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2023.03.13
犬が好きすぎる国民性を反映? NZの不思議な犬アート探訪~南半球のDog's letter~
世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?共通してる?目新しいドッグライフ情報を、自然豊かな南半球に位置するニュージーランドからお届けします。
多くの人が犬と暮らしているニュージーランドですが、犬好きの「国民性」はちょっと不思議な形でも街にあふれているようで…?今回は、ニュージーランドの街中で見かける、さまざまな「犬?」についてご紹介いたします。
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この記事を書いた人:グルービー美子
ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。
犬をモチーフにしたアート作品が多数
ニュージーランドというと大自然をイメージされると思いますが、文化活動もなかなか盛んで、都市部を中心にストリートアートがたくさん見られます。
自然や野鳥、先住民マオリをモチーフにした作品が多く、身近な存在である犬がテーマのものも少なくありません。
そこで今回は国内各地に存在する、犬がモデルのアートやオブジェのなかから、ユニークなものを3つご紹介します。
テカポ湖畔の牧羊犬像
人口600人弱の田舎町ながら、「世界一の星空」と謳われ、天体観測スポットとして日本人観光客にも人気が高い南島のレイク・テカポ。
湖畔に立つ「善き羊飼いの教会」は絵本に出てきそうなかわいらしさで、この町のアイコンとなっています。
なぜこのような名前なのかというと、開拓時代にこの地で尽力した入植者のために建設されたから。
初期の入植者は、そのほとんどが羊飼いだったことが、教会名の由来です。
羊飼いには牧羊犬が不可欠なため、教会のすぐ近くには牧羊犬として働いたボーダーコリーの像も立っています。
レイク・テカポのあるマッケンジー地方は19世紀に羊産業で成功を収め、その立役者と呼べるボーダーコリーの功績を称えて、1968年に造られました。
教会を向いて立つボーダーコリーはキリっと凛々しい表情で、今にも羊を追って走り出しそうです。
絵本に登場する犬たちの像
北島にある温暖な海辺の街タウランガは、ニュージーランド人も憧れるリゾートタウン。
この街のウォーターフロントに、絵本のキャラクターであるもしゃもしゃマクレリーと彼の仲間たち(犬も猫もアヒルもいます!)の像があります。
オーストラリアン・テリアのマクレリーを主人公とした絵本シリーズをモチーフに、作者のリンリー・ドッドがタウランガ出身ということからここに造られました。
ニュージーランドの子供たちは「もしゃもしゃマクレリー」で育つといわれているほど、なじみのあるキャラクターです。
この作品があるのも、子供たちでにぎわう公園の中。
躍動感ある楽しげなデザインで、街の人たちに愛されています。
巨大な犬の観光案内所
最後にご紹介するのは、北島中央部の小さな町ティラウ。
とくに見どころがあるわけではなく、オークランドから観光地ロトルアへ行く途中のトイレ休憩スポットのような町ですが、思わず車を止めてしまう名物が存在します。
それが、大きな犬の形をした建物。波状に加工したトタン板で造られており、舌を出したユーモラスな表情が何とも言えません。この建物は、観光案内所兼公衆トイレとして使われています。
犬のすぐ隣には2頭の羊の建物もあり、こちらは店舗となっています。ほかにもトタン製の猫やプケコ(ニュージーランド固有の野鳥)を看板に掲げたカフェ、おみやげ物店などが並び、メインストリート全体がギャラリーのような趣。
こうした遊び心は、とてもニュージーランドらしいと感じます。