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2022.07.11
犬にサメ肉ってどう?ドッグフードやオヤツの原材料としてのポイントチェック
ドッグフードに使用される原材料の中には、私たちにとってはなじみ深い食材だけではなく、食卓にはあまり登場しない食材もあります。あまりなじみのない食材であっても、調べてみると意外と役立つ成分を含んでいることもありますし、予想外に嗜好性が高いものもあります。ドッグフードや犬のオヤツの原材料を細かくチェックしていけば、きっと食材や産地への知識が広がっていくはず!
今回は、ポチで取り扱っている「バックトゥベーシックス ムーラムーラトリーツ DOG シャーク」を起点に、犬用のオヤツやドッグフードで見かける「サメ」「シャーク」について調べてみました。
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この記事を書いた人:POCHIのペット栄養管理士 岡安
ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。
食材としてのサメについて
食材としての「サメ」は、スーパーの鮮魚売り場などでまれに見かける、という方もいらっしゃると思います。地域に差はあると思いますが、日本では古代から食べられてきた食材です。古いものでは、紀元4世紀の日本の文書にサメを食べているという記述がみられるほど、歴史が古いそうです。古代、サメは「ワニ」と呼ばれていて、因幡の白兎の神話でウサギが背中の上を渡って歩こうとしたのは、「サメ」であるといわれています。(ややこしいですが)
日本では約40種類のサメが食用として用いられていて、そのほとんどが、カマボコやはんぺんなどの練り物に加工されているそうです。原形をとどめていないから、なかなか気付きにくいのてですが、私たちは日常的にサメ肉を食べているのかもしれません。
身の部分以外にも、コラーゲンが豊富なフカヒレ、チョウザメという種類のサメの卵を塩漬けにしたキャビアもよく知られていますね。
また、サメの肝油も昔から健康に役立つ食材として活用されてきました。
肝油はサメの肝臓に含まれる油のことで、肝油があることでサメは浮力を得ることができ、速く泳ぐことができるそうです。
サメの肝油にはスクアレン(スクワラン)と呼ばれる成分が豊富に含まれ、これは皮膚の保護に非常に役立つ成分と言われています。そのため、皮膚や被毛のケアが必要な時にはぜひ取り入れたい栄養になります。また、最近ではスクアレンには抗酸化作用や、ワクチンの成分を体内で輸送する役割にも注目されるようになり、研究が進められています。
ドッグフード、犬のオヤツの原材料としてのサメの特長
さて、サメ肉を犬に与えることを考えると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
■サメの栄養評価について
(ヨシキリザメ100gあたりの栄養価)
カロリー:79kcal
タンパク質:18.9g
脂質:0.6g
炭水化物:1g以下
灰分:1.3g
まず、注目したいのはサメの肉は低脂質で低カロリーであることです。
同じ魚で人気のあるサーモンの100gあたりのカロリーは124kcalですから、約2/3となっています。また、脂質に関しては、水分を除いた乾物計算で考えると、サーモン100gあたり約14gに対してサメの脂質は2.8gで、なんと1/5です。これは低脂肪の食材として人気の鶏のささみと比較しても非常に低くなっています(ささみの脂質は乾物計算上では4.1g/100g)。一方でサメのタンパク質は乾物計算上では100gあたり約90gとなり、サーモン(約80g)と比較すると多く、ささみ(約91.7g)と比較すると少し低めになっています。
注目の成分としては、動物性ビタミンAであるレチノールが含まれています。レチノールは、美容成分としても人気が高く、化粧品や美容食品にもよく使われています。細胞を育てる際に必須となる栄養素ですので、細胞の入れ替わりが激しい皮膚や粘膜の健康維持のほか、瞳の健康維持に役立ちます。
レチノールは油脂に溶けるビタミンですので、適度な脂質と一緒に摂取することが推奨されています。
サメ肉自体の脂質の量は多くはないので、EPAやDHAといったオメガ3脂肪酸を豊富に含むサーモンオイルなどと一緒に摂取するのがオススメです。
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POCHIのペット栄養管理士 岡安
サメって白身魚だと思いますか?それとも赤身魚でしょうか?じつは、サメは生息地や種類によって赤身と白身に分かれます。近海や沿岸部に暮らすサメは白身ですが、沖合で暮らすサメは赤身魚に含まれるのだそうです。サメの種類によって肉質も大きく変わるというのは少し不思議ですね。
ポチで販売中!サメのオヤツ
バックトゥベーシックス ムーラムーラトリーツ DOG シャーク 35g
●原材料
シャーク(生 94.9%) ケール ケルプ(海草)
●保証分析値
タンパク質 74%以上 脂質 0.3%以上 粗繊維 3.5%以下 灰分 6.3%以下 水分 8%以下
○代謝カロリー 315kcal/100g
●原産国:オーストラリア
ムーラムーラシリーズは、オーストラリア産の食材だけを使ったフリーズドライの犬用おやつです。
オーストラリアでは、フィッシュアンドチップスなどでサメがよく使われているそうです。
低カロリーで低脂肪のサメですが、それに加えて骨ごとミンチにすることで、軟骨成分であるコンドロイチンやコラーゲンも一緒に摂取できるようになっています。
さらに、このアイテムでは抗酸化成分であるビタミンE、細胞の健康的な成長に必要な葉酸、瞳の健康維持に役立つルテインなどを含むケールを組み合わせ、フリーズドライ加工しています。フリーズドライ加工なので、役立つ成分はそのままに、持ち運びに便利な軽量オヤツに仕上がりました。
サクッとほろほろ崩れるやわらかな食感なので、パピーからシニア犬までみんなが楽しめるオヤツです。持ち運んでお出かけのお供としてもオススメです。
こんな犬に「サメ」がオススメです
〇体重管理が必要なシニア犬に
〇関節の状態が気になる大型犬
〇皮膚や被毛の健康維持を意識したい犬
〇食物アレルギーが気になる犬
低カロリーで低脂肪なサメは、体重管理が必要な犬にぴったりの食材となります。また、サメの骨はすべてが軟骨成分で作られていますので、骨ごと利用したオヤツやフードであれば関節のサポートもできます。
また、サメの肉に含まれるレチノールは皮膚・被毛の保護に役立つ成分ですので、敏感肌の犬やアレルギーなどが気になる時にもオススメです。
おわりに
今回は食材としてのサメをドッグフードや犬用オヤツという切り口でチェックしてみました。
海のギャングと呼ばれたりして、ちょっと怖いイメージがあるサメですが、カマボコなどの練り物を通して私たちの食卓にも上ることがある食材です。加工法によってはニオイがきついことがありますが、栄養面では犬の健康維持に役立つ成分が豊富で、調べれば調べるほど「良いかも!」な一面が見えてきますね。犬の体調のお悩み(体重管理や皮膚、関節など)が気になる時には、今までとちょっと考え方を変えて、あえてサメを積極的に選んでみてはいかがでしょうか。
*1 筆者について詳しく