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2021.12.16

【#大きな犬と】都内マンションで超大型犬とゆったりライフ。物件選びと快適生活の秘訣は?

【#大きな犬と】都内マンションで超大型犬とゆったりライフ。物件選びと快適生活の秘訣は?

同じ犬でも小型犬と大型犬では、育て方や食事など気をつけたいポイントがちょっと違います。でも世の中にある知りたい情報は小型犬向けが多いのが少々残念…。そんな飼い主さんのために、大きな犬にフォーカスした、遊びや食事や健康といった暮らしの情報を集めて紹介します。(POCHI編集チーム・大きい犬班)


今回のお役立ち情報「住環境」

複数のマンションで大型犬との生活経験のある飼い主さんに、物件探しのコツから大きな犬とのマンション生活の工夫点まで、たっぷりうかがいました。

複数の大型犬OKマンションで快適生活

東京都23区内在住のパリボンママさんは、グレート・ピレニーズ2頭と快適な賃貸マンション生活を送っています。
「大きな犬を迎えるには、一軒家でないとむずかしいと思っている方も多いようですが、そんなことはありません」
そう言いながら、同胎の兄弟である3歳のパリンちゃんとリボンちゃんを交互に撫でる、パリボンママさん。先代のグレート・ピレニーズ2頭、グレート・デン2頭、ゴールデン・レトリーバー2頭、先々代のグレート・ピレニーズ1頭とも、都内中心部の別のマンションでともに暮らしてきました。

パリンくんとリボンくんは仲良しの兄弟ですが、「ちゃん」付けで呼ばれています

パリンくんとリボンくんは仲良しの兄弟ですが、「ちゃん」付けで呼ばれています

パリボンママさんが一軒家よりもマンションライフを好む理由は、オートロックなどセキュリティがしっかりしていることと、24時間ゴミ出しができること、鉄筋で造りが頑丈であること、階段を使わない生活ができることが大きいそうです。
「不動産屋さんに、少し広めに設定した希望エリア、間取りと広さ、駐車場付きという条件を伝え、大型犬が飼育可能な賃貸マンションを探してもらうと、いつも10軒はピックアップされてきます。これまで、都内と横浜で70部屋ほど見学しました」とのこと。
現在の住居エリアの決め手は、周辺の道路が狭くなく歩道もあり、大きな公園やドッグランに近かった点だと言います。
「マンションの決め手は、広いベランダと、少ない世帯数ですね。世帯数が多いと、犬が苦手な方や犬アレルギーがある方がお住まいの確率も高くなるかと思いますので」と、パリボンママさん。

「パリンちゃん、リボンちゃん、今日もドッグラン寄っていく?」

「パリンちゃん、リボンちゃん、今日もドッグラン寄っていく?」

「このマンションは、共用廊下との間にポーチと門扉もあるので、急な飛び出しなどのアクシデントに対する不安もかかえずにすむと思いました。
こちらに住んで5年以上になりますが、階段も段差もないこの1階の住戸は、先代のデンやピレの晩年、思ったとおりシニアドッグにやさしくて過ごしやすかったですね。
小型犬ならば飼い主さんが簡単に抱っこできますが、そうもいかない大きな犬とマンションで生活するならば、1階のバリアフリー住戸がおすすめです」(パリボンママさん)
または、大型犬も乗りやすい大きなエレベーターがあるマンションでも、良いでしょう。

大きな犬とのマンション生活を成功させる秘訣

世界各地の犬事情を取材してきた筆者は、フランスで驚いたことがあります。そのひとつが、多くのパリジャンたちがラブラドール・レトリーバーからグレート・デンまで、さまざまな種類の大きな犬とアパルトマン暮らしをしていること。フランスには、サイズも含めて犬と猫の飼育禁止を規約に入れているアパルトマン(マンション)は、ほぼないそうです。

大きな犬がいるパリ中心部の風景(©Kyone Usui)

大きな犬がいるパリ中心部の風景(©Kyone Usui)

フランスほどまでは将来ならないとしても、日本でも最近、ペット可物件のなかにも大型犬OKの賃貸や分譲マンションが増えてきました。
物件紹介サイト内に「大型犬可」という検索項目が設けられていたり、大型犬OKマンションを専門に探せるサイトもあるほどです。
今後、大きな犬と暮らす方々も、マンションライフを送る選択肢が広がっていくに違いありません。

そこで、大きな犬とのマンション生活を成功させるコツを、複数のマンションで大きな犬と暮らした経験があるパリボンママさんに聞いてみました。
「以前、90kg以上の体重があるグレート・デンと住んでいたマンションでは、近隣住戸から『地響きのような音がしてうるさい』とクレームが出てしまいました。夫よりも重いですからね(笑)。そこで、タイルカーペットを購入して、デンが歩くところはすべて敷き詰めました」

リビングなどがペット用クッションフロアになっています

リビングなどがペット用クッションフロアになっています

■ パリボンママさんから聞いたマンション生活の工夫ポイントは、以下のとおりです。

・大きな犬の行動範囲はカーペットを敷く。あるいは、ペット用クッションフロアがある部屋を選ぶか、クッションフロアにリノベーションする。

・大きな犬は声量があるので、吠え声が響きにくい部屋を選ぶ。
 また、可能な限り、カーペットや防音グッズで吠え声が迷惑にならないように気をつける。

・さまざまなものに慣らす子犬期の社会化や、合図で吠えやませるトレーニングなどを徹底しておく。

・小型犬と違って大きな犬は抱っこ移動ができないので、マンション共有スペースで排尿や排便をしないようにしつけておく。

・長毛の大型犬は換毛期に多量の抜け毛が出る。散歩前などにブラッシングをして、マンションの共有スペースに
 抜け毛をなるべく落とさないように配慮する。

上記のポイントをおさえれば、きっと大きな犬とのマンション生活は快適になるでしょう。

広いリビングで思い思いにくつろぐピレネー犬兄弟

広いリビングで思い思いにくつろぐピレネー犬兄弟

ピレ2頭とのマンションライフとは?

パリボンママさんは、パリンちゃんとリボンちゃんが中心の生活を送っていると言っても過言ではありません。
広いリビングには、ソファーベッドとソファが並んで置かれています。
「ピレ2頭と一緒に座るには、普通のソファだけでは足りません。そうそう、2頭に引っかかれたりして、このソファは実はもう3台目なんですよ。大きな犬たちが成長して落ち着くまでは、高級ソファは買えませんね(笑)」

同じマンションにも犬友がいて、パリボンママさん宅で犬同士を遊ばせることもあるとか。
「うちのピレたちは、小型犬ともじょうずに遊んでいます。ステキな犬仲間ができた点でも、このマンションは気に入っています」と、パリボンママさんはほほ笑みます。
ピレニーズ仲間が集まる機会も少なくないので、複数の大きな犬が遊べるように、リビングには必要最低限の家具しか置かないそうです。

「へそ天で寝るのも大好きだよ」

「へそ天で寝るのも大好きだよ」

マンション内にはセルフサービスのトリミングルームもあり、大型犬でも利用できるサイズのバスタブもありますが、パリボンママさんは使用していません。
「私は、自宅シャンプー派ですね。浴室でシャンプーしてからドライイングで仕上げるまで、1頭につき4時間かかります。3週間に1回、朝から夕方までの1日コースですよ。超大型犬ですから洗う面積も広くて乾かす毛量も多く、正直ちょっと大変です(笑)」

もちろん、毎日のブラッシングも欠かせません。
「少しでももつれ毛を見つけたら、すぐに部分的にささっとブラッシングしています。1回は数十秒ですけど、1日には……数えきれないほどブラシを握ってますね(笑)」
そう言いながら、キッチンカウンターに置かれたスリッカーブラシにパリボンママさんは手を伸ばしていました。
「すぐブラッシングできるように、家じゅうあらゆるところにブラシが置いてあるんですよ」とのこと。

季節の移ろいを感じながら、広々した公園をのんびりお散歩

季節の移ろいを感じながら、広々した公園をのんびりお散歩

近所の公園をゆったりとめぐるお散歩タイムは、パリボンママさんの毎日の楽しみであり心地よいひとときだそうです。
すっかりグレート・ピレニーズに魅せられてしまったと語る、パリボンママさん。
「かつて一緒に暮らしたゴールデン・レトリーバーやグレート・デンと比べると、とにかくピレはワガママで、言うことをききません。名前を呼んだらすぐ駆け付けてくれるゴールデンとは反対に、ピレたちは呼んだら遠くへ行ってしまいますから(笑)。そんな、意思が強くて頑固なところが、私にとっては魅力なんですよね」

パリボンママさんと大きな犬との笑顔あふれる快適なマンションライフに心惹かれた読者のみなさんにも、きっと理想のマンションが探せるに違いありません。

ライター:臼井 京音



 

 

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