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2023.02.15
【#大きな犬と】ツボ圧し3選&カンタン"温活"を獣医師が伝授
同じ犬でも小型犬と大型犬では、育て方や食事など気をつけたいポイントがちょっと違います。でも世の中にある知りたい情報は小型犬向けが多いのが少々残念…。そんな飼い主さんのために、大きな犬にフォーカスした、健康や食事や遊びといった暮らしの情報を集めて紹介します。(POCHI編集チーム・大きい犬班)
今回のお役立ち情報ツボ圧し“温活”
東京都八王子市の「アキホリスティック動物病院」院長で、人間の鍼灸師の資格も持つ菅野晶子獣医師に、大きな犬の“温活”になるツボ圧しの方法を教えていただきます。中医学的な体質のチェック法も、あわせて紹介します。
うちの子の冬の健康ライフに、ぜひ気軽にできるツボ刺激の活用を。
まずは知っておきたい!うちの子の体質
寒い時期は、腰や膝などの関節が痛みやすくなりがち。冷えが原因で、軟便や下痢をはじめ、身体の不調も感じやすくなります。
どんな大きな犬でも冷えやすい冬は、飼い主さんが積極的に“温活”をしてあげたいものです。
ただし、中医学的に“実熱(じつねつ)”と呼ばれる体質の犬には、注意が必要です。
「“実熱”とは、代謝をじょうずに調節できず、体内に熱がこもっている状態をさします。なので、“実熱”の大きな犬にはマッサージ(【#大きな犬と】温活マッサージ5選&冬の養生生活の秘訣を獣医師が伝授)やお灸などで身体をポカポカにするより、ツボ刺激によって免疫力を高めるような“冬の養生法”を活用するのが良いですね」と、菅野獣医師。
菅野獣医師によると、中医学では、恐・怒・悲などの情志(感情)や、寒・風・湿・燥などの外の邪気(病気を招く自然の気象)が身体に中長期で過剰になったり溜まったりすると、熱が身体の上部に昇り、体内の潤いや元気の源を消耗してしまうため、病気になりやすくなると言います。
“実熱”の状態になると、身体が熱い、呼吸が荒い・速い、皮膚や耳が赤い、涼しい場所で過ごしたがる、体臭が強い、尿の色が濃く臭う、便が臭い、舌が赤いといった症状が現われます。これらに複数当てはまるようであれば、うちの子は“実熱”かもしれません。(※なにかの病気により前述の症状が出ている可能性もあるので、気になる場合は獣医師に相談しましょう。)
「“実熱”の改善には、十分な水分補給と、食べ過ぎや高カロリー食を避けることを心がけてくださいね。適度な運動も改善策になります」(菅野獣医師)
冬に役立つツボ3選
犬の身体にも中医学で言う“ツボ”があります。飼い主さんの指先で圧す、指でもむ、手で引っ張るといったツボ刺激により、犬の健康促進や病状の改善などが期待できます。
今回は、大きな犬の冬の養生生活に役立つツボを3つ紹介します。
大きな犬が気持ちよさそうにしているか、確認しながら、飼い主さんもスキンシップを楽しみながらツボ刺激をしてあげましょう。
ツボ刺激(1)三陰交(さんいんこう)
ダイエットや肥満予防のツボとして知られるのが、三陰交。主にホルモンバランスの乱れから生じる不調を解消するツボですが、脾臓や肝臓の調子を整えたり、腹痛を改善させる効果もあります。
食欲が旺盛になりがちで、冷えによる消化器の不調に見舞われやすい冬には、日課として刺激してあげたいツボのひとつと言えるでしょう。
大きな犬の、くるぶしと膝関節を結ぶラインを5等分して、くるぶしから1/5あたりのライン上の内側のくぼみに、三陰交のツボがあります。
飼い主さんは、指で挟むようにして、三陰交を約5秒ずつ、合計4~6回圧してください。
ツボ刺激(2)大椎(だいつい)
寒い冬は、大きな犬も人間同様に身体をすくめがちになります。そんな冬こそ、首や背骨のこわばりや、頭部痛みをやわらげる大椎のツボを刺激してあげましょう。
寒さをはねのける、感冒症状を改善する、神経を安定させるといった作用があるツボでもあります。
大椎のツボは、第7頸椎の下(首の付け根あたり)に位置します。
指2本を使い、飼い主さん自身が気持ち良いと感じるくらいの力で大椎を数秒ずつ、複数回にわたって圧してください。
ツボ刺激(3)腎兪(じんゆ)
腎兪のツボは、活力の源とも言える腎臓の働きを良好にします。
このツボを刺激すると、腰のだるさや痛み、膝のだるさ、消化不良、多尿などの改善も期待できます。
もっともお尻に近い肋骨(最後の肋骨)と背骨とが交わったところが、第二腰椎です。そこから、大型犬では1~1.5cm外側にあるツボを、飼い主さんの指で圧します。
大きな犬が気持ち良さそうにするのであれば、ツボまわりを少しもむようにして圧すのも良いでしょう。
人間用ほかほかグッズを腰にあてよう
腎兪のツボがある腰まわりを温めるのも、“温活”としてオススメです。ただし、前述のとおり“実熱”の犬の場合は、温めすぎないように注意してください。
大きな犬の腰を温めるのに最適のグッズが、人間用のほかほかグッズ。たとえば、あずきなどが入っていて電子レンジで温めて使用する、肩や目元用のパック。そのほか、湯たんぽ、低温カイロなどを使用してもOK。それらの持ち合わせがない場合、お湯をかけたホットタオルをジッパー付きパックに入れて、大きな犬の腰にあてても良いでしょう。
腰まわりを温めると下半身の血行も促進され、大きな犬の元気も湧いてくるに違いありません。
人間用の腹巻やスヌードで冷え予防
菅野獣医師のもとに軟便や下痢の症状を訴えて来院する犬に“温活”をしてもらうと、それらの消化器症状が服薬なく収まるケースも少なくありません。
その“温活”で大きな犬に使用するのが、人間用の腹巻やスヌード。
「冬は、冷えが原因で下痢をしているケースも多いものです。室内でも、床の上など寒い場所にいる大きな犬たちも少なくないと思うので、あったか素材のドッグベッドやブランケットを置くだけでなく、とくに暖房スイッチをオフにする留守番時や夜間、寒い日の散歩時に、腹巻やスヌードで犬のお腹まわりの冷えを予防しましょう」(菅野獣医師)
大きな犬の腰やお腹を人間用グッズを活用して温めたり、ツボを刺激したりするのは、飼い主さんが準備や実施に手間も時間もかからず、気軽にできる季節の養生法。ぜひ、冬の日課にして、大きな犬の健康生活に役立ててくださいね。
ライター:臼井京音 写真:蜂巣文香
取材協力:
*1 アキ ホリスティック動物病院 https://www.akiholisticvet.com/
■ 菅野晶子 先生
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