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2022.11.07

ドイツの街角から ~"私"とポチンスキーの14年間~

ドイツの街角から ~

*1 この記事を書いた人:pochinski スペインのマジョルカ島で保護され、家族になった犬と現在ドイツで暮らす旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。

わが家の犬、ポチンスキーが10月に15歳になりました。目は白っぽくなり、白髪も増え、走るのも遅くなるなど、老化は着実に進んでいるものの、シニア犬にしてはまだまだ元気で飼い主としてもうれしい限りです。

そこで今回は、生後8か月でわが家にやってきたポチンスキーと私たち家族のこれまでの14年間を少しだけご紹介します。

 

ポチンスキーを引き取った日の帰り道。暑い日だったので、なんとか水を飲ませようとしたのですが…。

ポチンスキーを引き取った日の帰り道。暑い日だったので、なんとか水を飲ませようとしたのですが…。


ポチンスキーはスペインのマジョルカ島生まれ。幼犬保護団体がドイツへと連れてきました。
保護と言っても、虐待されていたわけでもなく、引き取り手のない幼犬を連れてきたということのようです。
ドイツではペットショップで犬を売っていないこともあり、南欧や東欧などから保護された犬と暮らしている人は少なくありません。

 

3歳のころ、苦手なものが多かったポチンスキー。

3歳のころ、苦手なものが多かったポチンスキー。

見知らぬ土地に連れてこられたトラウマか、もともとの性格か、引き取ったばかりのポチンスキーはかなりの怖がり屋で、食事を食べさせるのも一苦労でした。
散歩に出れば、ボールやスケートボード、風船、自転車など、苦手なものはたくさん。
安心できるはずの家の中でも、ハエの飛ぶ音が聞こえてくると、さっさと別室へと逃げ込むのは毎回のこと。昆虫の羽音がとても苦手なのです。

 

 

 

散歩中にはいろいろな犬と出会います。ポチンスキーはいったん“あいさつ”を済ますと、相手に対する関心はなくなり、さっさと前へと進んでいきます。

散歩中にはいろいろな犬と出会います。ポチンスキーはいったん“あいさつ”を済ますと、相手に対する関心はなくなり、さっさと前へと進んでいきます。

怖がり屋のポチンスキーも犬に対しての恐怖心はないようで、いつも尻尾をフリフリして親しげに近づいていきます。
ですが、近づいた途端、相手の犬がひょう変して噛みつかれたことも2回ほど…。
それでも懲りずに相手を信じて近づいていくポチンスキーです。

 

ライン川からケルン大聖堂へと向かう階段で。週末の朝、時々訪れる散歩コースです。

ライン川からケルン大聖堂へと向かう階段で。週末の朝、時々訪れる散歩コースです。

こうした日常生活から少し離れ、夢のような時間を過ごせるのが旅です。
EU内では基本的に人も動物も自由に行き来でき、犬が宿泊できるホテルは少なくないため、犬連れの旅もそう難しいことではありません。

この14年間、私たちもドイツの各地やベルギー、フランス、オランダなどあちこちへ車や電車で旅をしました。ポチンスキーは全くと言っていいほど吠えず(ここ2,3年は吠え声を聞いていません)、大抵はおとなしく朗らかにしているため、移動中や宿泊先どこでも受けが良いことも私たちには幸運でした。

 

前々回のコラムから。夏でもムートンラグが落ち着くみたいです。

前々回のコラムから。夏でもムートンラグが落ち着くみたいです。

そんなポチンスキーもはや15歳。
近頃、目と共に耳も老化し始め、物音に鈍感になりました。
苦手なハエが飛んできても気づかずに穏やかにしている姿に、老いるのも悪いことばかりじゃないなとこの頃つくづく微笑ましさを感じるようになりました。