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2020.04.20

肉と魚では、魚の方が塩分が多い?ドッグフードの塩分量~ペット栄養管理士のアドバイス #24~

肉と魚では、魚の方が塩分が多い?ドッグフードの塩分量~ペット栄養管理士のアドバイス  #24~

犬たちの毎日の暮らしを少しベターにするTipsを、POCHIのコンサル担当のスタッフたちがお届けします。

*1 ご相談内容は一例であり、犬たちの生活習慣や体格、体質などによって差があります。

~肉と魚では、魚の方が塩分が高いの?~

<とあるご相談内容>
我が家の犬は魚が大好きで、魚を使ったドッグフードやオヤツをよく食べています。
でも、肉と魚では、魚の方が海に暮らしているぶん、塩分濃度が高いということはないのでしょうか?塩分が多すぎてしまわないか心配です。

DOG's TALK

POCHI スタッフ OKAPY

犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。

海水魚であっても、塩分濃度は肉と比較して特別高いという訳ではありません
海水魚は海水から入ってくる過剰な塩分はエラや尿から排出する能力を持っていて、その機能で体内の塩分濃度を一定に保つことができるのだそうです。一般に生物の体の細胞の塩分濃度は0.9%だとされ、この濃度を上回ったり下回ったりすると、細胞が脱水状態になってしまい死んでしまいます。

例えば、同じサケの仲間である、海水に暮らすサーモンと淡水に暮らすトラウトマスで比べてみても、生の状態であれば、塩分量は0.1~0.2g/100gの範囲に収まり、肉の代表としてビーフを見てみると、同じように赤身やリブロース、サーロインなど部位に関係なく0.1~0.2%前後の範囲に収まります。

すべての生物の細胞が耐えられる塩分濃度は共通していて、魚でも肉でも同じくらいの塩分量になっているようなので、食材単位での塩分濃度の差はあまり考える必要はないと思います。

また、あまり知られていないことなのですが、ドッグフードの栄養基準としてメジャーなAAFCO基準では、健康な犬の塩分の摂取量の目安として最低基準は決まっているのですが、上限は設定されていません。
「それなら、犬には塩分をいくら与えてもいいのか?」というと、決してそんなことはありません。腎臓病や心臓病のリスクがある犬には当然高ナトリウムは控えたほうが良いですし、シニア犬は塩分控えめの食事を心がけたほうが安心です。

DOG's TALK

洗い流さない、海水魚まるのままだと、海水が表面に残っていて塩分濃度が上がる可能性は残りますので、その点はご注意くださいね。