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2024.09.26

【要注意!】秋の散歩で犬が誤食しやすい植物は?注意点や対策を解説

【要注意!】秋の散歩で犬が誤食しやすい植物は?注意点や対策を解説

少しずつ気温が下がり、風が心地よくなる秋は、犬にとって散歩しやすい時期でもあります。
夏に我慢していた分、一緒に紅葉狩りやキャンプなどのレジャーに出かける方もいるでしょう。

しかし秋に咲く花や実を付ける植物は、犬が間違って食べてしまうと中毒症状を起こすこともあります。

今回の記事では、秋の散歩で犬が誤食しやすい植物を紹介します。
散歩のルートの確認や対策をおこない、心配りをしていきましょう。

犬の秋の散歩で気を付けたい、要注意な植物7選!

秋は色鮮やかな花や紅葉が魅力的な季節で、涼しい気温にもなり犬と散歩やレジャーに出かける機会も多いでしょう。
植物の中には、犬の身体に悪影響を及ぼす成分が含まれることもあり、万が一食べてしまわないよう、注意する必要があります。
散歩中に回避すべき、とくに気を付けたい植物を紹介します。

 

■ヒガンバナ

赤い花が特徴的なヒガンバナは、公園や墓地の周辺で栽培されていたり、普段の散歩コースでも見られる機会が多い秋の花です。
ヒガンバナはかつてネズミ駆除のために田畑の周りに植えられていたほど、強い毒性を持つ植物で犬が食べてしまった場合も毒性が高い植物です。
「リコリン」や「ガランタミン」などの有毒成分であるアルカロイド含み、誤食すると、30分以内で吐き気や下痢、唾液の過剰分泌、頭痛などの症状が引き起こります。
重篤な場合、呼吸困難や異常な心拍変動、命のかかわることもあるでしょう。

 

■キク

キクは、黄色や白、オレンジなどさまざまな色の大きな花が特徴な植物ですが、犬の散歩時に気を付けたいのは、公園や街路に自生する「野生キク」と呼ばれる比較的小さな花が咲く、キク科の植物です。
地域により種類に違いはあるものの、キク科の植物には「セスキテルペンラクトン」や「ピレトリン」などの有毒物質が含まれることがあります。
嘔吐や下痢、運動失調、食欲不振など症状を引き起こす可能性があるため注意しましょう。

 

■アヤメ

アヤメは、紫色の花が特徴的な植物で、低山や高原などに自生しています。毒性は弱いものの、球根に有毒な成分が含まれるため、庭に植えていたりするものを掘り返して犬が食べてしまうと吐き気や嘔吐、下痢、脱水状態を引き起こす可能性があります。
アヤメに似たカキツバタやハナショウブなどの植物も、同様な有毒成分を持つため、注意しましょう。

 

■銀杏

イチョウの木になる銀杏は、犬が食べると中毒を引き起こす可能性があります。
銀杏は、少量であれば犬が食べても問題はありませんが、一度に大量に食べてしまうとビタミンB6の働きを阻害する成分により、神経伝達物質の合成が抑制されます。
消化不良、嘔吐、下痢などの胃腸の症状が現れ、重篤の場合、呼吸困難や意識の混濁が見られることが多いでしょう。
イチョウの落ち葉と一緒に銀杏も落ちているため、銀杏に興味を持ちやすいタイプの子はイチョウ並木の散歩コースは避けた方が安全です。

 

■どんぐり

どんぐりは、ブナ科の樹木に実る果実の総称で、コラナ、ラナ、シラカシなどが代表的です。公園や街路樹として植えられ、犬の散歩コースでもどんぐりが落ちていることも多いでしょう。
少量であれば食べても問題ないものの、どんぐりにはタンニンが含まれており、大量に食べてしまうと消化不良、嘔吐、下痢など消化管に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、どんぐりの実の中に、虫が入っている可能性もあるため、食べてしまわないよう注意してください。

 

■イガグリ

栗の木の周りに、イガが付いたままの実が落ちていることが多いですが、安易に近づくとイガにより怪我をする恐れがあるため、避けて通った方がよいでしょう。
栗は食べても問題ありませんが、イガが肉球や指の間に刺さりやすく、怪我のリスクがあります。
とくに、茶褐色のイガグリは、イガが抜けやすく、誤って踏んだ際に刺さる可能性が高いです。イガグリの内部に、毛虫が生息している場合もあるため、注意してください。

 

■イチジク

イチジクは犬が食べたら危険な果物の一つです。
公園や家庭の庭に植えられることも多く、手の平の形に似た大きな葉が特徴で、秋に実をつけます。
イチジクには、光毒性物質の「ソラレン」やタンパク質分解酵素の「フィシン」が含まれます。ソラレンは、紫外線を集める性質を持ち、樹液に触れると皮膚炎を引き起こす可能性があります。
また、フィシンは、口腔内や食道に炎症をもたらし、大量のよだれが分泌されます。人では、消化を助ける役割があるものの、犬には刺激が強く適していません。
甘い匂いがあるため、興味を持つ犬も多いですが、樹液にも触れないよう遠ざけましょう。

 

■キノコ類

湿気の多い木や土に自生する野生キノコは、食べられるキノコであれば問題ないものの、毒を持つキノコが生息している可能性もあります。
触れるだけでも危険なキノコもあるため、キノコを見つけたら近づかないようにしましょう。
キノコの種類や毒の特性によりますが、下痢や嘔吐、腹痛、麻痺、肝機能障害、腎機能障害などの症状を引き起こす場合があるようです。

犬の秋の散歩で誤食しない、させないために

危険な植物を回避し、誤食を防ぐために、散歩ルートの確認や犬から目を離さないことを徹底しましょう。

 

■散歩ルートの確認

普段の散歩ルートはもちろん、紅葉狩りやキャンプなどレジャーに連れていく際はとくに注意して、散歩ルートを確認しましょう。
街路樹や公園に多く生息している木や植物の代表例は、イチョウやどんぐり、ヒガンバナ です。イチョウやどんぐりの木の下には、実が落ちている可能性が高いので、犬が誤食しやすいです。
拾い食いのくせがついてしまっている子は、危険な植物が生息する場所では特に注意深く見守ることが大切です。犬が植物に興味を持たないよう、においを嗅いでいるだけと思わず、遠ざけるようにしましょう。

 

■「待て」「離せ」の指示

誤食しないために、犬とのコミュニケーションを取ることも重要です。万が一、食べそうになったらストップをかける指示が分かるよう、普段から訓練するとよいでしょう。
危険な植物を口に入れてしまった場合は、慌てて取り上げようとすると、急いで飲み込む可能性もあるため、できる限り冷静に声掛けをおこないます。
ほかの興味を引けるよう、好みのおやつや、音の鳴るおもちゃを持参して散歩するのもおすすめです。
とくにリードを外し、多くの犬と遊んでいるドッグランでは、飼い主の指示が聞こえにくくなるため、犬から目を離さないようにしましょう。

 

【意外?】植物以外で気を付けたい秋の散歩の注意点

植物の誤食以外にも、犬の秋の散歩で気を付けたいことは、花粉アレルギーや虫の被害です。
春から夏にかけて注意しているマダニや蚊のリスクも引き続き警戒する必要があります。

 

■秋の花粉アレルギー

秋は、植物の花粉が飛びやすい時期であり、草むらが多い場所を散歩すると花粉アレルギーの影響を受ける可能性があります。
秋の花粉は、春の花粉アレルギーに多いスギやヒノキなどの木ではなく、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラが代表的で、花粉の飛距離が短いことが特徴です 。
8~10月に花粉を飛ばし、とくに、ブタクサは午前に多いといわれており、花粉が飛ぶ時間帯を避けた散歩もおすすめです。
アレルギーは、検査をおこなう必要があり、原因が断定しにくいものの、くしゃみ、涙が多くなる、皮膚に炎症、かゆみなど春の花粉と似た、体調不良につながる症状があるでしょう。
秋の花粉アレルギーは、草むらを避けて散歩する、散歩後はタオルで手足を綺麗に拭きとる、こまめにシャンプーするなどで対策してください。症状がひどい場合は、動物病院で適切な処置や薬の服用が必要なこともあります。

 

■落ち葉の下のムカデや毛虫

落ち葉の上を歩く感触が楽しく、夢中に遊ぶ犬も多いですが、落ち葉の下には、ムカデや毛虫が生息している可能性が高く注意が必要です。
ムカデに噛まれた場合は、強い痛みや激しい痛みを伴います。重篤の場合は、嘔吐や発熱などのアナフィラキシー反応が起こる可能性も高く、2回目以降はとくに重篤化しやすいといわれます。
また、毛虫は毛に毒性物質を持っている可能性が高く、肉球で踏む、においを嗅いだときに鼻に触れるなどで、かゆみや赤みなどの炎症を起こします。
ムカデや毛虫に噛まれた場合は、必ず動物病院で適切な対処をおこないましょう。
春から対策するマダニや蚊も引き続き生息しているため、予防薬の投与も忘れないようにしてください。

まとめ

涼しくなり長時間の散歩もしやすい秋ですが、樹木が実をつけ、さまざまな花が咲く季節でもあります。
犬が誤食すると、毒性があり、身体に悪影響を及ぼすリスクも高いため、普段から拾い食いをしないよう訓練しましょう。また、ムカデや毛虫など、注意すべき虫も多く生息しています。
危険度が高い散歩コースを見極め、安心できる散歩を楽しみましょう。