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2024.11.06

日本とはこんなに違う?! NZの犬にまつわるルールとは~南半球のDog's letter~

日本とはこんなに違う?! NZの犬にまつわるルールとは~南半球のDog's letter~

世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?!共通してるかも?!と思える目新しいドッグライフ情報を、自然豊かな南半球に位置するニュージーランドからお届けします。

犬との暮らしが根付いている社会のニュージーランド。
とはいえ、さまざまなルールが存在しているのも事実です。日本との違いはルールの形、考え方…さまざまな形でみられるようで…?

改めて考えたい、犬やほかの動物たちとの暮らしについて、動物との暮らしのルールと考え方についてご紹介いたします。

DOG's TALK

この記事を書いた人:グルービー美子

この記事を書いた人:グルービー美子

ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。

犬の登録・鑑札は毎年必要

日本で犬を飼う場合、生涯1度の登録、年1回の狂犬病予防接種などのルールが存在します。
では、ニュージーランドにはどんな規則があるのでしょうか? 
日本とはどのように違うのかご紹介します。

まず、ニュージーランドでも犬の登録は必須です。
日本は一生に1回の登録でOKですが、ニュージーランドでは毎年届け出なくてはなりません。
細かい規定や登録料は自治体によって異なりますが、基本的にニュージーランドの財政年度7月1日~6月30日が一区切り。
既に登録済みの犬は、新年度までに更新してその年度の登録料を支払う決まりです。
ただし子犬を迎えたときなど初回は登録日に応じて日割りまたは月割りで計算されます。

犬を登録する際はペット、ワーキングドッグ(牧羊犬など)、スペシャル(介助犬、盲導犬など)といったいくつかのカテゴリ別に行います。
オークランドでのペット登録料は未去勢が173NZドル(約1万5570円)、去勢済みが124NZドル(約1万1160円)。
ワーキングドッグの場合は39NZドル(約3510円)とペットに比べてリーズナブルですが、実際にワーキングドッグとして働いているのかどうか、自治体の担当者が確認に訪れるそう。また、どの自治体でもスペシャルカテゴリの犬の登録料は無料です。
登録すると日本の鑑札に相当するタグが郵送されてきます。
これは日本と同様、犬に常時装着させることが義務付けられています。
タグは主にプラスチック製で毎年更新されますが、南島の都市クライストチャーチではプラスチックごみ削減のため、2022年7月にこれを廃止。
現在は生涯使える金属製のタグに変更されました。
登録とは別に、2006年7月1日以降、マイクロチップも義務化されました。
こちらはワーキングドッグを除くすべての犬を対象としています。

集められた犬の登録料は、騒音問題など犬にまつわるトラブル処理、自治体の保護犬活動、自治体主催の犬関連イベント運営、ビーチやパークのパトロールなどに使用されるそうです。

都市部での多頭飼いは別申請

ニュージーランドの住まいはかつて多くが庭付きの一戸建てで、犬を飼うのに十分なスペースがありました。
しかし近年は都市部を中心に集合住宅が増え、家自体のサイズも小さくなる傾向に。
そのため、都市部に分類されているエリアで2頭以上の犬を飼う場合は別途申請をし、許可を得なければなりません。
申請には近隣住民の同意も必要で、自治体による飼育環境チェックが行われるなど、ハードルはなかなか高い様子。
こうした条件からオークランドでは1頭のみを飼育している人が多い印象です。
一方、地方では申請不要なので多頭飼いも珍しくありません。

優秀な飼い主への割引制度

日本にはないユニークなシステムの一つが、RDOL(Responsible Dog Owner Licence=信頼できる犬の飼い主ライセンス)でしょう。例
えばオークランドでは初めて犬を登録してから12カ月以上経ち、過去12カ月の間に犬管理法に違反していない飼い主が申込み可能。
そして犬の知識を問う筆記試験に合格するとRDOLに認定されます。
オークランドの場合、RDOLはペット登録料が30NZドル(2700円)と大幅に割引され、都市部での多頭飼いも基本的に認められるなどの特典が受けられるので、犬の飼い主ならぜひ取得しておきたいところ。
ただし、一旦取得しても犬管理法に違反したり、期限までに登録料を納めなかったりするとライセンスがはく奪されることもあるそうです。

狂犬病の予防接種は不要


ワクチンに関しては、ニュージーランドで飼い主の義務として接種させるのはジステンパー、アデノウイルス、パルボウイルスのコアワクチン。
一方、日本で必須の狂犬病予防接種は、ニュージーランドで生まれ育った犬の場合は不要です。(ニュージーランドでは狂犬病は撲滅されており、清浄国として知られています)
こうして比べてみると日本とは結構違うニュージーランドの犬にまつわるルール。ニュージーランドは日本と同じ南北に長い島国で、自然環境などは似ている部分もありますが、犬事情は細かい点で異なるようです。