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2024.11.20

獣医師と考える「腎臓病の子にとってのウェットフードという選択肢」

獣医師と考える「腎臓病の子にとってのウェットフードという選択肢」

犬の慢性腎臓病は、初期の段階ではほとんど症状が出ないことが多く、発見が遅れやすい病気です。それゆえ、異変に気が付いた時には病状が進行してしまっていて、食事療法食の選択肢を取らざるを得ないというケースも少なくありません。そんな犬の腎臓病療法食として、ポチはドライタイプだけでなく、ウェットタイプも販売しています。
療法食としてはドライタイプの方の利用者が多いものですが、腎臓病の治療中の犬のためにウェットタイプの療法食を選ぶことのメリットはあるのか、改めて獣医師といっしょにご紹介いたします。

DOG's TALK

この記事の監修 獣医師・森 亜耶

この記事の監修 獣医師・森 亜耶

ポチの商品開発や製品の管理、コンサルティングサービスも担当する獣医師。現在は柴犬と暮らしている

犬の腎臓病について

犬の腎臓病は、腎臓を構成するさまざまな組織や器官の機能が低下し、腎臓が本来の役割を十分に果たせない状態、病気のことです。
腎臓病はさらに、「急性腎不全」と「慢性腎不全」の2つに分けられます。
このうち、急性腎不全は治療により腎臓の機能が回復する可能性がありますが、慢性腎不全では腎臓の機能が回復することはほとんどありません。
そして、腎臓病と診断される犬のほとんどが慢性腎不全です。

慢性腎臓病は初期段階では血液検査や尿検査でみつかることもあり、この場合には症状はほとんどありません。
しかし、ステージが進行していくと、多飲多尿や食欲不振、嘔吐・下痢などがみられます。

慢性腎臓病の治療法について、現代の獣医学では、残念ながら完治させる方法はありません。
また、人のように定期的に人工透析を行うことは、血管確保の難しさや、長時間安静にできないなどの理由から、慢性腎臓病の犬猫においては適応外とされています。
そのため、腎臓病の治療は「腎臓病の進行を緩やかにする」ことを目的として、食事管理や投薬、自宅での点滴治療などを行っていきます。
より詳しい腎臓病の症状や診断、治療については下記の記事を参照ください。

 

慢性腎臓病の食事管理

前述のように、慢性腎臓病と診断されたとき、自宅での「食事管理」は非常に重要です。
つまり、腎臓の機能の低下を緩やかにし、体内に老廃物や不要な毒素を溜め込まないようにするためには、日頃食べる食事に含まれる成分の制限を行うことが大切です。
 
慢性腎臓病の犬が特に注意すべき栄養素は「リン」です。
リンは肉や魚に多く含まれ、体にとっては非常に重要な役割を持つミネラル成分です。健康な犬の体内では、過剰となったリンは腎臓によって尿から排出されます。
しかし、腎機能が低下した犬は、リンが排出されにくくなり、血液中に蓄積されていきます。リンは、カルシウムと結合することで腎臓の石灰化を起こし、さらに腎機能が低下してしまいます。

また、リン以外の栄養分として、タンパク質の制限が推奨されることがあります。
タンパク質を構成するアミノ酸が分解されるときに、尿素窒素(BUN)というものが生成されます。
BUNも本来であれば腎臓でろ過されて老廃物として尿から排出されますが、腎臓病の犬ではリンと同様にBUNが上手く排出できず、体内に蓄積されることになります。

腎臓病の犬にウェットフードを与えるメリットは?

これまでの説明では、特定の成分を制限したフードによる食事管理がいかに大切かをお伝えしてきました。
では、腎臓病の犬にとって、ドライフードではなくウェットフードを与えるメリットはあるのでしょうか。


1.自然な形で水分補給ができる

これは腎臓病の犬にウェットフードを与える大きなメリットです。腎臓病が進行すると、尿がうまく濃縮できなくなり、体内の水分を余分に尿として排出してしまいます。これにより脱水症状が起こり、水をよく飲むということにもつながります。脱水になると腎臓に届く血液量(循環血液量)が減少して、血液からリンやBUNを濾過して排出する量が減るほかにも、腎臓が常に低酸素状態となることで、さらに腎機能を低下させてしまいます。そのため、家庭では脱水状態にならないようにする工夫が必要になってきます。
ウェットフードは水分を約80%程度含んでおり、水分量が約10%であるドライフードより多いです。そのため、ウェットフードを与えることで、無理なく効率よく水分を摂取できます。特に普段水をあまり飲まないという子には、ウェットフードの量を増やしたり、トッピングとしてウェットフードを追加したりしてもらうと良いでしょう。


2.嗜好性がよく、食べやすい

ウェットフードはドライフードと比較して素材そのものの触感や風味が感じされるため、嗜好性(食いつき)がよいとされています。人肌程度に温めると香りが立ち、より食欲を刺激するため、腎臓病により食欲不振となった犬にも効果的です。また、柔らかいので、飲み込む力が衰えた高齢犬や、歯周病などを併発している犬の食事介助としても有用です。


3.未開封なら長期保存がきく

ウェットフードはレトルト加工がされているものであれば、ドライフードに比較して賞味期限が長く、常温でも保存がききます。また、サイズが小さい物であれば1回で使い切れる量のことも多いので、使いつでも開けたて新鮮な状態で与えられます。

POCHI 腎臓ケアウェットのこだわり

ここまでは、腎臓病の犬の食事管理の注意点と、ウェットフードを与えるメリットをお話してきました。しかし、一番の問題は、「良いとわかっている腎臓療法食を犬が食べてくれない場合がある」ことです。腎臓病用に成分調整された療法食は、美味しくないというイメージがあると思います。実際、嗜好性が高いといわれるウェットフードでも、療法食だと食べてくれないという話も多くありました。

そこで、POCHIの療法食ウェットフードは、「より美味しさを求めてこだわっている」ということなので、原材料からそのポイントを見ていきたいと思います。

 

ここまでは、腎臓病の犬の食事管理の注意点と、ウェットフードを与えるメリットをお話してきました。しかし、一番の問題は、「良いとわかっている腎臓療法食を犬が食べてくれない場合がある」ことです。腎臓病用に成分調整された療法食は、美味しくないというイメージがあると思います。実際、嗜好性が高いといわれるウェットフードでも、療法食だと食べてくれないという話も多くありました。

そこで、POCHIの療法食ウェットフードは、「より美味しさを求めてこだわっている」ということなので、原材料からそのポイントを見ていきたいと思います。

1.第1原材料に生の皮つき鶏もも肉とレバーを使用

「POCHI 腎臓ケアウェット」は、腎臓病に必要な成分調整を行いながらも、第1原材料に皮つき鶏もも肉と高い嗜好性をほこる鶏レバーを使用することでおいしさをアップさせています。病気だからこそ美味しいごはんで犬を笑顔にしたいという思いで開発しました。


2.腎臓療法食としての成分調整と、機能性成分を配合

腎臓ケアウェットは低タンパク(4.6%)、低リン(0.05%)の療法食基準のレシピで、腎臓病で闘病中の犬にとってベストなバランスを目指しました。また、腎臓ケア成分としてMCTを配合しました。MCTは消化吸収されやすく、体内ですぐにエネルギーとして使われるため、腎臓病でタンパク質などが制限されがちな食事を摂らないといけない中でも、効率よくカロリーを摂取できます。さらに、消化吸収の働きを助け、よりしっかりと栄養を摂取できるように、腸の健康維持のためのフェカリス菌を配合しました。

3.使いたくない原材料は不使用

原材料には生肉を用いており、レンダードプロダクト(ミートミール)不使用。また、グルテンや着色料、BHAなどの酸化防止剤(トコフェロールなどの自然由来のもの以外)も使用していません。


4.ヒューマングレードの国内工場で生産

ヒューマングレード原材料を使用し、国内の人間用食品加工工場にて製造しています。

POCHIが作ったスーパープレミアム品質の腎臓ケア用の食事療法食

POCHIが作ったスーパープレミアム品質の腎臓ケア用の食事療法食

POCHI 食事療法食 ウェット 腎臓ケア チキン 80g/429円(税込)

●原材料名
チキン(皮付きモモ肉)、白米、チキンレバー、ライスパウダー、カボチャ、ニンジン、オリゴ糖、鶏脂肪、中鎖脂肪酸(MCT)、トマト、菜種油、こんにゃく粉、卵殻カルシウム、タウリン、魚油(マグロ・イワシ・カツオ)、昆布、フェカリス菌、ミネラル類(K、Mg、Zn、Se、Fe、Mn、Cu)、ビタミン類(C、E、B12、B1、B2、D3)

●保証分析値
タンパク質 4.6%以上、脂質 7.1%以上、粗繊維 0.1%以下、灰分 1.2%以下、水分 70.8%以下、ナトリウム  0.01%、カリウム  0.22%、カルシウム 0.19%、マグネシウム  0.03%、リン 0.05%
〇代謝カロリー 133kcal/100g

●原産国名:日本

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おわりに

家族である犬が腎臓病と診断されたら、少しでも長く元気で暮らしていけるように、今後も体に良いことをしてあげたいと思うのが飼い主心理。
病気になっても美味しそうにご飯を食べる姿は、犬自身にとっては、病気と闘う体力づくりに、そして飼い主にとっては、うちの子が前向きに頑張っている姿として励みになります。
POCHI犬用食事療法食シリーズは、病気の犬たちを美味しいごはんで笑顔にしたいという想いとともに、美味しく食べられるこだわりの療法食でした。
腎臓病の犬がいるけれど、いままでウェットフードを試したことがない、療法食ドライフードを食べなくなった時は、「POCHI腎臓ケアウェット」をオススメします。