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2024.01.17
夏のボランティア活動!ハンディキャップサーフィンに参加する犬たち~南半球のDog's letter~
世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?共通してる?目新しいドッグライフ情報を、自然豊かな南半球に位置するニュージーランドからお届けします。
犬好きな人が多いといわれているニュージーランド。そのせいか、人間と協力して仕事をする"働く犬"だけではなく、ちょっとしたイベントなどでは犬が「一般の参加者」として数えられていることもあるそうです。
ニュージーランドで犬との暮らしと同じように根付いているチャリティイベントにも、犬たちの姿がありました。
今回は、人々の助け合いの輪の中で笑顔を届ける犬たちの姿をお届けします。
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この記事を書いた人:グルービー美子
ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。
障がいを持つ人たちを対象としたサーフィンイベント で
ボランティア精神が根付いているニュージーランド。
イギリスの伝統を受け継ぐキリスト教思想に加え、小さな島国ゆえに人々が互いに助け合ってきた歴史が、社会貢献・慈善活動を後押ししているのかもしれません。
筆者もこの10年ほどずっと関わっているボランティア活動があります。
それが、夏の間に開催される「ディスエイブルド・サーファーズ・アソシエーション・ニュージーランド(Disabled Surfers Association New Zealand=ニュージーランド障がい者サーフィン協会)」のサーフィン体験イベント。
障がいの種類・年齢に関係なく、あらゆる障がいがある人たちにサーフィンを体験してもらおうというイベントです。
この夏最初のイベントは2023年12月16日に、オークランド郊外ピハ・ビーチで開催されました。大勢の参会者・ボランティアのほか、犬たちも集まったこちらのイベントの様子をご紹介します。
サーフィンに挑戦する参加者を犬が応援
イベント当日は青空が広がるよいお天気。風もあまりなく、波は大きすぎず小さすぎないほどよいサイズで、絶好のイベント日和でした。
午前9時、ボランティアが集まり、イベントの流れや注意点についてのブリーフィングが行われます。
その後、午前10時からいよいよイベントがスタート。参加者とともに海に入り、よい波を見極めてボランティアと参加者がタンデムサーフィン!
参加者のなかにはリピーターも多く、慣れた様子で波乗りを楽しむ人も見られました。
しかし、初めて参加する人、とりわけ海にほとんど入ったことがない人などは「サーフィンに興味はあるけど水が怖い」と不安がることも少なくありません。
そんな時、ボランティアと一緒に参加者を応援して緊張をほぐすのが犬たちです。
毎回、ボランティアや参加者の家族が飼い犬を連れてやってくるため、イベントの際は数頭の犬が常にビーチにいます。ときにはセラピードッグとして働く犬の姿も。
犬がいると場が和むのはどこも同じ。
特に子どもの参加者は犬を見るだけで大喜び。
それまで濡れるのを嫌がっていた子も、犬と一緒に波打ち際で遊んでいるうちに水への恐怖心が薄れてきます。
そして颯爽と波に乗り、満面の笑顔になっていたのが印象的でした。
サーフィンの後はBBQと表彰式
サーフィンを存分に楽しんだ後は、ビーチの駐車場でBBQと表彰式が行われます。
参加者全員にサーティフィケート(参加証明書)とメダルが贈呈されるほか、「今日いちばん長い波に乗った賞」「最高のワイプアウト(サーフボードから落ちること)賞」などさまざまな賞も用意。
それぞれの受賞者に賞状と賞品が授与されます。
この時ももちろんそばで犬たちが見守っています。
犬たちの励ましで恐怖心を乗り越え、新しいことにチャレンジした子どもたちもみんな誇らしげな表情。
「次も絶対に参加するよ」と嬉しそうに話してくれます。
アウトドアを好むニュージーランド人は夏とビーチが大好き。
障がいのあるなしや年齢に関わらず、この国の人々にとって海で遊ぶことは欠かせない夏の行事なのです。
次回のイベントでも人々と犬の笑顔があふれることでしょう。