- コラム
2025.03.24
シッポはおしゃべり!犬の気持ちの見分け方《RETRIEVER + POCHI archive012》

イラスト=花島ゆき
構成・文=RETRIEVER編集部
「RETRIEVER」は、ゴールデン、ラブラドール、フラットコーテッドを中心とした、レトリーバー種の専門誌。
陽気で明るい性格は家族に笑いをもたらし、豊かな表情は言葉が通じなくてもコミュニケーションを可能にしています。
何と言っても、人間に対する愛情がとても深い。そんな犬種との暮らしを紹介する「RETRIEVER」さんの素敵な記事をピックアップしてPOCHIバージョンでご紹介。
犬種が違っても読めばきっと皆さんのドッグライフがより充実したものになるはずです。(POCHI編集チーム)
まずは犬の行動サインに気づくこと
「犬は言葉ではなくボディランゲージで感情や要求を伝えます。よく知られるようにシッポの振り方や位置、目つきなど全身を使って伝えます。ボディランゲージで表現されるサインの意味に気がつくことが大切です」と獣医師の野口ゆづる先生。普段から犬をよく観察することで、さまざまなサインに気づくことができます。サインを受け取った時に、飼い主としてどう対応していくかがコミュニケーションを深めるカギになります。
例えば病院で、犬がカラダを大きく後ろに引いて前に進まないことがあります。これは不安があるからなのですが、やってしまいがちなのが「大丈夫だから」と声をかけて診察室に連れていくこと。そうではなく、動かなくなった犬のほうに戻って優しく声をかけます。ひと呼吸待ってから促すと、落ち着いてスムーズに進むことが多いのです。
犬がサインを出した時に飼い主が対応することで、犬は自分のサインが伝わったことがわかり、また次もサインを出すようになります。ネガティブなものでもポジティブなものでも、何かのサインに気づいたらそのまま放置せず、少し見守る、声をかけるといった対応をすることで、お互いの理解が深まります。
こまやかな感情を表現。シッポはおしゃべり!シッポ
犬は今どんな気持ち? シッポの高さと低さ、緊張度の相関図で確認してみましょう。
シッポの位置が高い時は前向きな気持ち、低い時は後ろ向きな気持ちの場合が多いですが、シッポの位置が低くてもリラックスしている気持ちを表現している場合もあります。

シッポの位置と気持ちの読み取り方の図
全身のようすを観察するとよくわかる!表情とカラダ
★ニュートラル

落ち着いている普通の状態
[耳]自然に垂れ下がっている
[目]穏やか
[口元]柔らかく少し開いている
★期待

これから何が起きるかワクワクしてポジティブな状態
[耳]真ん中に寄って、つけ根が持ち上がっている
[目]大きく開かれて、キラキラしている
[口元]パカッと開かれてい
★不安

知らない相手がいる、飼い主に叱られるのではないかなど、不安な状態
[耳]パタンと寝ている
[目]目を細める、または目線を外す
[口元]閉じられている。さらに緊張度が高まると後にイーッと引かれて歯が見える
★警戒

大きな音がしたり、何かを見つけたりなど、注意を向けている対象がわかる
[耳]つけ根が持ち上がり、前側に向いている
[目]目はやや中央に寄っている
[口元]力が入りギュッと閉じられている
さまざまなボディサインで、自分や相手を落ち着かせるカーミングシグナル
カーミング=落ち着かせる、シグナル= 合図の意味です。
ストレスや緊張を感じた時に犬自身が安心するためだけでなく、相手を落ち着かせるためにも使うボディランゲージです。
犬が群れや人との集団生活をする中で、トラブルを回避して平和に過ごすための方法として発達しました。
ここではすぐに役立てられる12個を紹介します。
★口のまわりをなめる
自分の緊張を和らげ、相手の感情を落ち着かせる時に行います。
人間が緊張するシーンで、ツバをゴクリと飲み込む行動に近いといわれる。
★伏せる
相手が不安そうな時や興奮しすぎた時、自分が疲れて休みたい時など、相手を落ち着かせるために使います。
★座る
散歩の途中や、犬同士の遊びの最中で座り込んで動かなくなる時には、不安を感じていることがあるかもしれません。
★あくび

自分や相手の興奮を静める時や、ストレスを感じている時に使います。
人間でいうとため息をつく行動に近いともいわれます。
★オシッコする
緊張している時や不快な時、初対面の相手に対して敵意がないことを示すためにオシッコをすることがあります。
★体をふるわせる

知らない人や犬が近づいてくる時など、不安や緊張を和らげ、気持ちをリセットするために行います。
飼い主に拒否の意思を伝えるためにも使います。
★地面のにおいを嗅ぐ

何かをしている時に突然、地面のにおいを嗅ぎ始めるのは、何かを拒否している可能性があります。
★間に割って入る
人と人との間や、犬と犬との間に入ってくる行動。
ヤキモチを焼いているのではなく、距離が近づきすぎたことで争いが起こることを心配し、防ぐために行っています。
さりげなく間に入ったり、さっと空気を動かすように通りすぎたりします。
★仰向けになる
急所であるお腹を見せることで、相手に敵意がないことを伝える。
自宅で飼い主と一緒にいる時など、安心してリラックスしている場合もこの姿勢になります。
★視線をそらす

いつもはアイコンタクトをしてくる犬でも、緊張や不安を感じている時、相手に敵意がないことを表現する時には、視線をそらすことがあります。
いたずらがバレてしまった時にも…。
★背中を向ける
他の犬に会った時に背中を向けるのは、これ以上近づかないでほしいというサイン。
静かに離れましょう。
★相手にカーブを描きながら近づく

相手に不安を感じている時に、ゆっくりと時間をかけて近づく。
自分ではなく、相手が不安そうにしている時にも、相手が安心するようにゆっくりと近づきます。
出典:『RETRIEVER』Vol.117/コミュニケーションを深めていければ愛犬がもっとイキイキとする
*1 監修=野口ゆづる のぐちゆづる。『さきがおか動物病院』獣医師。日本獣医動物行動研究会獣医行動診療科認定医。JAHA認定家庭犬しつけインストラクター。