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2022.12.05
ドイツの街角から ~ヨーロッパの11月は美味しい季節~
*1 pochinski スペインのマジョルカ島で保護され、家族になった犬と現在ドイツで暮らす旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。
11月中旬、ケルンのあちらこちらでクリスマスマーケットが幕開けしました。秋だというのに公園の芝はいまだに青々とした暖かな気候なうえ、サッカーの世界的な大会(日本の大金星!)も並行して開催され、ドイツ人にとってはちょっと奇妙なクリスマスシーズンの始まりとなりました。
暖かな日が続いていても、市場に行けば季節の味覚が店頭に並んでおり、秋の深まりをつくづくと感じます。
ドイツの典型的な秋冬の食材を挙げれば、野菜ならばケールやちりめんキャベツ、サラダ用野菜のノヂシャ、ガボチャ、カブなど、果物ならばリンゴやナシといったところでしょうか。さらに、クルミやヘーゼルナッツなどの木の実、イノシシやシカ、キジやカモといったジビエの精肉や加工品も秋から冬にかけての味です。
そして、今の時期がまさに旬なジビエの料理がカモのロースト料理(Gaensebraten)。
料理に使うカモの大半は野生ではなく飼育されたもののようなので、正確にはジビエとは言えませんが、カモのロースト焼きは11月からクリスマスにかけての定番料理の1つです。
それなりに手間のかかる料理ということもあって、自宅で調理するよりもレストランを利用する人は多く、シーズン前から予約で埋まっている人気レストランもあります。
一方、クリスマスマーケットにも定番の味はあります。リンゴあめ(Kandierte Aepfel)やローストアーモンド(gebrannte Mandeln)、プルーンジャム入り団子のバニラソース掛け(Germknoedel)、ハンガリー風揚げパンのランゴシュ(Langos)、ジャガイモのパンケーキ(Kartofellpuffer)、焼きソーセージ(Bratwurst)、マッシュルーム炒め(Pilzpfanne)、グリューワイン(Gluehwein)など、とにかく種類は豊富。
クリスマスマーケットの中を歩いていると、スイーツや揚げ物などの匂いがあちこちから漂ってきて、その匂いだけでもお腹がいっぱいになってしまいます。
11月の最終日曜日、クリスマス4週間前の待降節、アドベントが始まりました。
わが家では、この日からクリスマス菓子を食べるのが習慣で、11月初めに焼いて寝かせておいたシュトーレンや名物店から取り寄せたレープクーヘンなどをさっそく頂きました。
1年ぶりに焼いたシュトーレンもそこそこの出来で、ちょっと安心。クリスマス前のこの時期、おいしいものが多く、食べすぎには気をつけなければ…と毎年この時期に思うのでした。今年のプレゼントは何にしようかな。