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2024.11.13
楽しみながら社会貢献!アジリティレースが人気の犬イベントをリポート~南半球のDog's letter~
世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?!共通してるかも?!と思える目新しいドッグライフ情報を、自然豊かな南半球に位置するニュージーランドからお届けします。
日本国内でも人気が高まりつつあるドッグスポーツ。犬といっしょに様々な競技にチャレンジすることで、うちの子のことをより深く理解したり、絆が深まったり…。
そんなドッグスポーツは、海外だとより身近なものとして根付いているようです。今回ご紹介するのは、ニュージーランドで開催されている、地域密着型の楽しいスポーツイベント。
犬も飼い主さんも観客も、思わず笑顔になれる楽しいイベントの模様をお届けいたします!
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この記事を書いた人:グルービー美子
ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。
名前は恐ろしいがアットホームで楽しいイベント
犬と一緒に走るフルマラソン大会や犬をテーマにしたファーマーズ・マーケットなど、犬関連のイベントが多いニュージーランド。
その大半は気候がよくて雨の少ない春から夏にかけて行われます。
春を迎えたニュージーランドでこうした犬イベントの先駆けとして開催されたのが、「バーキング・マッド(Barking Mad)」。
和訳すると「気がどうかしているくらい吠える」という恐ろしい名前ですが、実際にはこの国らしいほんわかしたコミュニティイベントです。10月19日にオークランドで行われたこちらのイベントの模様をご紹介します。
犬と飼い主の絆を深める地元密着型の催し
バーキング・マッドを主催しているマーケット・スクエア・グループは、さまざまな催しの企画・運営を行うイベント会社。
なかでもバーキング・マッドは人気が高く、年に3~4回開催されているそうです。
「犬と飼い主がともに楽しい時間を過ごし、犬友達の輪を広げるのがイベントの趣旨です。オーガニックのドッグフードや天然素材を使った犬グッズといった本当によい犬関連アイテムも紹介しています。そうしたアイテムのメーカーはほとんどが個人経営のスモールビジネスなので、このイベントにブースを出す費用はいただいていません。宣伝の場として活用してもらい、地元経済を盛り上げたいとも考えています」
そう話すのはマーケット・スクエア・グループのローラさん。
また、バーキング・マッドは地域の犬コミュニティのハブという役割を果たし、犬に関する正しい知識を伝える教育の場でもあるとか。
「無料のトークイベントではオークランド市ペット部門担当者が飼い主の責任について話し、ドッグトレーナーが基本的なしつけや手入れ方法を指導します。質疑応答の時間もあるので、犬の飼育に関する悩みを相談できると喜ばれています」
ゆるいアジリティレースに大盛り上がり
バーキング・マッドのメインイベントは、障害物を乗り越えてゴールを目指す「バーキング・マッド・ドッグレース」。
エントリー料は1頭あたり6NZドル(約420円)で、イベント運営費を除く収益金は犬のチャリティに使われます。
レースではコース上にハードルやブリッジが設けられますが、本格的なアジリティ競技会とは異なるゆるい雰囲気。
カテゴリ分けもユニークで、小型・中型犬、大型犬というサイズ別のほか、テリア部門、ダックスフント部門、レイジー(怠け者)ドッグ部門の5つが用意されています。
バーキング・マッド当日は春らしいポカポカ陽気で青空が広がる絶好のイベント日和。この国でおなじみのラブラドールやボーダーコリーのほか、チワワ、フレンチブル、マルチーズなど多種多様な犬が飼い主と一緒に来場し、のべ1000頭近くが集まり大盛況となりました。
午前11時30分にレースがスタートすると、会場はヒートアップ。
犬の気を引くためのおやつやおもちゃの持ち込みが許可されていることもあり、特にレイジードッグ部門ではマイペースでなかなかゴールしようとしない犬におやつを見せて一生懸命に呼ぶ飼い主の姿が微笑ましくてなごみました。
そのほか、犬のファッションショーもあり、大いに盛り上がった今シーズン最初のバーキング・マッド。
次回はクリスマスの特別イベントを企画しているそうで、これから夏に向けて楽しいイベントが続きそうです。