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2025.01.06

犬のオモチャを科学する《RETRIEVER + POCHI archive001》

犬のオモチャを科学する《RETRIEVER + POCHI archive001》

写真:今井卓 文:RETRIEVER編集部
モデル:倉田ウィズ、アベル

「RETRIEVER」は、ゴールデン、ラブラドール、フラットコーテッドを中心とした、レトリーバー種の専門誌。
陽気で明るい性格は家族に笑いをもたらし、豊かな表情は言葉が通じなくてもコミュニケーションを可能にしています。
何と言っても、人間に対する愛情がとても深い。そんな犬種との暮らしを紹介する「RETRIEVER」さんの素敵な記事をピックアップしてPOCHIバージョンでご紹介。犬種が違っても読めばきっと皆さんのドッグライフがより充実したものになるはずです。(POCHI編集チーム)

食べるだけでは足りない、狩りの欲求を満たす

家庭では犬は食事を用意されて、マテを少ししてから与えられるというようなパターンが多いですが、犬の捕食行動を考えた時、それでは満足度は低い可能性があります。「本能的に犬が行動する目的は食物獲得、危険回避、繁殖行動の三つです。その中で、犬の捕食欲求を満たす要件があり、基本的にはその行動を家庭内では遊びとして提供すると考えるといいでしょう」。こう話してくれたのは『ファミリー総合動物病院』行動診療科医長の和田美帆先生。犬は自分で意識的に動けるようになる生後2〜3カ月ごろにはすでに、捕獲行動が始まります。具体的な捕食の手順は、ニオイを嗅いで獲物を探し(1)、見つけると追いかけ(2)、最終的につかまえて(3)、噛んで引き裂き(4)、食べる(5)という流れ。そこで家庭でもそれに合わせて、できるだけ犬に適したオモチャを選んで遊ぶことで犬を満足させることが、問題行動を防ぐことにもつながります。オモチャ遊びは、飼い主と犬の双方の幸せに欠かせない大事な要素なのです。

①獲物を探すオススメWORK=散歩・かくれんぼ探索ゲーム

犬にとって獲物を探すという行為は、犬が飼い主の飼育下にある現社会において、日々の散歩や、そのことを意識した「遊び」によって代替されます。
嗅覚を使ってものを探すノーズワークがその代表格で、獲物を探すという犬の本能的欲求を満たすことができます。

②獲物を追いかけるオススメWORK=ボール投げレトリーブ

投げたボールを一目散に追いかける犬の行動は、見つけた獲物を追う行為から来ています。
普段からボール投げやモッテコイを楽しむ飼い主は多いと思いますが、これも犬にとっては本能的な行動であり、日々の生活に取り入れたい重要な遊びです。

③獲物をつかまえるオススメWORK=引っ張りっこ

犬が大好きな引っ張りっこは、獲物を捕まえ仕とめる行為と同じ。
狭いスペースでも楽しめ、簡単に犬の欲求を満たす遊びです。
また、紐のついたボールなどを用いて、(2)のボール投げやモッテコイと合わせると犬の喜びがアップします。

④獲物を引き裂くガム、フード入りのオモチャ

噛む、引き裂くというのは、仕とめた獲物を食べるという狩りを完了する行為。
中でも、完結させないと満足しない性質の犬がやりたいことなので、ガムや知育オモチャなどを上手に用いて、行為を完結させましょう。
知育オモチャは同時に頭も使うのでおすすめです。

出典:『RETRIEVER』Vol.97/「レトとオモチャを科学する」

*1 監修者 和田美帆、倉田駿

*2 わだみほ・獣医師。獣医行動診療科認。ファミリー総合動物病院副院長。行動診療科医長。しつけ教室『amie』総責任者。日本獣医生命科学犬にてエキゾチックアニマルの内分泌について研究を進めると同時に、犬・猫をはじめとしたペットの一般診療および問題行動解決に日々取り組んでいる。

*3 くらたしゅん・ShakeHand’s代表。 JAHA 認定家庭犬しつけインスタラクター、JKC 公認訓練士/くらたあや・ JAHA 認定家庭犬しつけインスタラクター、カレンブライアアカデミー認定 トレーナー(KPA-CTP)。令和元年、 広島市にスタジオ併設の犬の幼稚園を オープン。褒めて伸ばすしつけを広く普及している