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2023.04.05

犬連れ海外引越は大変?NZ・日本間の犬の出入国について~南半球のDog's letter~

犬連れ海外引越は大変?NZ・日本間の犬の出入国について~南半球のDog's letter~

世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?共通してる?目新しいドッグライフ情報を、自然豊かな南半球に位置するニュージーランドからお届けします。

自然豊かで犬好きな人が多く暮らすニュージーランド。「犬と一緒に旅行できたら…」「ニュージーランドに犬と一緒に移住したい」という希望を持つ方もいるかもしれません。
そんな方に、2023年3月現在、日本からニュージーランドへ犬と一緒に渡航する際に必要な手続きや、ニュージーランドから日本へ犬と一緒に帰国する時に必要な手続きなどについて、ご紹介します。

DOG's TALK

この記事を書いた人:グルービー美子

この記事を書いた人:グルービー美子

ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。

犬連れ海外渡航の手順とは?

ニュージーランドと日本の間で犬と一緒に渡航しようと思ったら、どれくらいの時間どんな手続きを必要とするのでしょうか?

ニュージーランドと日本の間で犬と一緒に渡航しようと思ったら、どれくらいの時間どんな手続きを必要とするのでしょうか?

海外移住や駐在、留学などに伴い、ペットを海外へ連れて行く、あるいは反対にペットを日本へ連れて帰ることがあるかもしれません。
しかし、ペットの輸出入にはさまざまな条件があり、とくに動物検疫に厳しい国であるニュージーランドには、越えなければならないハードルが存在します。
今回は、日本から犬を連れてくる、連れて帰る際の手順を簡単にご紹介します。
国によって、必要になる書類や注意が必要な犬種、予防接種の種類や手続きにかかる期間が異なるケースもありますから、一例として流れの参考にしてみてくださいね。

清浄国間の移動は比較的容易

ニュージーランドに犬を連れてくる場合、狂犬病の清浄国とそうでないかによって手順が大きく分かれます。
清浄国とは特定の伝染病が存在しない国や地域のこと。
狂犬病の清浄国に指定されている国と地域はイギリス、マルタ、フィジー、オーストラリア、ハワイなど、世界でもごく少数。

幸い、日本とニュージーランドはどちらも清浄国なため、両国間での犬の移動は手順が簡略化され、比較的容易とされています(それでも結構手間と費用がかかりますが……)。

ちなみに、日本からニュージーランドに持ち込める犬の条件は以下のとおり。これらすべてを満たす必要があります。

ルール上、特定の犬種の場合は難しいこともありますが、基本的にはニュージーランドと日本で犬が渡航するのは容易な方だといわれています。

ルール上、特定の犬種の場合は難しいこともありますが、基本的にはニュージーランドと日本で犬が渡航するのは容易な方だといわれています。

●ニュージーランド入国前の6カ月間(あるいは生後ずっと)日本に居住していた
●生後12週間以上である

●以下の5犬種(雑種含む)ではない

・フィラブラジレイロ(ブラジリアン・ガード・ドッグ)
・ドゴ・アルヘンティーノ
・土佐犬
・ロ・デ・プレサ・カナリオ(ドゴ・カナリオ)
・アメリカン ピットブルテリア

●ブルセラ症、バベシア症に感染したことがない
●妊娠している場合、日本出国日に妊娠42日目以前である

NZ入国後は最短10日間の検疫が必要

犬と一緒に渡航するのにはそれなりの時間とお金が必要。しっかり準備をしておく必要がありそうです。

犬と一緒に渡航するのにはそれなりの時間とお金が必要。しっかり準備をしておく必要がありそうです。


条件を満たしていれば犬を連れてくることは基本的にOK。
ただし、動物全般を管轄する第一次産業省に許可証を申請するマイクロチップを埋め込む健康診断を受ける16日前・30日前に特定された病気の検査や外部および内部寄生虫の駆除薬を投与するなどの準備が必要。
書類はすべて英文で揃えなければならず、遅くとも渡航の2カ月くらい前からスケジュールを立てて進めなくては間に合いません。
日本国内でも少しずつマイクロチップの装着が広まりつつありますが、それでも未装着の犬も多いはず。予定がある場合はしっかり準備をしておくようにしたいですね。

また、飛行機に乗せる際のキャリーケース(国際規定あり)の用意輸送手段(航空券)の手配、さらにニュージーランド到着後、最短10日間は動物検疫施設に預けなくてはならないため、そちらの予約も必須。
動物検疫施設はオークランドとクライストチャーチに全4軒しかなく、収容数に限りがあるので、早めに押さえておきたいもの。
検疫中、飼い主が犬や猫を訪ねることはできませんが、各施設は設備が整っており、運動やグルーミングなども含めてきめ細かくケアしてくれます。
SNSにも犬や猫たちの写真をマメに上げてくれるので、安心して任せられるでしょう。
ただし、費用もそこそこ高く、10日間で3000ドル(約25万円)ほどかかります。

 

オークランドの動物検疫施設です。犬や猫が快適に過ごせるよう、設備は充実しています。

オークランドの動物検疫施設です。犬や猫が快適に過ごせるよう、設備は充実しています。

日本へ犬を連れて帰るのは「ルールを守れば」比較的簡単

動物検疫の証明書など、用意しなくてはならない書類の種類は多かったりします。事前の準備が大切ですね。

動物検疫の証明書など、用意しなくてはならない書類の種類は多かったりします。事前の準備が大切ですね。

一方、ニュージーランドから日本へ犬を連れてくるのはさほど大変ではありません。
以下の3つの条件のいずれかに当てはまれば輸出可能です。

●出生以来、ニュージーランドのみで飼育されている
●日本へ輸出される直前の180日間以上、ニュージーランドで飼育されている
●日本から輸出されて以来、ニュージーランドのみで飼育されている

日本到着予定日の40日前までに動物検疫所に事前届け出を提出し、出国前10日間以内に狂犬病およびレピトスピラ症にかかっていないかどうかの検査を受け、ニュージーランド側から動物検疫の証明書を取得。
日本へは直行便で犬を輸送し、到着後、日本の空港にある動物検疫所で検査を受け、問題なければ当日そのまま自宅に連れて帰れます。

コロナ禍も落ち着き、海外との行き来も増えてきた昨今。海をまたいでの移動は犬たちにとってもなかなかない体験ですし、早めに準備してスムーズに進めたいですね。

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