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2022.10.31
ドッグフードの"ダイエット"の意味、正しく理解していますか?
犬が肥満気味になっていたり、体重が増えてしまった時にドッグフードを変えて体重管理をしたい、と考えるのは自然な流れだと思います。そんな時、どんな基準でドッグフードを探していますか?
ドッグフードの中には商品名に"ダイエット"と書いてあるものがあります。そんな商品を犬の「ダイエット用ドッグフード」だと思い込んでいませんか?
実は、ドッグフードの商品名にダイエットと記載されているものの中には、犬の体重管理に適していないフードも含まれています。
今回は、誤解しがちな、ドッグフードの商品名の"ダイエット"の意味と犬の体重を減らしたい時にチェックしたい、ドッグフードの選び方、そして犬がダイエットをするためのオススメドッグフードについてご紹介いたします。
ドッグフードに書いてある、ダイエットの意味とは
現在私たちが当たり前に使う「ダイエット」という言葉は、「体重を減らす」というニュアンスで使われていることがほとんどだと思います。
ですが、もともとこの言葉は英語で"Diet"=日常的な食事、食生活、食習慣という意味や、食事そのものを指す言葉で、また、栄養バランスが偏ったジャンクフード的な食事へのアンチテーゼとしての意味も込められていたという意見も見られます。
この"〇〇ダイエット"が使われる以前は、"〇〇ミール"という名称のフードも多くあったのだそうです。
Dietという言葉自体には、「体重を減らす」という意味は基本的に含まれません。
ここに大きな認識のズレがあります。
ドッグフードメーカーは、海外にルーツを持つブランドが多くありますが、そういった海外ブランドではDietを本来の意味=食事、食生活、食習慣という意味で使用しているケースがほとんどです。
ですから、商品名が〇〇ダイエットとか、ダイエット〇〇となっていたとしても、日本人がイメージする体重を減らす、というよりは「健康的な食事」というイメージで作られた栄養バランスだったり、原材料だったりすることが多いのです。
これらのドッグフードは犬の体重を減らすことを目的としては作られていませんので、給与量の通りに食事を与えていたとしても、体重を減らす助けにはなりませんので注意が必要です。
体重を減らすことが目的のフードの名前は、比較的「ウェイトコントロール」とか「〇〇ライト」「〇〇フィット」とつけられていることが多いです。
犬の体重を減らすためのドッグフード選び
では、犬の体重を減らす意味での「ダイエット」に適したドッグフードを選ぶためにはどんなことに注目するのが良いのでしょうか?
■脂質が低いドッグフードを選ぶ
脂質はより多くのエネルギーを作ることができる非常に重要な栄養素です。また、適度な脂質は皮膚や被毛の健康維持や細胞の保護などで大切な役割を持っていて、犬にとっての必須栄養素のひとつです。
しかし、多くのエネルギーを生み出すことができるだけに、脂質が過剰な食事を続けると肥満に直結してしまいます。
そのため、多くの方が想像する通り、脂質の低いフードを意識して選ぶことはダイエットのためのフード選びのひとつの基準になります。
現在、主流となっているドライフードでは、だいたい脂質が15%前後のものが多いようです。
ご自宅にあるドッグフードも、それに近い数字のものだと思います。主流のドライフードの脂質含有量は総合栄養食の最低基準の約3倍となります。最低基準とはいえ結構高脂質に感じますね。
POCHIで取り扱っているフードの中で低脂肪と言われているフードの脂質でも低いものでは、7~10%ほどになります。
もちろん、犬のダイエットに挑戦する場合は、脂質だけではなくほかの栄養素とのバランスやオヤツの量、食べさせるドッグフードの量もチェックする必要があります。
■意外と低カロリー、ウェットフードを与える
ちょっと意外なところで言うと、ウェットフードはドライフードと比較すると体重管理に適していることが多いです。
ウェットフードは水分量がドライフードと比較してずっと多く、その分満腹感も出やすく、結果的に食事全体のカロリーを抑えることができます。
それから、ドライフードよりもグラムあたりのカロリーが低い缶詰タイプをかさ増しトッピングとして利用し、食事全体の量は維持しながらカロリーコントロールを行うなどうまく活用するのもおすすめです。
犬のダイエットにオススメドッグフード
ポチで取り扱い中のドッグフードの中から、商品名に「ダイエット」が入っていなくても犬のダイエット(体重管理)に本当に役立つフードをペット栄養管理士が厳選してご紹介。
名前やフードの売り文句だけに限らず、栄養バランスや原材料などの視点でチェックしたフードばかりですので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
総合栄養食の基準もクリアした体重管理用療法食ナチュラルハーベスト セラピューテックフォーミュラー レジームスモール 1.1kg(1.1kg/2,530円~)
ナチュラルハーベスト セラピューテックフォーミュラー レジームスモール 1.1kg(旧レジーム)(1.1kg/2,530円~)
●主原料
チキンミール、白米、ヘリングミール、玄米、セルロース、ポテト、オート麦胚芽
●保証分析値
タンパク質 25%以上 脂質 5%以上 粗繊維 10%以下 灰分 5.5%以下 水分10%以下
○代謝カロリー 286kcal/100g
●粒サイズ
直径 8~11mm 厚さ 4~6mm
ポチで取り扱いしているドッグフードの中でも、最も脂質とカロリーが低いドッグフードです。犬の体重管理のための療法食として作られていますが、メーカーによると総合栄養食の基準も合わせてクリアしているとのことです。
その特長は、なんといっても高繊維質(2.5倍)、低炭水化物(18%減)であること。とにかくたくさん食べてしまう!という子にピッタリです。
豊富な繊維質がカロリー摂取量を抑え、お腹の調子を整えるのにも活躍してくれます。体重管理をすることでどうしても起こりがちになる便秘にも配慮しています。
低脂肪&エネルギー代謝サポート成分をプラスPOCHI ザ・ドッグフード エイジングケア ラム(1kg/1,925円~)
POCHI ザ・ドッグフード エイジングケア ラム(1kg/1,925円~)
●主原料 ラム生肉、フィッシュペプチド、ソラ豆、スイートポテト、エンドウ豆プロテイン、リンゴ、アルファルファ
●保証分析値
タンパク質 30%以上、脂質 10%以上、粗繊維 7.1%以下、灰分 7.2%以下、水分 10%以下、カルシウム 0.93%、リン 0.78%、タウリン 0.7g/kg、EPA 1.0g/kg、DHA 2.5g/kg
○代謝カロリー 306kcal/100g
●粒サイズ
約7-8mm、厚さ約5mm
POCHI ザ・ドッグフード エイジングケア シリーズは、11種類のエイジングケア成分が魅力のドッグフード。関節、免疫系、体重管理、抗酸化成分、心臓の健康維持成分、下部尿路の健康維持成分、皮膚被毛の健康維持成分などなど、豊富なお悩みに役立つ成分を配合しています。
今はまだ、とくに気になるお悩みはないけれど、これから年齢を重ねていくことを考えると「何か体に良いことを始めたい!」と思っている方は多いのではないでしょうか。そんな方に、エイジングケア シリーズはオススメです。
このフードのおすすめポイントはなんといっても低カロリー、低脂肪なところ。総合栄養食の基準を満たしつつも、脂質を抑えることで低カロリーを実現。
さらに、脂肪のエネルギー代謝をサポートする成分であるL-カルニチンを豊富に含むラム肉を主原料として使用したドッグフードなら、効率よくエネルギーを消費する働きが期待できます。L-カルニチンを豊富に含むラム肉を主原料として使用したドッグフードなら、効率よくエネルギーを消費する働きが期待できます。
トッピングを前提とした基本のベーシックフードは体重管理にも◎POCHI ザ・ドッグフード ベーシック ラム(1kg/1,750円~)
トッピングを前提とした基本のベーシックフードは体重管理にも◎
POCHI ザ・ドッグフード ベーシック ラム(1kg/1,750円~)
●主原料
ラム生肉、フィッシュペプチド、ソラ豆、スイートポテト、エンドウ豆プロテイン、リンゴ、動物性脂肪
●保証分析値
タンパク質 30%以上、脂質 10%以上、粗繊維 7.4%以下、灰分 7%以下、水分 10%以下、カルシウム 0.93%、リン 0.80%、タウリン 0.7g/kg、EPA 2.5g/kg、DHA 4.5g/kg
○代謝カロリー 315kcal/100g
●粒サイズ
小粒サイズ:約7-8mm 厚さ約5mm
ポチで取り扱いしているドッグフードの中で最も脂質が低いドッグフードの中のひとつです。カロリーも控えめで、なおかつ中程度のタンパク質量なので、体重管理を行いたい犬にもピッタリ。トッピングにも対応していますが、そのまま与えても総合栄養食の基準を満たしていますので、栄養面も◎。
ラム肉を主原料とすることで、エネルギー代謝サポート成分であるL-カルニチンを無理なく取り入れることができます。鹿肉などの赤身肉が好きな子にもオススメです。
1kgあたりの価格も比較的手ごろなので、グレインフリーで低カロリー、体重管理に適したプレミアムドッグフードを始めてみたい!という方にはまずオススメのフードになります。
筋力維持のための良質なタンパク質が体重管理をサポートウェルネス コア 穀物不使用 小型犬体重管理用(800g/2,398円~)
ウェルネス コア 穀物不使用 小型犬体重管理用(800g/2,398円~)
●主原料
ターキー ターキーミール チキンミール エンドウ豆 ポテト エンドウ豆ファイバー フラックスシード
●保証分析値
タンパク質 34%以上 脂質 13%以上 粗繊維 7.5%以下 灰分 8.25%以下 水分 10%以下
○代謝カロリー 342kcal/100g
●粒サイズ
約10mm 厚さ5.5mm
小型犬の体重管理に特化した総合栄養食タイプのドライフードです。ウェルネスコアシリーズはグレインフリーで高タンパク質であることにこだわったシリーズで、食事だけではなく適度な運動も組み合わせることで、健康的な体形を維持するサポートをしてくれます。
動物性タンパク源をしっかり取り入れることで筋肉を付けさせ、基礎代謝を上げていくことにもつながるので、太りにくい体づくりを意識する時にもピッタリ。
無理のない範囲で続けられるよう、散歩の時間を少し伸ばしたり、体を動かす遊びをプラスしながら与えるのがオススメです。
犬の体重管理、ダイエットを効果的にするためのポイント
食生活の見直しと同時に意識したいのが、運動量の増加。散歩の時間をはじめは今より少し長くする程度、慣れてきたら、あと5分、10分と徐々に長くしていくだけで体が締まってくることもあります。小型犬なら部屋の中で「とってこい」を毎日10分行うことでいい運動になります。ただし滑りやすい床では足腰の関節の負担になるのでNG。小さな“頑張り”を毎日コツコツと積み重ねていくことが重要です。
おわりに
ドッグフードを選ぶときについつい気になる「ダイエット」というフレーズですが、本来の意味で使用されているのかどうかを、きちんと確認する必要があります。
体重管理という意味で「ダイエット」という言葉を使うのは日本独自の表現だそうですので、注意が必要です。犬の体重管理を行うのであれば、カロリーや脂質といった部分をチェックした上でフード選びをしてください。