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2023.10.18

換毛期、ブラッシングで家族も犬も快適に。タイプ別、犬用ブラシの選び方

換毛期、ブラッシングで家族も犬も快適に。タイプ別、犬用ブラシの選び方

秋になると犬たちの中には「換毛期」を迎える犬が出てきます。換毛期は、犬にとっての衣替えのシーズンのこと。犬は季節に合わせて被毛を生え変わらせるのです。
暑い時期に合わせた夏毛から、寒い秋冬の気候に合わせた冬毛へと、そしてまた暖かくなってきたら夏毛へ、といった具合です。毛の生え変わりの時期には、普段以上にたくさんの抜け毛が発生することも。
このタイミングを「換毛期」と呼びます。

抜け毛が多くなるこの時期は、被毛のお手入れの手間も増えがち。効率的に被毛をお手入れするためにも、知っておきたい被毛ケアの基礎、ブラッシングとブラシの種類について改めてまとめてみました。

換毛期も美しい毛並みを維持したいなら

犬は年に2回換毛期を迎える、というのが一般的でした。
犬をはじめとした多くの動物は、2層の被毛を持っています。主に保温性に優れたフワフワの羽毛のような"アンダーコート"と、水や紫外線をはじく"オーバーコート"です。
換毛期にはこのアンダーコートの部分が抜け替わるため、大量の抜け毛が発生します。アンダーコートの密度が変わることで保温性を変化させているのです。
夏毛から冬毛に生え変わる時よりも、冬毛から夏毛に生え変わる時の方がよりアンダーコートの量が多くかさばるので、抜け毛も多くなる傾向にあります。

換毛期は大量に抜ける毛をきちんとブラッシングで取り除くことが、犬の被毛ケアの第一歩。
犬の被毛ケアの基礎であるブラッシングのポイントのひとつが、ブラシ選びです。犬の被毛や使う場面に合わせたブラシを使えているでしょうか?
犬の被毛のタイプとブラシの特長を照らし合わせて、適したものを選んでみてくださいね。

犬の被毛タイプを整理しよう

まずは、実際のお手入れを始める前に犬の被毛のタイプを改めて整理してみましょう。

 

■ダブルコートとシングルコート

犬の被毛には、大まかにダブルコートとシングルコートの2種類のタイプがあります。
実際のところ、ダブルコートの被毛を持っている犬の方が多く、シングルコートの犬の方が少ないです。
ダブルコートは、アンダーコートとオーバーコートの2層で構成されている被毛を持っていて、定期的に被毛が生え変わり、一定以上の長さになると抜けるため、伸び続けるということは基本的にありません。
寒さが厳しくなるとアンダーコートの密度を高めて保温性を上げるため、寒さには強い傾向があります。換毛期を迎えるごとに季節に合わせてアンダーコートの密度を変えて、快適に過ごすことができます。しかし、最近では室内で過ごす時間が増えた犬が多く、1年を通して常に一定量のアンダーコートを生やしているという子も多いです。

一方のシングルコートの被毛を持つ犬種としては、プードル、シーズー、マルチーズ、ヨークシャーテリア などの人気犬種が多いです。これらの犬はアンダーコートがないぶん、抜け毛も少ない代わりに被毛が伸び続けるため、定期的なトリミングが必須となります。
また、イタリアングレーハウンド、ウィペット、ダルメシアン、ミニチュアピンシャーなどの短い被毛を持つ犬の中にもシングルコートの犬種がいます。ブラッシングが楽ですが、意外と皮膚は繊細な傾向にあり、トラブルやケガが多いので、普段から気を配る飼い主が多いです。
保温性に優れたアンダーコートを持たないシングルコートの犬たちは、被毛の長さを問わず寒さには弱い傾向があります。そのため、寒そうに見えたら衣類を着せるなどの温度調整を必要とする場合も少なくありません。

 

■短毛か長毛か

被毛の長さによってもブラシ選びで重視したいポイントは異なってきます。
被毛が長い犬では毛の絡まりや毛玉に注意が必要ですし、短毛の犬では皮膚の保護や被毛のツヤ出しがポイントになってきます。
それぞれのブラシのタイプによって得意な毛質があります。

 

■テリア系の犬の被毛ケア

ちょっと特殊な被毛を持っているのがテリア系の犬種の犬たちです。
テリア系の犬の被毛は本来は固く、体型に沿って生えているものとされています。しかし、ブラッシングや通常のトリミングなどのケアではその被毛を保つことは難しく、毛が柔らかくなってしまったり、被毛の色が落ちてしまうこともあります。
そこで、テリア系の犬ではプラッキングと呼ばれるケアを行うこともあるとか。プラッキングは人の手によって毛を抜くというケア方法で、特殊な技能が必要です。家庭で行うのは難しいものですので、専門の知識を持つトリミングサロンでプラッキングを依頼することができれば安心です。
とはいえ、テリア系の犬であっても、家庭で過ごす分には被毛の質や色が変化しても健康上は問題ありませんから、無理にプラッキングなどを行う必要はありません。

 

抜け毛&毛玉除去の優等生、スリッカーブラシ

それでは、それぞれのブラシの特長と得意な毛質についてご紹介していきます。
最初にご紹介するのは、「スリッカーブラシ」です。
さまざまな被毛のタイプ、長さに対応できるのがスリッカーブラシの最大の特長。長毛から短毛(きわめて短い、毛が薄い場合は除く)、シングルコートにダブルコート問わず使うことができます。ただし、使い方には注意が必要でもあります。ブラシから出ている細かいピンが鋭く、直接触れるとチクッとします。そのため、ちから加減と使用する場所には注意が必要です。

スリッカーブラシを使う際は、被毛をかき分けて皮膚が見える状態にしてから体に当て、体に平行に動かして抜け毛を取り除いていきます。ダブルコートの犬のアンダーコートを取り除くのはこの方法でOKです。

もう一つ、スリッカーブラシの使い方としては、毛のもつれや毛玉をほぐすことができます。毛玉を解いていくように毛先から少しずつスリッカーをかけていくのですが、引っかかったりしたからと言って力を入れるのは絶対にNG。手に力は入れず、表面から気長にほぐしていってください。

■ スリッカーブラシのポイント

・犬のブラッシングをするならまずはこれ。万能タイプ
・力加減には要注意!犬がブラッシング嫌いになるかも。
・毛玉ほぐしにも使えます

長毛の毛を美しく保つ ピンブラシ

ピンブラシは、ブラシのピンが柔らかいクッションのようなところから出ている形のブラシ。人間用のヘアブラシにもよく似ています。ピン自体もやや長く、ピンとピンの間が開いているのも特徴です。
ピンブラシは長毛の犬や、毛が細い犬にピッタリのブラシ。切れやすいコートを美しく保つために役立つブラシです。ピンがクッションから生えていることもあり、スリッカーブラシよりも痛みを感じる可能性が低いので、安心感がありますね。
基本的な使い方はスリッカーブラシとほぼ同じ。アンダーコートを取り除いたり、毛のもつれを解くのに使えます。ただし、ある程度の毛の長さと毛量がないと上手くとかすことができません。

ピンブラシを使う上でのコツは、ピンブラシを手首のスナップを使って使用する事です。ピンブラシは半円状のクッションの上にピンがあるので、ピンの生え方を活かしてブラッシングを行うことがポイントです。

■ ピンブラシのポイント

・長毛の犬のデイリーユースのブラシはこれがオススメ
・被毛を整えるブラッシングでは大活躍
・短毛の犬の毛には適していません

もつれや毛玉のチェックに コーム

コームとは、スリッカーブラシ等でブラッシングした後に使用する仕上げのクシのような物で、お手入れの必需品。よく見るものでは、荒い間隔の部分と、細かい間隔の部分があります。
コームはあまり長い範囲を一気にかけずに、少しずつとかしていくようにかけていきます。その時、毛先の方からほぐしていって、少しずつ根元に近づけていくようにすると徐々に絡まりも取れていきます。

■ コームのポイント

・スリッカーブラシやピンブラシを使った後の最終チェックに!
・引っかかってしまったら、少しずつほぐすこと

短毛種の犬の抜け毛処理に ラバーブラシ

ラバーブラシの特長はその素材。ブラシ自体がゴムやシリコンなどでできていて、柔らかいので犬が嫌がりにくいブラシです。主に短毛の犬たちに使用することを想定されていて、全身をブラッシングしながらマッサージもできます。犬も飼い主もあまりストレスなくブラッシングできるのが最大のメリットと言えるかもしれません。
使い方や使う場面にもとくに特別なことはなく、毎日使える便利なブラシです。

ただし、抜け毛を取り除くという目的で使用するならあまり効果は期待できません。抜け毛を取り除く目的でブラッシングをするならやはりスリッカーブラシなどの方が向いているようです。じっくりブラッシングをするのには、ラバーブラシは向いていないかもしれません。それから、素材的に犬がオモチャだと思ってかじってしまうこともあります。

■ コームのポイント

・短毛種の犬にピッタリのブラシ。痛くないので嫌がりにくい
・体のマッサージも行えるので、シニアのデイリーケアとしても◎
・中~長毛の犬には使えません

仕上げの艶出し、プロ仕様に 獣毛ブラシ

最後にご紹介するのは、獣毛ブラシです。こちらは豚やイノシシの毛を使って作られているものが多いようで、主に地肌のマッサージを兼ねたブラッシングや、被毛の艶出しに使用されます。短毛から長毛の犬まで使えます。スリッカーブラシを使って毛玉やもつれ、抜け毛を取り除いた後で仕上げにブラッシングをする際は、獣毛ブラシを使うとツヤツヤサラサラになるのだとか。
プロになればなるほどその重要性を力説する「玄人向け」のブラシですが、家庭でのお手入れではコームブラシなどで代用しても問題ありません。

ちなみに、プードルやビションフリーゼ、ボロニーズなどの縮れ毛が特長の犬たちには使うことができません。

■ 獣毛ブラシのポイント

・短毛~長毛まで幅広い犬の毛質に使える、マッサージとしても◎
・プロ仕様の艶出しをしたいなら必須のアイテム
・プードル、ビションフリーゼなどの縮れ毛に使用はNG

アンダーコートを取り除くステンレス製のコーム (レーキ)

皆さま、ファー〇ネーターという商品名で知られるブラシ(?)をご存じでしょうか。
アンダーコートがたくさん取れるブラシで、SNSなどでも使用した犬たちと大量の抜け毛の写真がよく投稿されていますよね。
実はこのタイプのブラシは、クシ(コーム)とハサミ(ナイフ)が一体化したものです。アンダーコートを取り除いているというよりも、切っているという状態が近いかもしれません。そのため、正しく使わないと本来はまだ生えていなくてはいけないアンダーコートを切ってしまったり、シングルコートの犬に使うことで被毛を刈り込むことにもなりかねません。
どんどん毛が気持ちよく取れるので、終わるタイミングを見失い、薄毛に見えてしまうことがあるので、やりすぎには注意です。

おわりに

今回は犬のブラッシングで使用するブラシの特長と使い方についてご紹介しました。
美しい毛並みを保つためには、日ごろのケアも重要です。食事の内容と合わせて、デイリーケアを行うことで犬たちの被毛の健康を守ることにもつながりますから、少しずつでもブラッシングなどを行ってみてくださいね。

ブラッシングと一緒にぜひどうぞ

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●原産国名
日本

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