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2026.03.26

「引っ張り」、「興奮」、「吠え」の3大問題行動〜「引っ張り」編〜《RETRIEVER + POCHI archive054》

「引っ張り」、「興奮」、「吠え」の3大問題行動〜「引っ張り」編〜《RETRIEVER + POCHI archive054》

写真=今井卓
構成・文=RETRIEVER編集部

「RETRIEVER」は、ゴールデン、ラブラドール、フラットコーテッドを中心とした、レトリーバー種の専門誌。
陽気で明るい性格は家族に笑いをもたらし、豊かな表情は言葉が通じなくてもコミュニケーションを可能にしています。
何と言っても、人間に対する愛情がとても深い。そんな犬種との暮らしを紹介する「RETRIEVER」さんの素敵な記事をピックアップしてPOCHIバージョンでご紹介。
犬種が違っても読めばきっと皆さんのドッグライフがより充実したものになるはずです。(POCHI編集チーム)

行動の理由を知り 自身の対応を振り返る

アクティブで作業意欲が高い大型犬は、人と一緒に何かをすることを好む一方で、そのエネルギーの強さが問題行動につながることもあります。散歩中の引っ張りや興奮、吠えなどは、単なる「困った行動」ではなく、犬なりの理由があって起きているものです。2025年5月に実施した『RETRIEVER』読者アンケートでは、困っている問題行動の第1位が「散歩時の引っ張り(24%)」、次いで「興奮(21%)」、「吠え(20%)」という結果でした。

大切なのは「どうやってやめさせるか」ではなく、「なぜその行動をするのか」を理解することです。そして、飼い主自身の対応や日常の関わり方を振り返り、必要であればドッグトレーナーの力も借りながら、一緒に改善していく姿勢が求められます。犬には犬の理由がある、その視点で向き合うことが、問題解決の第一歩となります。

問題行動第1位:散歩時の「引っ張り」

Step1:思考の整理飼い主と犬が一緒にまったり歩く時間

犬の散歩とは、飼い主と一緒に外をまったり歩き、においを嗅ぐ気分転換の時間だと心得ましょう。運動もさせたい、他の犬と遊ばせたい、それから排泄もさせて…と、あれこれを散歩に集約しすぎると、飼い主の気持ちが散漫になり、犬への接し方にも一貫性がなくなってしまいます。飼い主の一貫性のなさは、結果として犬に選択権を与えることにつながります。素直だからこそ損得で動くのが犬です。自分にとって得だと感じる行動、ここでは「引っ張ること」を選ぶようになっていきます。



Step2:気づき引っ張りを引き起こしたり強化させる行動を、自分がしていないかどうか

■引っ張りがより引っ張りを強化する
引っ張りは、「引っ張れば前に進める」という、犬にとっての一種の成功体験です。引っ張りが、さらに引っ張りを強化しているのです。困ってはいるものの解決策が見出せていない場合は、早めにドッグトレーナーに相談しましょう。

■散歩と運動は切り離す
犬の期待や興奮が、引っ張りとして表れてしまうことがあります。散歩は飼い主と一緒にまったり散策する時間とし、ボール投げなどで思い切り体を動かす機会は、別に設けるようにしましょう。散歩時の引っ張りは、運動不足などのストレスが原因となっていることもありますので、十分な運動も大切です。

■しつけ用の首輪は使用しない
引っ張ると首が締まるチェーンチョークや、さらに痛みを伴うスパイクチェーンチョークは、犬に苦しみを与えます。そこから逃れようとする行動が、かえって引っ張りを増長させてしまいます。犬の気も散漫になり、コミュニケーションも取りにくくなります。百害あって一利なしと心得ましょう。

■そもそもの信頼関係を振り返る
散歩中、呼吸をゼェゼェさせながら引っ張り続けて歩く犬にとって、飼い主はアウトオブ眼中、どころか行動を阻む邪魔な存在になっています。散歩時はもちろん、普段の暮らしの中で「愛される飼い主」になれているかどうか、今一度見直してみることも大切です。

POINT:「一緒に歩くといいことがある」と思ってもらうことから

子犬のころに、人についていくための速度を覚えてしまうと、その歩様が人と歩く時の習慣になります。そして犬の体が大きくなると、今度は飼い主がついていくのが大変になってしまいます。子犬のころから、犬がゆっくり歩ける速度での散歩を意識しましょう。すでに成犬で引っ張りがある場合は、こちらを見てくれたり、上手なペースで歩けたりしたら、すかさずごほうびを与えることを繰り返します。そして、飼い主と一緒に歩くと「いいことがある」と知ってもらうことから始めましょう。

出典:『RETRIEVER』 vol.120/「どうする? どうしてた? 「引っ張り」、「興奮」、「吠え」の3大問題行動」

*1 監修=野口 ゆづる(のぐち ゆづる)。『さきがおか動物病院』獣医師。日本獣医 動物行動学会獣医行動診療科認定医。JAHA認定家庭犬しつけインストラクター。