- コラム
- 海外情報
2024.05.22
人も犬も馬も楽しめる!NZの広大な森林公園をお散歩~南半球のDog's letter~
世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?共通してる?目新しいドッグライフ情報を、自然豊かな南半球に位置するニュージーランドからお届けします。
美しい自然が残る国、ニュージーランドでは、自然を守るためにさまざまな保護区が設定されています。
その中には日常的に犬と一緒に訪れることができる場所もあるのだとか。
もちろん、犬が立ち入ることができないエリアも設定されていますが、飼い主や訪れる人々もルールを守って自然を身近に楽しんでいるそうです。
今回は、犬と一緒に感じる日常の中のニュージーランドの自然をお届けします。
-
この記事を書いた人:グルービー美子
ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。
*1 惜しみない愛情でメンタルをサポート。NZの"コンパニオンドッグ"とは?~南半球のDog's letter~
*2 働く犬のセカンドステージをバックアップ!引退したワーキングドッグが家庭犬になるまで~南半球のDog's letter~
国土の3分の1以上が自然保護区
ニュージーランドは自然が豊かという印象がありますが、約1000年前に人間が定住して以来、独自の生態系が急速に脅かされてきた歴史を持っています。
それを反省し、近年は国を挙げての環境保護活動が盛ん。国土の3分の1以上が公園や自然保護区に指定されています。
こうした保護区では犬連れが制限されていることが少なくありませんが、オークランド郊外には犬と一緒に入れる森林公園ウッドヒル・フォレストが広がっています。
もちろん、犬と一緒に訪れるにはルールが設けられており、ウンチなどは持ち帰ることや迷惑をかけないようなしつけがされていること、希少な動植物をまもれるようにすることなどが基本です。
オークランドの中心部からは車で約40分、筆者がサーフィンをするビーチのすぐそばにあり、友人たちとたびたびウォーキングに出かけているこの公園をご紹介します。
犬が集まる広大な松林
ウッドヒル・フォレストに生えているのは主に松の木。
原生林ではなく、林業のために植林されたもので、広さは何と12,500ヘクタールに及びます。
森林内にはマウンテンバイク・パークやオフロードバイク・パーク、サバイバルゲーム・フィールド、アスレチックといった娯楽施設も。
犬連れで入れるトレイルは無料で公開されており、一般車両は進入不可なのでオフリードにしてのびのび走り回れるのもよい点です。
ここは「ドッグパーク」「ドッグラン」と謳っているわけではないのですが、通年いつでも犬が入れるため、自然に犬と飼い主が集まってきます。
道は未舗装なので犬の肉球にもやさしく、緑の上で寝転がったり、敷地内を流れる小川に飛び込んだりする犬の姿も。
ピクニックテーブルもあり、メインロードから脇道を進むとビーチにも出られるため、休日にのんびり過ごすのにもよい場所です。
ここに来れば高確率でいろいろな犬と出合うので、犬と飼い主の交流の場にもなっているよう。
とはいえ、かなり広いため犬同士が一緒に遊びたくなければ距離を保つことも可能です。
馬も歩く森林公園
ウッドヒル・フォレストの南端ムリワイ地区には乗馬場が存在し、周辺に馬を飼育しているライフスタイル・ファーマー(副収入や趣味としてファームを持っている人のこと)が暮らすエリアもあります。
ウッドヒル・フォレスト内にはホーストレックが備わっているため、犬だけではなく馬の姿をよく見かけることもほかの保護区にはない特徴でしょう。
森林内を散歩する犬たちは馬に慣れているのか、馬が近くを歩いていても驚いたり興奮したりする様子は見られません。
なかには馬の飼い主さんが犬も連れてきて、馬と犬が一緒に歩く姿も。異なる種の動物たちが平和に共存している光景にほっこりします。
運動量が必要な犬種にもぴったりな場所であるため、ここで見かける犬のほとんどが中型~大型犬種。
飼い主さんと一緒に車から降りて来る時から犬たちは目を輝かせ、ワクワクしている様子が伝わってきます。
この10年ほどで高層ビルやマンションが続々と建てられ、人口もどんどん増えて都会化が進むオークランドですが、まだまだ犬がワイルドに遊べるエリアが残されているのは幸せなことですね。