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2024.11.25
犬の代謝をアップさせる食事の与え方は?基礎代謝と体重管理
犬を太らせたくない、と考えている飼い主さんは少なくないと思います。人間と同じように、犬にとっても肥満はさまざまな病気やトラブルのリスクとなります。
でも、実際に犬が太ってしまった後で体重を減らすのに苦労したり、食事管理に苦戦する方も多いのが現実。
近年は犬の平均寿命も延び、シニア期になってからの時間も犬たちの健康寿命を延ばしていくことが重要になってきています。そのためにも、犬たちの体重管理をしっかりと行っていきたいですね。
今回は、健康寿命を延ばしていくために、「基礎代謝」に着目しながら日ごろの食事からできる「体重管理」についてご紹介いたします。
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POCHI編集部
犬との暮らしをちょっと素敵に、快適に。日々、そんな情報集めに余念がない編集チームです。
犬の肥満は増加傾向。リスクを知ろう
皆さまは日本で暮らしている犬のうち、どれくらいの割合で肥満状態の犬がいると思いますか?
2018年に実施された動物病院を対象にした調査では、来院する犬のうち50%以上の犬が肥満状態であるという回答をした病院がなんと約12%にものぼっています。また、同じく2018年にアメリカの獣医さんを対象に行われた調査では、犬の36.9%が体重が過剰であるともされています。
この犬の肥満の割合は世界的に見ても年々増加傾向にあり、世界的な犬の健康維持における大きな課題となっています。
犬が肥満になる確率は避妊・去勢手術を行うことでも上がりやすくなります。避妊・去勢によって代謝が低下するためと考えられています。体脂肪の上昇率も、避妊・去勢を行っている犬の方が大きく上がる傾向にあるので、注意が必要です。
■ 肥満が原因となる病気、トラブル
現時点で肥満が発症に深く関係しているというデータが存在する病気を一部ご紹介いたします。
・呼吸器疾患(気管虚脱など)
・代謝性の疾患(膵炎、脂質異常症)
・皮膚疾患(膿皮症、マラセチア性外耳炎)
・泌尿器疾患(尿石症)
・運動器疾患(椎間板疾患、関節炎、十字じん帯断裂など)
・腫瘍(乳腺腫瘍)
■犬の平均寿命と肥満の関係
また、海外の10年以上をかけた調査により、体重管理・適切な食事管理を行った場合とそうではない場合では、どれくらい寿命に影響が出るのかを調べた結果によると、肥満状態にある犬と適切な体重管理を受けた犬では、寿命そのものに違いが出ることも分かっています。
具体的には、犬が食べたがるだけ食べさせたグループでは、11歳~12歳だった寿命が、生涯を通して適切な体重管理を受けた犬では13~14歳になっています。
厳しすぎる食事制限をする必要はありませんが、適切な方法で継続的に食事管理を行うことが大切です。
犬の体重を減らすのは大変!
■フードの量を見直してみよう
意外と多いのが、フードの量が多すぎるというパターンです。多くのドッグフードのパッケージには給与量の目安が載っていますが、それが必ずしも「うちの子」にぴったりとは限らないのです。
まず、体重ごとに給与量の目安が記載されているドッグフードであれば、ぽっちゃり体形の現在の体重を基準にしてフードの量を決めるのではなく、理想体重に合わせた量のフードを与えるようにしてください。
そして、もう一つのポイントは、ぽっちゃり体形の犬は運動不足になっていることが多く、健康的な犬と比較しても基礎代謝、消費エネルギーが小さくなっているケースが多いです。
運動不足のため、健康的な犬よりも消費エネルギーが少なくなっていると考えると、給与量の目安よりもドッグフードの量を少なめに見積もる必要があります。
犬の代謝エネルギー計算をする時にも、健康的な体形の犬と肥満体形の犬では、基礎代謝に差があるものと考えて計算を行います。
ドッグフードの給与量の目安は、「理想体重を基準に」というポイントを押さえて調整を行ってみてくださいね。
■オヤツの量は多すぎませんか?
次に注意したいのが、オヤツの量です。犬の可愛いおねだり攻撃や、おりこうにできた時のご褒美としてついつい与えすぎてしまっている方は多いです。
一般的に犬のオヤツは主食の給与量の10~20%を目安に与えるように、と書いてあることが多いと思います。
この書き方には注意が必要で、例えば主食となるドッグフードを100g食べている犬の場合、10%~20%となると、オヤツを大体10g~20g与えても良いと考えてしまっていないでしょうか。
脂質や炭水化物を多く含むカロリー密度が高いオヤツ、具体的には犬用ビスケットやジャーキーなど、少量でも高カロリーになってしまうものもあります。
ですから、gだけを基準として与えるのではなく、どれくらいのカロリーなのかで選び、与える量を調整する必要があります。栄養バランスからいうと、フードのカロリーの10%~20%の範囲内に収めることができれば理想的ですが、ダイエットを行って行くうえでは1日あたりの摂取カロリーがオヤツによって増えないようにすることが一番大切。
しっかりと体重管理を行うのであれば、与えたオヤツの分、食事を減らす。要求鳴きが止まらないケースや、イタズラに走ってしまい困っているという場合に、なるべくカロリーを抑えたものをオヤツとして与えるのも、ストレスのコントロールの観点からは必要なこともあります。
体重管理が必要な犬に与えるオヤツとしては、ダイエット用フードを数粒与える(1日ぶんの食事量からオヤツを与えた分だけ減らす)ほか、スープタイプのオヤツなら水分の比率が非常に高く、カロリーも控えめになっています。
■運動量は確保できていますか?
肥満体形の犬は運動不足になっていることが多く、肥満になると息が上がってしまったり、関節の痛みなどからさらに運動を嫌がる傾向にあるので、運動不足がどんどん積み重なって体重を増やす一因になっています。
運動不足の基準というのは難しいのですが、少なくとも犬が肥満体形になっているのであれば運動量が不足しているので、少しでも運動量を増やす工夫を行っていきましょう。
散歩を少し遠回りなルートにしたり、室内での遊びの時間を増やすなどするのも効果的です。
ダイエットのために運動量を急に増やしてしまうと犬の体の負担になりますので、少しずつ運動量を増やすようにしていきましょう。
犬が散歩や遊びを楽しいと感じてくれれば、無理なく運動量を増やすことに繋がっていきますので、犬がワクワクするようなひと工夫を取り入れてみてください。たとえば、犬がお気に入りのオモチャを散歩バッグに入れていき、公園で犬がお気に入りの遊びをしてみるのもいいですね。
太りにくい体づくりのための「基礎代謝」の知識
基礎代謝とは覚醒状態で、生命活動を維持するために必要最低限なエネルギーです。犬では、一日に必要なエネルギー量をDER(Daily Energy Requirement)、活動量がほとんどない状態を「安静時必要エネルギー量」(RER:Resting Energy Requirement)と呼ぶことが多いです。
犬も人間も共通して、基礎代謝は筋肉量が多くなればなるほど高くなる傾向にあります。同じ食事内容、食事量を食べさせた場合基礎代謝が高い犬の方が太りにくくなるのです。運動をして筋肉量を増やしたり、適切な食生活を実践したりすることで、基礎代謝を上げることが可能です。
基礎代謝は数日運動したからといって簡単に上がりません。長い期間に渡って、適度な運動や身体によい食生活を続けることが必要です。
■なぜ基礎代謝が低下していくの?
基礎代謝は加齢とともに低下していきます。その大きな原因は、加齢や運動不足による筋肉量の減少です。このことが高齢になった犬ほど増えた体重を減らすのに苦労することになる原因の一つになっています。
筋肉量が減少し基礎代謝が低下すると太りやすくなりますが、過去に犬の体脂肪率について行われた調査では、若い犬だけで計測するとの平均値は26.5%でしたが、4~5歳ころから平均値が30%に近付いている結果が出ました。大型犬ではアダルト世代から、小型~中型犬ではまだまだ元気な中年期からすでに体脂肪率が上がりやすくなっていると考えられています。
犬の加齢は筋肉量を低下させ、そのことが基礎代謝の低下につながり、結果的に低脂肪率が上がっているのです。
■無理なダイエットによる筋肉量の減少
過剰な食事制限を行うような無理なダイエットをすると、体がカロリー不足となりそのカロリーを補うために筋肉が分解されやすくなってしまいます。食事制限で一時的に体重が落ちたとしても、筋肉が分解されて基礎代謝が落ちるため、痩せにくく太りやすい体になってしまいます。
犬の基礎代謝に関係するアミノ酸を取り入れよう
分岐鎖アミノ酸(BCAA)とは、「分岐鎖アミノ酸(BCAA=Branched Chain Amino Acid)とは、骨格が一部分岐した分子構造をもつアミノ酸のことで、バリン、ロイシン、イソロイシンの3つのアミノ酸がそれにあたります。これらのアミノ酸は体内で作り出すことができない必須アミノ酸であるため、食べ物から摂取することが必要です。
分岐鎖アミノ酸は、筋肉中のタンパク質に含まれる必須アミノ酸のうち約40%を占めており、運動時に重要な役割を果たすアミノ酸です。
BCAAを摂取すると運動後の筋肉の分解が抑えられ、筋肉のタンパク質を作る量を増やすことが知られています。また、運動による筋肉痛や、筋肉のダメージを軽減することも分かっています。
毎日の食事には低カロリー・低脂質設計のフードを。
POCHI ザ・ドッグフード ベーシックシリーズ/1,980円(税込)~
POCHI ザ・ドッグフードは他のドッグフードとは違い、封を開けると一般のフードとは違うちょっと香ばしいハーブのような匂いが漂います。
ドッグフードの独特のアノ匂いをおいしい香りに変えるため、 西洋料理のようにその肉に合うよう素材を活かすハーブをチョイスしています。
丁寧に作っているので、たっぷりのコクまで封じ込んだフードに仕上がりました。
味の種類は「ワイルドサーモン」、「3種のポルトリー」、「ラム」の3種類。好きな味から、3種ローテーションで味の変化も楽しめます。
おわりに
今回は犬の体重管理と基礎代謝についてご紹介しました。人間のダイエットに関する話題でもよく聞く「基礎代謝」に関する話題ですが、犬でも人間同様に代謝をアップさせることで太りにくい体づくりをしていくことにつながります。とはいえ、犬の代謝を上げていくというのは一筋縄ではいかないもの。食事、運動量、栄養面でのサポート…さまざまな形で補助していくことが大切です。
また、体重管理用のものにドッグフードを変更したからといってすぐに体重が減ったりすることもありません。日頃の生活から犬たちの体重が大きく増えないような生活習慣を心がけ、継続的に対策していくことが最も効果的といえます。