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2025.04.10

ドイツの街角から~カーニバルとイースターは春を告げる賑やかな二大イベント~

ドイツの街角から~カーニバルとイースターは春を告げる賑やかな二大イベント~

*1 pochinski: スペインで保護された犬と暮らす、ドイツ在住の旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。

今年の3月はキリスト教とイスラム教、2つの断食期が一時的に同時進行していました。ドイツにもキリスト教徒やイスラム教徒の方たちが数多く暮らしており、それぞれのしきたりや方法に沿って実践していたのではないでしょうか。わが家でも夫がアルコールを断っていました。宗教的な理由というよりは健康を考えてのことなのですが。

キリスト教の場合、断食期に入る直前には飲んで、歌って、踊っての盛大な“お祭り騒ぎ”が行われます。カーニバルです。
私たちが暮らすケルンはドイツ最大級のカーニバル開催地。カーニバルを中心に据えて1年間を過ごし、カーニバルに人生をささげている人は珍しくありません。

カーニバルのメインイベント、「バラの日曜日」に開催されたパレード。

カーニバルのメインイベント、「バラの日曜日」に開催されたパレード。

カーニバルの最終週には、学校や地域でつくるチームが街をパレードする日もあります。

カーニバルの最終週には、学校や地域でつくるチームが街をパレードする日もあります。


実のところ、ドイツのカーニバルは数か月間続きます。
毎年11月11日11時11分に華々しく始まり、しばらく静かな日々が続いた後、最終週に再び盛り上がりを見せます。今年は2月27日から3月4日が最終週に当たり、各所でショーやパーティー、パレードが開催されました。

カーニバルに参加する際は、小さな子どもから年配の方までユニークな仮装をするのが定番です。このため、ケルンにはいくつもの仮装用コスチューム店があるうえ、カーニバル期間限定のポップアップストアも登場。
パイロットや海賊、アニメキャラクターや動物の着ぐるみなど、バラエティーに富んだ仮装アイテムがそろっています。

そんな楽しいカーニバルですが、仮装をして酔いが回ったお祭りムードの人々が街中にあふれるカーニバル最終週になると、わが家の飼い犬、タビィの散歩に苦労します。
怖い目に遭わせないよう、時間帯や行き先に気をつけなければなりません。

ドイツ語で「イースターの鐘」を意味するスイセンは、イースターよりも1カ月ほどはやく満開となりました。

ドイツ語で「イースターの鐘」を意味するスイセンは、イースターよりも1カ月ほどはやく満開となりました。

イースターエッグをリビングとキッチンに飾りました。卵の殻に彩色したものを、毎年少しずつ買い集めています。

イースターエッグをリビングとキッチンに飾りました。卵の殻に彩色したものを、毎年少しずつ買い集めています。


さて、カーニバルの最終日「灰の水曜日」から40日間の断食期を経ると、イースターサンデーがやってきます。
ドイツのキリスト教徒にとって、イエスの復活を祝うイースターはクリスマスと同じ、あるいはそれ以上に大切な祝祭です。普段は別々に暮らしている家族が一同に集まる機会でもあります。

春らしいデコレーションやスイーツもイースターには欠かせません。
例えば、イースターの代表的なスイーツはチョコレート製のイースターエッグやイースターバニー。スーパーやカフェには、イースターの数週間前から多彩なチョコレートが並びます。
断食期にチョコレートを断っている人にとってはイースターが本当に待ち遠しいことでしょう。

スーパーのレジ前に、チョコレートのイースターバニーがたくさん積み重なっていました。

スーパーのレジ前に、チョコレートのイースターバニーがたくさん積み重なっていました。