにやってきた当初と比べると、警戒心や恐怖心は和らいできたものの、私たちがもっと慎重にならなくてはと反省。
それでも、少しずつほかの犬と触れ合える機会を増やしていきたいと考えています。

 

散歩途中で、白鳥の巣で2つほど卵を発見。産み立てだったようです。

散歩途中で、白鳥の巣で2つほど卵を発見。産み立てだったようです。

 

4月上旬は春を通り越して夏になったような天気が数日続き、桜からライラック、藤まで一気に開花し、木々には緑の葉が覆い、散歩道の色彩も豊かになりました。
ところが、4月中盤になって急に冷え込み、季節は再び冬へと逆戻り。地域によっては雪も降ったほどです。

 
ドイツでは例年、5月から6月にかけて冷え込む期間があり、それらを指す言葉もあります。
5月中盤の冷え込みは「氷の聖人」を意味する「アイスハイリゲン(Eisheiligen)」、6月の冷え込みは「羊寒気」などと訳される「シャーフスケルテ(Schafskaelte)」です。
この時期に毛を刈られた羊たちが寒い思いをすることから、シャーフスケルテという名前がついたのだとか。
かわいらしいですね。

菜の花畑の横を散歩。黄色い花が畑一面に咲いています。

菜の花畑の横を散歩。黄色い花が畑一面に咲いています。

 

4月は元々寒いことが当然なのか、4月の冷え込みを指す言葉はありません。
今年の冷え込みは、氷の聖人たちが1カ月早く訪れたのかもしれないと、私は疑っています。
さて、今年はどんな春や夏となるのか、怖くもあり、楽しみでもあります。

ワインのブドウ畑。ぶどうの木は芽吹いていませんでしたが、地面にはたくさんのタンポポが。

ワインのブドウ畑。ぶどうの木は芽吹いていませんでしたが、地面にはたくさんのタンポポが。